障害対応の効率化に向け、生成AIの応答内容の正確性などを検証
2024年2月1日
株式会社日立製作所
株式会社日立製作所(以下、日立)は、統合システム運用管理「JP1」のSaaS版である「JP1 Cloud Service」において、生成AIを用いた運用効率化・自動化に関する実証実験を2月1日から行います。具体的には、生成AIを対話形式で容易に利用できる生成AIアシスタント(開発中の機能)を用いて、運用オペレーターがシステム監視中に発生する各種イベント(メッセージ)への対応を効率化することを想定し、生成AIの応答内容の正確性などを検証します。日立は本実証を第一弾とし、生成AIを用いた運用効率化・自動化の適用範囲を拡大し、IT部門の変革に貢献することをめざします。
日立は本実証の結果をもとに、運用オペレーターの障害対応を支援する生成AIアシスタントの質問応答機能を、2024年4月を目標に提供予定です。また今後、障害対応支援の高度化、運用設計や運用自動化の支援などにも、生成AIアシスタントを順次適用していく計画です。
JP1 Cloud Serviceの生成AIアシスタントによる運用効率化・自動化(将来像)
近年、企業のIT部門では急速なビジネス環境の変化に対応するため、IT人財をシステム維持から新サービス開発へシフトする動きが活発化しています。一方で、システム環境がマルチクラウドの利用などにより複雑化しており、ビジネス継続に必要なシステム異常の早期発見と迅速な回復を担う運用チームは負荷が増加しています。こうした状況の解決策として、急速に発展する生成AIを活用した運用効率化・自動化に期待が高まっています。しかしながら、生成AIの出力には誤りが含まれる可能性があり、運用品質に関わる業務を適切に支援できるかという実用化の課題が存在します。
ITシステム環境全体を監視するオペレーターが、運用監視中に発生する各種イベント(メッセージ)への対応方法を生成AIアシスタントを利用して調べるケースを想定し、生成AIによる応答の正確性などを検証します。
実証の概要図
日立は、今回得られる結果をもとに、JP1 Cloud Serviceにおいて生成AIアシスタントを2024年4月を目標に提供予定です。また、クラウドシステム運用の改善とその成熟度を向上するマネージドサービス「Hitachi Application Reliability Centers(HARC)サービス」に携わるSRE*1エンジニアと連携して、クラウド運用の自動化のためのコード生成といった先進的なユースケースの実用化にも取り組んでいきます。