日立は世界で深刻化する環境課題の動向と、自らの経営方針を踏まえ、「環境ビジョン」を策定し、長期視点から日立のめざす社会の姿を明確にしました。この「環境ビジョン」がめざす社会を構成する「脱炭素社会」「高度循環社会」「自然共生社会」を実現していくために、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を策定しています。
事業所における
カーボンニュートラルの実現
2030年度
バリューチェーンを通じて
2030年度CO2排出50%削減
2030年度
バリューチェーンを通じて
2050年度までに
カーボンニュートラルの実現
2050年度
SAQ回答社数
1,374社
(2022年度実績)
環境長期目標「日立環境イノベーション2050」で「脱炭素社会」をめざす目標を設定し、調達分野においても取り組みを進めています。
日立は、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」にて、自社の事業所(ファクトリー・オフィス)での2030年度カーボンニュートラル達成という目標を掲げています。
目標達成に向けて、CO2排出量を2024年度に基準年度比50%削減、2027年度に80%削減、2030年度にはカーボンニュートラル、をロードマップとし、取り組みを推進していきます。
この具体的施策として、特に追加性電源*1の拡大に力点を置きつつ、以下の具体的施策の実現化を進めます。
日立は、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」にて、バリューチェーンを通じて2050年度までにカーボンニュートラルの実現、2030年度CO2排出50%削減(2010年度比)という目標を掲げています。
日立の事業領域は広く、ビジネスのグローバル化に伴い、調達において多くの調達パートナーによって支えられています。バリューチェーンを通じたカーボンニュートラル達成には日立自身だけではなく、調達パートナーとの連携・協力が必要になります。
バリューチェーン上流のCO2排出量であるScope 3*3 カテゴリー1低減に向け、調達パートナーとの連携・協力を進めています。2021年度には、サステナブル調達ガイドライン*4を全調達パートナーに配布し、周知徹底を図るとともに、CO2関連では温室効果ガスの測定、削減目標の設定・開示、排出量最小化の取り組み推進などを依頼しました。
また、2022年度ではScope 3*3 カテゴリー1(調達した製品・サービス) のCO2排出量算定は調達金額ベースで全体を網羅し、調達パートナーから入手した1次データも一部反映する算出方法を用いています。調達パートナーの1次データ収集においてはエンゲージメントを意識し、第三者評価プラットフォームEcoVadisを活用しています。
Scope 3カテゴリー1低減に向けた調達パートナーとの連携・協力も加速しています。日立の調達パートナーにおけるCO2排出量削減活動を促進していくため、2022年度に気候変動対応に積極的で、かつ日立の事業活動においても重要な調達パートナーの中から「環境先進パートナー」を21社選出しました。「環境先進パートナー」とCO2排出量削減に関する対話から得たCO2削減手段や算定方法などの情報を分析し、今後のバリューチェーン上流におけるCO2削減活動に活用していきます。
加えて、日立グループの製品・サービスのCO2削減に貢献するため、2023年度より国内向けに調達するすべてのアルミニウム新地金(AL≧99.7%、スタンダード塊)は、水力発電をベースに製造されたものを原則として採用しています。このように、再生可能エネルギーを活用した製品材料や新技術、あるいはリサイクル材料の活用など、環境に配慮した調達品の採用・検討を進めています。
日立グループは、環境に配慮した事業活動の考え方を調達パートナーと共有し、ともにグリーン調達*に取り組んでいます。
日立グループでは、これまで、地球環境に配慮した部品・製品の調達に関する基本的な考え方や、調達パートナーへの要望事項を、他社に先駆けて1998年度に「グリーン調達ガイドライン」にまとめ、調達パートナーとともにグリーン調達を推進してきました。2021年7月に「日立グループ サステナブル調達ガイドライン」および「グリーン調達ガイドライン」を改訂しました。
グリーン調達については、調達パートナーの環境保全活動に関する事項(環境経営体制の確立、認証規格の取得推奨など)や、当社への納入品について環境負荷低減に関する事項(省資源、省エネ、リサイクル、製品含有化学物質の適正管理、適切な情報提供など)の遵守を要請するなど、調達パートナーとの取り組みを強化しています。
グリーン調達システムへのログインは、「グリーン調達 ポータル」よりお願いします。
日立では、リスクマネジメントならびに調達パートナーへのエンゲージメントを目的に、SAQの形式で、調達パートナーのサステナビリティに関する取り組みの評価・分析を行っています。
2022年度からは、調達パートナーのサステナビリティパフォーマンス評価およびモニタリングに、第三者評価プラットフォームのEcoVadisを導入しています。
調達金額が大きく、事業戦略上重要な調達パートナーを評価対象とし、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野の評価項目に基づき、サステナビリティへの取り組み状況を確認しています。
2022年度は、日立グループ全体で1,374社(48カ国)の調達パートナーのサステナビリティ評価を実施しました。 この内、サステナビリティの取り組みが「高水準」とされる65点以上の調達パートナーは、全体の約20%を占めました。 このような高評価を取得された調達パートナーに対しては、各事業体単位の調達パートナーイベント・説明会などで表彰させていただくことを始めています。 また、本評価結果から得られた情報に基づき、是正依頼対象先の把握、改善方法の協議・モニタリング、サステナビリティ監査の対象先の選定・実施などを進めています。
今後もさらにEcoVadis 評価対象社数を拡大していき、調達パートナーとのさらなるエンゲージメント強化に向けて取り組んでいきます。
日立はCO2削減の取り組みにおいても調達パートナーとのエンゲージメントを重視しております。
2021年11月に行われましたバリューチェーンに関連するオンラインイベント「Towards net zero – Hitachi Value Chain Innovation」で、グループCPO(Chief Procurement Officer)より、日立のカーボンニュートラルに関するビジョンやパートナーへのアプローチの仕方を以下のスライドを用いて皆様に共有しております。
また2022年度は、CO2の削減に向け、気候変動対応に積極的で、かつ日立の事業活動においても重要な調達パートナーの中から「環境先進パートナー」を21社選出しました。
「環境先進パートナー」とはCO2排出量削減に関する議論を数か月にわたり行い、CO2排出量削減の具体的手段や算定方法などについて議論を重ねました。この対話を通じて得られた情報は日立内で分析し、今後のバリューチェーン上流におけるCO2排出量削減活動に活用していきます。
なお、2023年度には調達パートナーとのCO2排出量削減に向けた協議は規模を拡大して、継続しています。
日立グループは、調達パートナーに、サステナビリティの重要性および日立の方針について理解を深めてもらうための取り組みとして、「サステナブル調達 説明会」を開催しています。
調達パートナーとともに積極的に社会課題解決に取り組んでいくため、東南アジア、中国、インドにおいては各地域の調達パートナー向けに「地域別サステナブル調達説明会」を開催しています。2022年度は約520社の調達パートナーが参加しました。各地域で日立グループのサステナブル調達方針の浸透に向けて活動しています。