インフラ老朽化やデータ形式の標準化といった課題に直面
約20年も前から、いち早くEDIを導入し、日々の商品の発注・仕入れ業務などに利用してきたダイエーでは、長年にわたるその運用の中でいくつかの深刻な課題に直面していました。
株式会社ダイエー
経営システム本部
システム推進管理部 部長
橘川 貴文 氏
「課題は大きく3つありました。1つ目は、インフラとしてのEDIシステムの老朽化で、今後のメンテナンスやサポート面を考えればインフラの刷新は大きなテーマでした。2つ目は、これまでのEDIの通信速度の遅さです。場合によっては1回の発注データの送信に数時間もかかることがあり、スムーズな業務遂行を妨げていました。そして3つ目の課題が、例えば大きな商品マスタや画像データなどを卸さまと交換する際に、その形式などを標準化できないことでした」と語るのは、システム推進管理部部長の橘川貴文氏です。
こうした従来型EDIの課題を解決する切り札と期待されたのが、経済産業省主導で作成された新たな業界標準EDI「流通BMS」。ダイエーとともにその実証プロジェクトに参画した日立は、そこで得られた豊富なノウハウを「REDISuite」に凝縮。ダイエーの流通BMSへの移行から、実際の運用までをサポートすることになりました。
通信時間短縮や伝票レス…流通BMS導入のさまざまなメリット
株式会社ダイエー
システム物流本部
システム企画部 課長
中村 彰男 氏
流通BMSを導入したダイエーでは、その稼働からほどなく、目に見える効果が表れ始めました。
システム企画部課長の中村彰男氏は、「これまで1時間ほどかかった受信時間が1/20の3分ほどで受信できるようになったため、センターへの持ち込み時間が早くなり、センターでの確実な仕分け作業で誤配などがなくなりつつあります」と通信速度の向上による効果を実感しているといいます。
一方、「従来、伝票を伴っていたEDIから一気に伝票レスのEDIに切り替えることができ、取引先と交換していた年間700万枚ほどの伝票を一気になくすことができました」と語るのは、システム推進管理部MD・SCMシステム推進課課長の小川芳則氏。
さらに、システム推進管理部コーポレート・店舗システム推進課課長の笠井洋文氏は続けます。「最大手の取引先がデータの受信に最大5〜6時間もかかっており、前々から課題として相談を受けていました。そこで流通BMSをインフラとして利用したデータ送信に切り替えたところ、ほんの数分で終わるようになり、午後にならないと始められなかった業務を午前中からスタートできるようになったそうです」。
このように、流通BMSの導入はダイエーやその取引先に、さまざまなかたちで業務の効率化をもたらしました。
株式会社ダイエー
経営システム本部
システム推進管理部
MD・SCMシステム推進課
課長 小川 芳則 氏
株式会社ダイエー
経営システム本部
システム推進管理部
コーポレート・店舗システム推進課 課長
笠井 洋文 氏