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Hitachi

文系出身のデータサイエンティスト。
枠組みを超え、新たなイノベーションを生み出す

2023-03-31

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石田 沙友里

株式会社日立製作所 Lumada Data Science Lab.

技師

株式会社日立製作所が2020年4月に設立した「Lumada Data Science Lab.」(以下、LDSL)に集う一人ひとりに光をあてるインタビューシリーズ。今回話を聞いたのは、LDSLの石田沙友里です。大学時代は教育学を専攻しており、LDSLでは珍しい文系出身の石田。「自身のバックグラウンドが強みになっている」と話す彼女の転身のきっかけや、これからの目標を聞きました。

入社してからデータサイエンティストになるまでの経緯を教えてください。

大学では教育学を専攻しており、2016年に新卒でSEとして入社しました。文系の私がSEになろうと思ったきっかけは、子どもの頃からモノづくりが好きだったことに加え、常に新しい知識を身につけたい気持ちが強く、自分のスキルを向上させられる仕事に就きたいと考えていたからです。就職活動中に日立の採用イベントに参加し、さまざまな業界・分野の課題を解決することで社会に貢献する企業精神に魅力を感じました。また、その風土を作り上げる社員の方々からも「社会の役に立ちたい」という想いの強さを感じたことを今でも覚えています。日立でなら、周りと切磋琢磨し合い、成長できる環境に身をおけると確信しました。

入社後はインダストリアルデジタルビジネスユニットに配属され、運輸業界のDX関連の案件に従事するなどさまざまな経験を積みました。初めてデータサイエンス分野に興味が湧いたのは、実務の中で、データ活用案件に携わったことがきっかけです。難しさはあるものの、気がつくと時間が経ってしまっているほど没頭する自分がいて。データと向き合ううちに、「データサイエンスのスキルを向上させ、もっとお客さまの課題解決に貢献したい」という想いが自然と強くなりました。その想いから社内異動制度を使い、現在の部署にデータサイエンティストとして異動したのです。

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社内異動制度とは、どういった制度なのでしょうか。

日立グループにはさまざまな社内異動制度がありますが、私が利用したのは「グループ公募」という制度。日立グループ内の各部署が必要な人財を求人のように掲載しており、希望者は自身の好きなタイミングで募集に応募できます。各所への調整などは必要なく、自分の希望や意思を尊重してくれる制度です。私が手を挙げたことで希望を汲んでくださり、面談などを経て、データサイエンティストになることができました。

データサイエンティストの仕事は業界や分野を絞らないため顧客の幅が広がり、これまで以上に課題解決を通じて社会貢献できている実感があります。日々データと向き合いながら、お客さまとの協創をめざしています。

データサイエンティストのやりがいを教えてください。

お客さま自身も気がついていなかった本質的な課題をデータから見つけ、新しい気づきを提供できることがやりがいです。SEのときも、お客さまに課題を直接ヒアリングする機会があったため顕在的な課題は見つけやすかったのですが、一方でお客さまも認知していない潜在的な課題を根拠とともに見つけることには苦戦していました。

今では、お客さまから過去のデータを共有していただき、分析することで、定量的な根拠に基づいて潜在的な課題を掘り起こせています。それらはお客さまの想像を超えた気づきになり、「そのような課題があるとは思いもよらなかった」とのお言葉をいただくことも。役に立てた実感と達成感がありますね。

私がまだSEだった頃の話なのですが、共にプロジェクトを進行していたデータサイエンティストのことを先輩SEが「魔法使いのようだ」と言っていたことを覚えています。ヒアリングだけでは導き出せなかった課題を見つけ、新しい施策を提案する姿からそう感じたようです。ですが、実は地道なデータ分析の積み上げによって成し遂げられていたのだと、データサイエンティストに転身したおかげで気がつきました。今は、データという膨大な情報の羅列から本質的な価値を見出すことが私の仕事だと思っています。

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お客さまが日立と協創するメリットを教えてください。

潤沢なノウハウ、持っている技術の幅広さ、提供できるサービスの多様さが強みです。一例として、鉄道会社であれば車両本体のハード面は当然のこと、制御システム、最適な運行計画の立案システム、効率的な保守点検計画を導き出すAIなど、すべてを日立グループで包括的にカバーできます。日立グループが持つ豊かなリソースを使い、上流から下流まで一気通貫での対応力はお客さまにとって大きなメリットになると思います。

また、その対応力の強さを生み出すために、社内の部署間の横断的なコミュニケーションが活発ですし、ノウハウや知識を共有し合う文化が浸透しています。以前、初めて担当する案件の推進で悩んだとき、上司から「他部署のこの人に相談するといいよ」とアドバイスを受けました。さっそくアポイントをとり案件について相談すると、進め方の助言や起こり得るリスク、他に不安なことはないかなど、とても丁寧に教えてくれました。

データサイエンスは日々最先端が更新されていく分野だからこそ、データサイエンティストが集まるLDSLは、特に知識やノウハウを共有し合う文化が醸成されていると感じます。一つひとつの案件に取り組んで得た知識やノウハウだけでなく、一人ひとりが個人で勉強したことも惜しみなく教えてくれるプロフェッショナルばかりがLDSLに集っているのです。年次や年齢、バックグラウンドは異なりますが、「長期的な目線で会社や社会に貢献したい」と考える視座の高い人に囲まれ技術の研さんができています。

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最後に、石田さんの夢やこれから挑戦してみたいことはありますか?

データサイエンティストとしてデータを活用し、顧客課題を解決に導くプロフェッショナルになりたいです。難しい課題であったとしても、「石田さんがいるなら安心」と言われるような存在が理想ですね。

文系出身の私の強みは、お客さまと等身大のコミュニケーションができること。SEのときもそうでしたが、お客さまはAIや技術に精通している方ばかりではありません。中には理論や技術よりも、コンセプトや共感することに価値を感じる方もいらっしゃいます。技術を理解し、お客さまに近い感性を持つ私が間に立つことで、ユーザーに寄り添う立場から提言したり、お客さまが求めているものに合わせて伝え方を工夫したりするなどを心掛けています。個々の特性を尊重してくれる日立だから、私のバックグラウンドは強みとして生かせていますね。

将来的には、人財育成や部署間のコラボレーションにも貢献したいです。文系、理系、SE、データサイエンティストといった枠組みを超えてタッグを組めば、きっと新しいイノベーションを生み出すことができる。社内外のどんな人とも協創できるのが日立です。その橋渡し的役目を、私が担えたら嬉しいですね。

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