Groupmax CollaborationとNetCSとの連携で実現した
音声・映像・データ統合IPコミュニケーションシステム
ビジネスがグローバルに展開されるようになり、競争力のある企業を実現するためにはワークスタイルの革新が必要になってきています。ワークスタイルの革新を支えるITの活用も重要なポイントです。日立ハイブリッドネットワーク株式会社は2005年5月の本社移転を契機に、Groupmax CollaborationとIPビジュアルコミュニケーションシステム「NetCS series」(以下、NetCS)を連携。「音声・映像・データ統合IPコミュニケーションシステム」を導入しました。電子メール、スケジューラ、電子会議、Webファイル共有といったコラボレーションツールに加え、IP電話、テレビ会議/電話の各機能を融合・活用したリアルタイムコラボレーションの実現により、時間や場所を選ばないワークスタイルとスピーディな意思決定、TCO削減を実現しました。
日立ハイブリッドネットワーク株式会社
情報システムセンタ
部長代理
石垣 敏之 氏
日立ハイブリッドネットワーク株式会社
情報システムセンタ
部長代理
佐藤 恭一 氏
日立グループの情報通信システム会社として2002年10月に発足した「日立ハイブリッドネットワーク株式会社(以下、日立ハイブリッド)」は、「最先端の情報通信技術」をコアテクノロジーに、豊かなユビキタス情報社会の創造に貢献することを目指し、IP&ネットワーク、モバイル&ワイヤレス、デジタル家電&OA、自動車&ITSといった幅広い分野において、高度な技術を生かしたソフトウエアとシステムを提供しています。
同社は2005年5月、本社オフィスを横浜・戸塚地区からみなとみらい地区に移転。それにあわせて、新しいネットワークシステムを構築しました。
プロジェクトの発足は2005年1月。「みずからが最先端の情報通信技術を活用することにより、「お客様への『お役立ち』を目指し、知識創造とパートナーシップで、新たな価値を創造します」という、企業理念の具現化をめざしました。その方法としてレガシーな社内電話交換機(PBX)とIPネットワークを統合した新しいネットワークシステムを構築しようというプロジェクトが開始されたのです」と、情報システムセンタ 部長代理の石垣敏之氏は振り返ります。
同社のオフィスは、みなとみらい地区と南戸塚の開発センター、全国6つの営業所・事業所に拠点が分散しています。このため、新しいネットワークシステムでは、頻繁に行われる会議や打ち合わせの効率化と意思決定の迅速化を図るため、これらの拠点の人と人とをシームレスに結び、柔軟な情報共有を実現することが最大の目標とされていました。
「すでに日立グループには、“日立グローバルネット”という広域イーサネットのインフラと、Web上で稼働する統一コラボレーション環境“Groupmax Collaboration”の運用が開始されていました。そこで当社はこれらをベースに、音声と映像を加えたFace to Faceコミュニケーションを実現しようと、自社製品である『NetCS』と日立コミュニケーションテクノロジーのIPテレフォニーサーバ『IPTOWER』*を組み合わせた、音声・映像・データ統合IPコミュニケーションシステムを構築することにしたのです」(情報システムセンタ 部長代理 佐藤恭一氏)
日立ハイブリッドネットワーク株式会社
情報システムセンタ
技師
佐々木 光春 氏
システム構築にあたってはリスク分散を図るため、まず2005年4月にGroupmaxのメール機能、5月にIP電話、7月にテレビ電話/会議システムとGroupmax Collaborationの全機能の運用がそれぞれ開始されました。この間、サポートホームページとヘルプデスクを設置して、社員自身の手によるクライアントソフトのダウンロードやオンラインマニュアルの提供、個別の問い合わせ対応などを図ったことで、新システムへの移行は予想以上にスムーズでした。
全拠点で使えるIP電話システムには、音声品質を考慮してQoS(優先制御)機能を実装したほか、PCが立ち上がっていない場合でも使えるSIP(Session Initiation Protocol)対応ハードフォンを3〜4人に1台の割合で設置。約1,300名の社員全員のPC端末には、USB接続のWebカメラとIPフォンハンドセット、高品質な音声・映像によるテレビ電話/会議を実現する「NetCS」クライアントがインストールされ、だれもが自席のPCからIP電話とテレビ電話/会議が行えるビジュアルコミュニケーション環境が整備されました。
