令和時代の家電幸福論
Lumada Innovation Evangelistの澤さんが、普段なかなか入ることのできない日立のさまざまな現場を訪問する「澤円のDX社会科見学」シリーズ。「現場が大好き」と語る澤さんと一緒に見識を深め、デジタル活用の実践術に迫る、大人の社会科見学です。
デジタル活用による進化でお客さまへの提供価値向上を加速させている、日立グループの幅広い事業の現場。そこには、デジタルトランスフォーメーションを進めるための、アイデアやヒントがたくさん詰まっています。
第2回目は、日立グローバルライフソリューションズを訪問しました。
- 最新の家電は便利なのはもちろん、インターネットにつながることで新しい価値が生まれています。
- その中心にあるのが「ハピネスアップ」というアプリ。生活に役立つ情報提供だけでなく、家電をより長く快適に使って頂くことをめざした仕組みまで。
- さらに、日立グループの総力を挙げて、家電の枠を超えてデジタルでつながることで、人々の生活にどんな価値を提供することができるかを、澤さんに語ってもらいました。
- 森
- 日立グローバルライフソリューションズの森です。
- 澤
- 10年前の家電と今の家電で、課題解決という点ではあまり差がないかと思うのですが、どうでしょうか。
- 森
- 正直、便利さという点では大きな差はあまりありません。最近はお客さまが家電品に求めている価値は、単なる便利さだけではなく、豊かさ、幸福感、ハピネス!ではないかと考えています。本日はコネクテッド家電を中心に家電の進化を説明します。
- 澤
- コネクテッド家電とは何がどのように繋がっているのですか。
- 森
- 日立はリモート機能、遠隔操作などから始めて最近は新たなチャレンジをしています。具体的には製品担当から説明します。
冷蔵庫に「あれあったっけな?」を解決
最初に最新の冷蔵庫R-GXCC67Vを紹介してもらいました。大容量、省エネ、鮮度保持の点で大きく進化を遂げていますが、そのような点以外でも進化していることがあります。紹介してくれたのは冷蔵庫の商品企画を担当する堀井篤史さん。
- 堀井
- スーパーで買い物していて、「あれあったっけ?」って冷蔵庫の在庫を確認したくなることはありませんか。
- 澤
- 僕、毎回なんですよ!どうにか解決できないですか。
- 堀井
- そこで、この「冷蔵庫カメラ」。冷蔵室を開けると自動で撮影して、スマートフォンに写真を送りますので、常に冷蔵室の在庫を把握できます。
- 澤
- 結構くっきり見えますね。いいね〜。
- 堀井
- さらに、スマートフォンで食材検出というボタンを押すと、自動で食材のリストが出るようになっています。
- 澤
- うわー、これすげー。僕は家では料理担当で、忘れっぽいので本当に大変なのですが、これがあると頼りになる。ありがたいですね。
しわを伸ばしてきれいに仕上げる洗濯機
続いて、商品企画を担当する村上尚志さんが洗濯機を紹介してくれました。
- 村上
- 新製品BD-STX130には、「らくはや 風アイロン」という機能が搭載されています。高速風と大風量でしわを伸ばしてきれいに仕上げて、アイロンがけの手間を軽減します。実は今私が着ている綿100%のワイシャツも風アイロンで仕上げたものです。
- 澤
- 風アイロンだけ? 形状記憶の新品のワイシャツを今日着たわけじゃなくて?
- 村上
- はい、風アイロンだけで仕上げました。単に汚れを落とすだけではなく、このようなハッピーになるような機能を搭載しています。
- 澤
- ハッピーっていう言葉、いいですよね。
- 村上
- さらに、洗剤や柔軟剤を自動投入する機能が進化しまして、洗剤や柔軟剤がなくなりそうになると、自動で再注文することもできるようになりました。
- 澤
- 今日、僕、帰りに電器屋さんに行こう!絶対買おう!
「ハピネスアップ」でつながる家電
次は、日立の家電がより便利に使える家事サポートアプリ「ハピネスアップ」を紹介してくれました。コネクテッド家電と組み合わせることでより快適に!!
- 森
- これからの家電のデジタル化の軸となる「ハピネスアップ」というスマートフォンのアプリを紹介します。
- 澤
- 名前からして素敵ですね。
- 森
- 冷蔵庫の今の設定状態、洗濯指数、買い物指数などを見ることができます。また、おすすめレシピの情報もあり、家事に役立つ情報をまとめて表示しています。
- 澤
- 家事の情報ハブみたいですね。
- 森
- 家電についてお客さまが気になっている症状がある場合は、「気になる症状」を診断することもできますし、毎月の家電の稼働状況を取得・解析して「あんしん点検」を行うこともできます。
- 澤
- 完全に調子が悪くなってから調べるのではなく、その前に色々対処できるようになっているのですね。
- 森
- デジタルの力で、より長く家電の性能を維持し、お客さまが悩んでいる時間をなるべく少なくしたいという思いでこのアプリを作りました。
デジタルでつながる先に広がる世界
最後にデータを活用した家電品の今後の世界についてお話を伺いました。
- 澤
- 今まで聞いたお話でだいぶ未来感あふれる状態になっていると思ったのですが、これから色々考えていることはありますか。
- 森
- はい。まず、一つ目は、「家電品自体をさらにレベルアップ」することです。例えば洗濯機にはたくさんのセンサーがあります。そのセンサーの情報を家電品から外に出して活用することで、お客さまに合わせた洗濯の仕方を提案したりとか、もっとキレイになる、もっとふわっとすることができないかと考えています。
二つ目は、データの力で家電品をより長く快適に使えるようにすることです。家電品って、5年10年、長い期間使うものじゃないですか。使っている間に、調子悪いなという状況になることはあります。大抵の場合、掃除したり調整したりすることで直ってしまうことがあるのです。
三つめは、家電品をいろいろなサービスに繋げて、従来の家電品の枠を超えた新たな価値を提供できないかと考えています。
- 澤
- 家電品もインターネットにつながるとセキュリティを意識しなくてはいけないと思うのですが。
- 森
- 我々もITシステム開発で日立グループの知見を使っています。
- 澤
- 日立ならではと思うのですが、省エネルギーや故障する前に少しずつメンテナンスして最終的に環境負荷を下げる取り組みができていて、すごくいいなと思いました。家電品から出てくるデータというのはどんどんビッグデータ化していき、国レベルとか世界レベルとかで使えるようなデータとして活用できるかなと期待しています。
- 森
- ありがとうございます。我々もこれからどんどんその発想を広げていかなくてはと思っていますので、日立グループの知見も生かして進めていきたいと思っています。
今回は、家電品についていろいろ聞いてきました。
家電品から上がってくるデータを活用することで、家電そのものが良くなるだけではなく、世の中が絶対良くなるなと思いました。例えば、セキュリティ領域の知見が蓄積されて、セキュリティ分野で生かすことができると思いますし、家電の動きから人の動きを解析することでヘルスケアにつなげていくこともできると思います。その中心になるのがやはりデータです。家電領域もLumadaを実現するための極めて大事なピースだという確信を持つことができました。ぜひ、次回も楽しみにしていてください。
(澤円)
- 澤 円
- Lumada Innovation Evangelist 株式会社 圓窓 代表取締役
案内役:
- 森 泰久
- 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 コネクテッド開発推進部
- 堀井 篤史
- 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 商品企画部
- 村上 尚志
- 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 商品企画部