日立は、公正で自由な競争を守るため、国内外の競争法をはじめとする取引に関する基本ルールを遵守し、法と正しい企業倫理に基づいた行動に徹します。
また、グローバルな視点で最適な調達パートナーさまを開拓するとともに、公平・公正な取引関係を構築し、相互理解と信頼関係に基づき、適正な取引関係の維持・向上に努め、調達先の選定にあたっては、品質・信頼性・納期・価格および経営の安定性・技術開発力等に加えて、調達パートナーさまが不当な差別の撤廃・児童労働および強制労働の排除、社会的責任を果たしているかについて十分な評価を行います。
これらを前提として、新たに取引を開始する調達パートナーさまに向け、取引開始までの流れを紹介させていただきます。
日立は、安全(Safety=S)>品質(Quality=Q)>納期(Delivery=D)>コスト(Cost=C)の優先順位を常に遵守し、お客さま、そして社会へ安全と安心をお届けすることを基本方針としております。また、日立は法と正しい倫理観に基づき行動し、法令(法律・政令・省令・条例・許認可等)やお客さまとの契約内容に違反しないよう、基本と正道に則った企業活動に取り組んでいます。これら方針へのご理解とご賛同をいただき、調達パートナーの皆さまと友好な取引関係を構築してまいりたいと考えております。
調達パートナーの皆さまが当社と取引を開始いただく場合、一定の品質レベルを維持されているか確認(以下、認定)をさせていただきます。「認定」には、調達パートナーの皆さまが品質を維持できる会社体制を構築しているかについての確認と、調達パートナーの皆さまにご供給いただく部品・材料等が当社各事業所の設計や品質保証部門が求める品質レベルを有しているかの確認が含まれます。 この「認定」の合格をしていただいた調達パートナーの皆さまと初めて取引を開始することが可能となります。 また「認定」には、取引開始前と開始後定期的に実施するものが有り、品質維持のため継続的な審査を行ってまいります。一定の品質確保および維持が出来ない(どちらか、或いは両方)と認められた場合は認定取消しが行われます。
信頼性・安全性の確保に向けて、外部認証(ISO9001・JIS・UL等)の取得や法令(電気用品安全法・消費生活用製品安全法等)への適応をお願いする場合もございます。
当社は、調達パートナーさまでの4M変更やトレーサビリティ管理方法*1のモニタリングを重視しております。日立製作所・連結子会社の各事業所の品質規準に従ってご対応いただきますようお願いいたします。当社の「認定」後、調達パートナーさま側にて4M等に変更があった場合は、再度「認定」の審査を実施する方針としており、ご変更の都度、当社へのご連絡をお願いいたします。
最後に、ハード製品の日立製作所・連結子会社の各事業所におきまして、主にハード調達品を対象に統一した標準認定制度の導入をいたします。この制度を通じて、当社製品の安定した品質を確保するだけではなく、調達パートナーさま側でのメリットも創出する方向へ発展させていきたいと考えております。調達パートナーさまのご協力とご理解を頂き、共同で品質向上を進めさせていただければ幸いです。
日立は、情報セキュリティを大きなリスクの一つとして認識し、経営課題と捉え、セキュリティ方針を定めています。自社内のセキュリティの取り組みに加え、お客さまに提供している製品・サービスや、調達パートナーの皆さまのセキュリティの強化についても注力し、サプライチェーン全体での情報セキュリティの確保に努めていきます。
サプライチェーン全体のサイバーセキュリティ向上をめざし、調達パートナーの皆さまとの連携を強化して参ります。日立は、「パートナーシップ構築宣言」を行っており、調達パートナーの皆さまとの共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携を図ることで、サプライチェーン全体の付加価値向上に取り組んで参ります。
日立は、調達パートナーの皆さまの情報セキュリティレベルを重視しております。情報セキュリティの信頼性・安全性の確保のため、日立グループ各社の各事業所の「情報セキュリティ要求基準」に従って対応いただきますようお願いいたします。
日立は調達取引を通じ、調達パートナーおよび従業員一人一人の生産性を向上し、多様な人財が活躍するサステナブルな社会への変革を推進していきます。
そのためにはニューノーマルにおいて理想の働き方を可能とするハンコレス・ペーパーレスを実現し、グローバル規模で社会インフラのデジタル化を加速していくことが必要不可欠だと考えます。
日立は調達パートナーとの契約において各種関連法案を遵守し、発注者、受注者双方合意の元、調達取引のデジタル化を推進していきます。
日立は先に示した方針に基づいて、下記のような調達取引におけるデジタル化を推進していきます。
日立はセキュアなネットワークインフラ、拡張性の高いビジネスプラットフォームと企業間取引に必要なビジネスアプリケーションなど、企業間のダイナミックなビジネス連携をトータルに支援する各種サービスを日立企業間ビジネスメディアサービス「TWX-21」として提供すると同時に、TWX-21を各事業所の調達部門と調達パートナーを結ぶ情報交換のインフラストラクチャとして、積極的に活用していきます。
日立はニューノーマルにおいてより柔軟な働き方を実現するための手段として、調達パートナーとの契約において電子署名を活用しております。契約当事者双方の生産性向上に寄与するだけでなく、締結手続にかかる日数短縮といったメリットもございますので、電子署名を用いた契約締結にご賛同いただけますよう、お願いいたします。
日立はバリューチェーンにおけるサステナビリティを重視した事業活動の発展を実現するため、サステナブル調達の分野でもデジタル化を推進します。またサプライチェーンにおけるCO2排出量を可視化するには、膨大かつ多岐にわたるデータを利活用する必要があるため、デジタル技術を用いて取り組みを加速し、日立が定める環境目標(バリューチェーンを通じた2050年度カーボンニュートラルの達成)に貢献します。
当社では、調達パートナ−さまへの支払いを効率的かつ効果的に行うよう努めております。下記に示しますサプライチェーンファイナンスを活用することで、当社の信用格付けに基づいた割引率で、債権を金融機関に譲渡・売却等をすることにより、早期に資金化が可能となります。これにより、調達パートナーさまはキャッシュフローを改善し、運転資金の最適化が可能となります。