グループウェアとIPテレフォニーソリューションとの相乗効果により、時間と場所を選ばないビジュアルなリアルタイムコラボレーションが現実のものとなったのです。
「1つの会議で最大40拠点(PCカメラ台数)を結びながら、9拠点の映像を同時に表示できるテレビ会議システムでは、参加者全員の同時発言が可能で、映像も音声も非常に明瞭です。このため相手が遠隔地にいても互いの表情を見ながらの活発なディスカッションが違和感なく行えます。会議中にスポット的に参加して欲しい人がいる場合、簡単操作でテレビ会議に参加してもらい、用件が済んだら退出してもとの業務に戻ってもらうなど、お互いの作業効率もアップしています。また、テレビ会議中にWord®やExcel®、PowerPoint®といったオフィスファイルや画像などをドラッグ&ドロップだけで共有でき、双方で添削や変更・保存が可能なため、いつでも効率的な討議が行えると社員からは非常に喜ばれています」(情報システムセンタ 技師 佐々木光春氏)
各拠点を結んだ会議やプロジェクトの打ち合わせ、エキスパートの知見をリアルタイムに活用しながらの設計&レビューなど、テレビ電話/会議の適用範囲は多岐にわたっています。今後は社内教育プログラムや、多忙な社外取締役の会議参加などにも活用していきたいと、佐々木氏は笑顔で語ります。
Groupmax Collaborationが実現するWebファイル共有機能は、セキュリティの強化にも貢献しています。日立グローバルネットの中であれば、どのPCからでもGroupmax Collaborationにログインし、自分が登録したファイルを閲覧、ダウンロードできるからです。このため、日立ハイブリッドの他拠点やグループ会社におもむいての打ち合わせ、作業時などに、モバイルPCやリムーバブルメディアでファイルを持ち出す必要がなくなり、移動中の紛失などによる情報漏えいのリスクを大幅に低減しました。
また、新システムによる全社的なコスト削減も見逃せない要素の1つです。
「IP電話の導入で通信コストが約33%低減しました。テレビ電話やテレビ会議によって拠点間の移動費や出張費、移動時間のロスが大幅に減っていることも確かです。これまで電話網とLAN/WANに分かれていた通信インフラがIPネットワークに統合されたため、組織改編やオフィスレイアウトの変更にも柔軟に対応できることから、将来的にもTCOの削減が期待できると考えています」(石垣氏)
さらにNetCSには、NTTドコモの第3世代携帯電話「FOMA」によるテレビ電話/会議サポート機能も備わっています。この特長を生かし、今後はすでに行われているモバイルPCなどでのテレビ会議参加に加え、「多忙な際には出張先からFOMAでテレビ会議に参加したり、顧客先での作業の進捗状況を携帯カメラで撮影しながらリアルタイムに指示を仰いだりといった、よりフットワークの軽いワークスタイルの実現をめざしていきたい」と、佐藤氏は力強く語ってくれました。
Face to Faceのリアルタイムコラボレーションによるワークスタイルの革新、IP統合ネットワークによるTCOの削減といったメリットを、スピードと競争力のあるビジネスへと直結させている日立ハイブリッドネットワーク。日立グループでは、その付加価値の高いビジネス環境を、Groupmax CollaborationとNetCSとの連携ソリューションによって、より幅広いお客さまに対して積極的に提案していきたいと考えています。
音声・映像・データ統合IPコミュニケーションシステム構成図
USER PROFILE
日立ハイブリッドネットワーク株式会社
(2002年10月、日立通信システム株式会社と日立湘南電子株式会社が合併して設立)
[本社] 神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目3番3号クイーンズタワーB 22階
[取締役社長] 南 忠
[事業概要] ネットワーク関連製品の製造・販売、情報通信関連システム・ソフト受託開発、医療福祉機器の製造・販売