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社会

日立は持続的に成長し、社会価値を向上するため、社会からのさまざまな期待に応える必要があります。社会が求めるイノベーションの創出に加え、多様な人財が活躍できる職場環境を整備し、バリューチェーンを通じた人権の尊重や、公正な事業慣行を徹底します。

  • SAQ回答社数
    1,374

  • サステナビリティ監査
    実績社数
    128

  • サステナブル調達説明会
    参加社数
    520

(2022年度実績)

人権尊重

日立は、人権を尊重した事業活動は企業の発展・存続に不可欠であり、すべての企業が果たすべき責任であると理解しています。

2013年に策定した「日立グループ人権方針」のもとで、日立のみならず、サプライチェーンを含む日立の事業活動や製品・サービスに関係するすべての人々の人権リスクを低減するため、人権デュー・ディリジェンス(HRDD)など人権を尊重するための取り組みを推進しています。

また、サプライチェーン全体での人権尊重に向けて、「日立グループ人権方針」を「日立グループ サステナブル調達ガイドライン」に含め、調達パートナーに日立の人権尊重に関する考え方の理解を促進し、それが実践されるよう努めています。

人権デュー・ディリジェンス(HRDD)

HRDDにおいては、調達パートナーにおける労働・人権リスクの最小化をめざし、日立グループとしてより効果的かつ説明性の高いプロセスを構築していきます。

具体的には以下のようなプロセスの構築・運用を強化しています。

  • 「サステナブル調達ガイドライン」の配布
    (2021年度実施)
  • 初期リスク判定と書面調査
  • 訪問監査
  • 改善依頼
  • モニタリング

2022年度は、強制労働や児童労働への取り組みなどを含む、人権に関するサステナビリティパフォーマンスの評価およびモニタリングに、第三者評価プラットフォームのEcoVadis*を活用し、初期リスク判定と書面調査を実施しました。また、「労働・人権」を含むサステナビリティ監査では、指摘事項を調達パートナーへ説明し、改善依頼を行っています。

また、グループ横断の情報共有および審議の場として、HRDD実行責任者会議を年に1~2回開催しています。

SAQ (Self Assessment Questionnaire)の取り組み

日立では、リスクマネジメントならびに調達パートナーへのエンゲージメントを目的に、調達パートナーのサステナビリティに関する取り組みの評価・分析を行っています。

サステナビリティ評価サービス「EcoVadis」の導入 EcoVadis ロゴ

2022年度からは、調達パートナーのサステナビリティパフォーマンス評価およびモニタリングに、第三者評価プラットフォームのEcoVadisを導入しています。

調達金額が大きく、事業戦略上重要な調達パートナーを評価対象とし、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野の評価項目に基づき、サステナビリティへの取り組み状況を確認しています。

2022年度は、日立グループ全体で1,374社(48カ国)の調達パートナーのサステナビリティ評価を実施しました。 この内、サステナビリティの取り組みが「高水準」とされる65点以上の調達パートナーは、全体の約20%を占めました。 このような高評価を取得された調達パートナーに対しては、各事業体単位の調達パートナーイベント・説明会などで表彰させていただくことを始めています。 また、本評価結果から得られた情報に基づき、是正依頼対象先の把握、改善方法の協議・モニタリング、サステナビリティ監査の対象先の選定・実施などを進めています。

今後もさらにEcoVadis 評価対象社数を拡大していき、調達パートナーとのさらなるエンゲージメント強化に向けて取り組んでいきます。

サステナビリティ監査の実施

日立では、サステナブル調達の推進と徹底を目的に、調達パートナーの製造拠点を訪問し、サステナビリティ監査を毎年実施しています。

監査では、「労働・人権」「安全衛生」「環境」「倫理」を中心とした観点から調達パートナーのサステナビリティへの取り組み状況を確認しています。

サステナビリティ評価サービス「EcoVadis」を活用した監査対象選定 EcoVadis ロゴ

2022年度からは、グローバルなサステナビリティパフォーマンス評価プラットフォームであるEcoVadisを活用し、サプライチェーン上のサステナビリティリスクの可視化に取り組んでいます。

EcoVadisの活用により各調達パートナーのサステナビリティリスクを適切に把握することで、より透明性のある監査と是正の依頼を推進してまいります。

調達パートナー向けサステナビリティ監査の実施状況

2022年度は、EcoVadis書面調査の回答内容や調達額の大きさなどに基づき選定した128社の調達パートナーに対してサステナビリティ監査を実施しました。本監査で指摘されたすべての事項について、調達パートナーへ内容を説明し、改善依頼を行っています。

さらに、監査の結果、リスクが高いとみられる調達パートナーに対しては、改善を支援するためのトレーニングの提供やオンラインでの改善モニタリング、対面でのフォローアップ監査の実施など、改善への取り組みを進めていきます。

調達パートナーエンゲージメント

調達パートナー向け説明会

日立グループは、調達パートナーに、サステナビリティの重要性および日立の方針について理解を深めてもらうための取り組みとして、「サステナブル調達 説明会」を開催しています。

調達パートナーとともに積極的に社会課題解決に取り組んでいくため、東南アジア、中国、インドにおいては各地域の調達パートナー向けに「地域別サステナブル調達説明会」を開催しています。2022年度は約520社の調達パートナーが参加しました。各地域で日立グループのサステナブル調達方針の浸透に向けて活動しています。

2022年度よりEcovadis社と共同で調達パートナー向け説明会を行っています。日立のサステナビリティへの取り組みとともに、サステナビリティ評価の重要性、そして調達パートナー側での活用メリットについて、説明を実施しました。(世界各地への調達パートナーへの働きかけを推進していきます。)

グリーバンスメカニズム

日立グローバルコンプライアンスホットラインは、第三者機関が運用する内部通報制度であり、日立グループの従業員、ビジネスパートナー(調達パートナーおよびコントラクターを含む)、その他すべてのステークホルダーが利用することができ、24時間/365日アクセス可能です。

ホットラインへ寄せられた相談・報告内容は、案件に応じて専門知識のある担当者が解決に向けて適切に対応します。従業員、請負業者、およびビジネスパートナーが日立グループの 「企業倫理・行動規範」、会社規則や手続き、または法令に抵触するものを見聞きした場合、日立は、皆様が声を上げ、報告することを奨励しています。企業倫理とインテグリティ(誠実さ)を大切にし、コンプライアンスを遵守し、徹底する活動にご協力をお願いします。

責任ある鉱物調達方針

日立グループは、2013年度に「日立グループの紛争鉱物調達方針」を策定し、紛争鉱物に対する取り組み姿勢を表明しました。また2016年度には同方針を改訂し、責任ある調達活動に取り組む方針を明確化しました。

紛争リスクに限らず人権リスク全般への対応、また対象地域も紛争地域に限定せず、より幅広い高リスク地域へと、鉱物調達において企業に求められる責任の範囲が拡大している状況を踏まえて、2021年度にはさらに同方針を改訂し、「日立グループの責任ある鉱物調達方針」を策定しました。

日立は、紛争地域および高リスク地域において、武装集団に対する支援、児童労働などの人権侵害、腐敗行為、環境破壊などにかかわる恐れのある紛争鉱物(スズ、タンタル、タングステン、金)やコバルトなどの鉱物を含んだ部品・材料の調達を回避するための責任ある調達活動に取り組んでいます。

本調達方針は4か国語(日本語、英語、中国語、タイ語)で発行しています。