日本がものづくりの国としてこれからも発展するためには、みんながすすんでものをつくる人をめざせる環境が必要なんだ。
ものづくりには高い技術が必要だから、専門的な知識を持つ人がいるよ。
「エンジニア」として開発・製造にかかわったり、「設計士」として機械をつくったり、「整備士」として製品の安全を守ったり、「研究者」として新しい科学を追求したりと、さまざまな技術を持つ人がいるんだ。
どんなに工場の中の機械が進化し、便利な道具がつくられても、それを使いこなせる人がいなければ、良い製品は生まれないんだ。ものづくりには、人が持つ技術を大切にはぐくみ、先輩から若い人たちへと受け継ぐ「匠の技」が大切なんだね。
たとえば、高速で走る電車の先頭車両のお椀のような独特の形状は、ハンマー1本でたたいてつくっているんだ。これ以外にも溶接や細かな加工など、「匠の技」が生きているんだよ。
匠の技を身に付けるには、技術を勉強することはもちろん、ものづくりの楽しさを知ることが大切なんだ。みんなが通っている学校でも、社会科の授業の中で、工場見学や職場体験としてものづくりの現場を勉強したかもしれないね。このほかにも、小さいころからものづくりの楽しさを知るために、図画工作で木の本箱をつくったり、家庭科で布を使った小物づくりなど、学年に応じて、ものづくりを体験できる授業が行われているよ。
ものづくりに興味を持ち、大人になって必要な技術を身に付けたら、ものづくりのオリンピック、技能五輪で、さらに能力を高めることもできるよ。
正式には「国際技能競技大会」と呼ばれていて、大会は2年に1度行われている。世界中の技能を持つ人たちが集まるから、この大会で優勝すると、世界で認められることになるんだ。
世界を舞台に活やくするためには、ものづくりの高い技術が求められるよ。誰も取り組んでいないことを追求するためには、幅広い知識やアイデアが必要とされる。だから実験や実習などのものづくりの経験が大切なんだね。