サーバ実行環境でご利用できる主な機能をご紹介します。
帳票出力の処理形態や帳票出力形式(PDF形式/Excel形式/独自形式[EPF形式/EUR形式/スプールデータ])などに応じた複数のコンポーネントを提供します。
まず、各業務からEUR Server - Adapterを呼び出し、データを渡すことで帳票出力を要求します。その後の処理はEURにおまかせです。例えば、PDF出力ではEUR Server Serviceを利用します。また、スプールデータを利用した印刷ではEUR Server ServiceとEUR Server - Spool Serviceを利用します。
なお、コンポーネントのインタフェースにはコマンド/Java/COBOL/ActiveXなどを提供しており、さまざまな業務アプリケーションから利用できます。また、各コンポーネントの動作は環境設定ファイルの定義により決定します。
1台の帳票サーバで複数の業務アプリケーションから帳票出力要求(トランザクション)を受け付ける場合、流量の制御によって帳票サーバの負荷を一定に抑制でき、安定した帳票出力が可能です。
環境設定ファイルは業務単位・帳票処理単位で1つにまとめることができます。それにより、複数の帳票処理を実行する場合、各業務アプリケーションからの要求と帳票処理のつながりが分かりやすくなると同時に、環境設定漏れのリスクを低減することができます。業務ごとにログの出力先も切り分けられるため、ログを効率的に採取でき、万一の障害時の調査も迅速に対応できます。
帳票サービスの拡充を効率良く行いながら、利用者に対して帳票サービスの向上も図れる仕組みとして、帳票ID*1を提供します。 帳票サーバ側で準備する定義ファイルをまとめた帳票出力定義ファイル*1*2は、帳票IDと1対1で紐付いて管理されます。そのため、周辺のシステム環境に合わせて、帳票出力定義ファイルを編集しても、業務サーバのプログラムに影響しません。また、業務サーバのプログラムも帳票IDの指定により、ファイル名を意識する必要はありません。このように、帳票サーバ側は、より柔軟に帳票出力要求が受け付けられ、業務サーバ側は、より簡単に帳票出力が要求できますので、利用者への帳票サービス拡充が、より効率良く行えます。
EURのスプールデータにはアクセス制限がかけられ、スプールデータの操作情報は監査ログとして出力できます。大切な帳票を大量に印刷する場合は、夜間に生成・蓄積したスプールデータを利用して、印刷操作のみを目が届く業務時間内に行う運用をお勧めします。スプールデータから帳票一覧を取得し、指定した帳票を印刷できる帳票管理GUIも標準機能として提供します。
独自の圧縮技術を採用したEURのEPF形式ファイルは、ファイル容量が小さく、帳票印刷時のネットワーク負荷を抑えることができます。この特長を生かして、クライアント用コンポーネント(EUR Web Plug-InやEUR Client Service)と組み合わせることにより、海外拠点−国内本社、本社−支社、支店−取引先などの間で頻繁に発生する帳票のやり取りもスムーズに行えるようになります。
PDF形式ファイル、または、EPF形式ファイルを利用して帳票を出力する場合は、サーバに一時ファイルを残さない運用ができます。サーバだけではなく、クライアントPC上にもファイルを残したくない場合は、EPF形式ファイルの帳票出力をお勧めします。EPF形式であれば、あらかじめプリンタ名やトレイ名を指定して印刷できます。また、選択できるプリンタが制限できるため、帳票サーバやクライアントPCに接続のプリンタから誤ってPDFやXPSのプリンタドライバ経由で帳票が印刷されることを防ぎます。特に秘匿性の高い情報を使って帳票を出力する場合は、EURのEPF形式ファイルで安心の帳票出力運用を実現いたします。
(XPS:XML Paper Specification)
個人番号管理サービス(「匿名バンク」)と組み合わせることで、既存システムでマイナンバー情報を持つことなく、高セキュリティなマイナンバーの保管・出力環境が簡単に実現できます。*1
また、EURが提供するマイナンバー対応法定調書サンプルを利用すれば、帳票を作成する手間も削減できます。
スプールデータから取り出す帳票は、EPF形式だけでなく、PDF形式ファイルとして取り出すことができます。これにより、クライアント用コンポーネントが使用できない環境でも帳票が利用できるようになります。
例えば、月末に集中する定時通知書はファイル容量の小さいEPF形式で送付し、不定期なやり取りはPDF形式で送付するなど、業務の性質に応じて使い分けることも可能です。
フォルダを定期的に監視してデータの内容によってさまざまな形式の帳票に振り分けて出力できるので、既存システムの業務データを活用してPDF出力や帳票印刷などを効率よく実行できます。データを取り込む帳票ファイルもシンプルな作りで、頻繁に変更されるレイアウトの修正も容易です。
WindowsクライアントOSの開発環境で作成した帳票ファイルは、WindowsサーバOS/UNIX/Linuxのサーバ実行環境でそのままご利用いただけます。
「」「」などの異体字(字形が異なる字)を、外字を作成せずに表示・出力できます。
人名、地名など異体字を含む帳票を扱う場合に、外字を作成、管理するコストを削減できます。
ロケールの切り替え操作のみで海外OSでも同じように利用できます。Unicodeデータやサロゲートペアで表現される拡張文字*1が使用できるため、多言語に対応した帳票の出力が可能です。統一した操作性の下、EURで開発した帳票システムを海外拠点まで柔軟に拡張できます。