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ミドルウェア

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オープンミドルウェアによるマイグレーションで
開発スピードの向上とコスト低減を両立

事業競争力強化に向け、システムを柔軟に変更できるIT基盤を構築する企業が増えています。

女性用ユニフォームのトップメーカーとして知られるセロリー株式会社(以下、セロリー)は、 さらなるスピード経営の実現に向け、メインフレーム上のVOSK基幹システムを オープンシステムへ移行するマイグレーションを決断。

株式会社 日立システムズ(以下、日立システムズ)と日立の支援のもと、 「COBOL2002」、「HiRDB」、「JP1」などのオープンミドルウェアを活用し、 既存資産を「HA8000」のWindows®プラットフォーム上へ移行することに成功しました。

既存資産をそのまま生かしたい

米山 晋平 氏の写真
セロリー株式会社
総務部
システム開発課
課長
米山 晋平 氏

岡山市に本社を構えるセロリーは1966年の創業以来、女性 用ユニフォームの企画・製造・販売をトータルに手がけるアパレル メーカーとして業界トップの地位を確立。全国の代理店を通して オフィスを彩る定番品ユニフォームを提供する一方、新規分野の 開発にも積極的に取り組んでいます。

同社は1980年代に日立のオフィスコンピュータを導入し、株式 会社 日立情報システムズ(現・日立システムズ)の支援のもと、販 売管理や生産管理をシステム化。その後、IT基盤を日立メインフ レームに移行し、近年では「AP7000(VOSK)」で基幹業務を稼 働させていました。しかし年々競争が激化するユニフォーム業界 において、さらなるスピード経営とコスト低減に寄与するにはオー プンシステムへの移行が不可避と判断。2011年にIT基盤の刷 新プロジェクトを立ち上げました。

「グローバルな大競争時代を迎えたアパレルユニフォーム業界 は、生産・販売形態の多様化が進んでいます。このため現場から はシステム変更の要求が増える一方で、さらなるコスト低減やITを 活用した業務効率の向上が求められています。メインフレームは高 い堅ろう性を備えていますが、既存のオープン基盤で構築している 周辺システムと連携するためのプログラム開発・変更が難しく手間 がかかります。そこで基幹系もオープン基盤に移行することで、開 発スピードとエンドユーザーの利便性、コストを両立させ、長期的な 視点でのスピード経営に寄与したいと考えました。ただし長年培っ てきた業務プログラムは当社にとって何よりも大事な財産ですの で、既存資産をそのまま生かすことが絶対条件でした」と総務部 システム開発課 課長の米山 晋平氏は、その経緯を説明します。

セロリーとともにオープン化を担うSIベンダーには複数社が名 乗りを上げ、最終的に選ばれたのが日立システムズを中心とする 日立グループでした。

リスクや負担なく資産を継承できるオープンミドルウェア

諏訪 巧 氏の写真
セロリー株式会社
総務部
システム開発課
リーダー
諏訪 巧 氏

「当社が持つCOBOL資産をどのように新システムに移行す るのか、複数のベンダーさんに提案をお願いしました。その中で 日立システムズさんは既存資産を生かしたマイグレーション、具 体的にはCOBOL2002とHiRDBを活用したREAD/WRITE文 のストレート移行や、JCLをJP1/Scriptで置き換えた自動化の提 案をされました。他のベンダーさんは外資系のミドルウェアをご提 案されましたが、それではやはり移行性や今後のサポートに不 安が残ります。しかしVOSKからの移行をスムーズに行える日立 純正のミドルウェアを活用すれば、大きな負担やリスクもなく稼働 中のシステムをそのまま継承することができますし、新システムの 運用工数も最小限に抑えられる。これが当社にとっては何よりも 大きなメリットになると考えました」と米山氏は振り返ります。

また総務部 システム開発課 リーダーの諏訪 巧氏も、「日立シ ステムズさんは当社のメインフレーム開発を以前から担当されて いたことで、プログラムの中身をわれわれ以上に熟知しています。 この安心感と長年お付き合いいただいているSEさんへの信頼 も、マイグレーションパートナーに選ばせていただいた理由の1つ です」と付け加えます。

セロリーと日立システムズは新システムへ移行するプログラム の棚卸しを行った後、オープンミドルウェアを活用した本格的なマ イグレーション作業に着手。バッチ処理系のCOBOL85の業務ロ ジックをCOBOL2002によってそのままコンバージョンする一方、 バッチジョブを定義するJCLやNHELPも、オープンミドルウェアと 専用ツールでストレート に移行することに成功し ました。データベースに ついてもHiRDBの適用 で従来どおりのデータ ベースアクセスを実現 し、オープン系周辺シス テムとの連携も今まで以 上にスムーズに行えるよ うになりました。

さらに、バッチ処理の 自動化を高精度に代替 する「JP1/AJS3」(*)と JP1スクリプトによって COBOLとVisual Basicを連動させたり、Webから既存アプリケー ションを実行させたりといった柔軟なジョブ制御が可能となり、メイ ンフレームと同等以上の自動運用を実現。セロリーがメインとなっ て移行作業を担当した画面系では、周辺システムの開発で使い 慣れたASP.NETやVB.NETを使い、「CommuniNet」では制約 があった表示項目の拡張とWebライクな操作性を追求し、より直 感的で使いやすいユーザーインタフェースが構築されました。

「今回は開発期間とコストとの兼ね合いもあり、私たち2人も移行 作業に携わりましたが、日立システムズさんの優れたプロジェクト管 理と豊富な移行ノウハウ、そしてオープンミドルウェアの完成度の 高さに助けられ、予定どおりにカットオーバーできました。使い方に ついても、日立さんに問い合わせた際にも非常に的確なサポートが いただける点も感謝しています」と米山氏は笑顔で語ります。

(*)
JP1/Automatic Job Management System 3

セロリーに導入されたシステムの概要
セロリーに導入されたシステムの概要

開発性の向上で経営スピードにキャッチアップ

「HA8000」の写真
セロリーのシステムを支える
日立アドバンストサーバ
「HA8000」

基幹システムの新たなプラットフォームとなったHA8000により、 バッチ処理系のスピードは従来の約2倍に向上。それでいてハー ドウェアとソフトウェアの保守費は大幅に低減し、トータルコストの 削減に寄与しています。

「最も大きな効果といえるのが開発スピードと操作性の向上で す。従来はメインフレームと周辺システムとの連携が難しく、われわ れとしてもユーザーの要求にすべて応えることができませんでし た。しかし今では周辺システムとの連携開発や新機能の付加など が非常にスムーズに行えるようになり、経営スピードに無理なく キャッチアップできるようになりました。具体例を挙げると、在庫画 面をクリックすれば対象商品のカタログ画像を見ることができた り、同じ画面から見積書や仕様書なども表示することができま す。こうした業務は以前なら、2つのシステム画面を立ち上げて 互いに品番入力して内容を反映するといった作業が必要でし た。しかし現在は1つの画面から必要な機能にワンストップでアク セスできます。また、Web画面上に選択肢や操作方法がビジュア ルに表示できるので初心者も迷うことがありません。現場からの 評価は上々です」と諏訪氏は評価します。

米山氏は今回のプロジェクトを総括し、「日立グループの皆さん のご協力のおかげで、既存資産を生かしながらシステムの将来性 と発展性を確保するための重要な基盤を構築することができまし た。次なるステップは、稼働中のシステムをさらに進化させながら、 当社ならではの差別化を図る新機能、新サービスを生み出してい くことだと思います」と語ります。そして「営業が使う受発注管理の スマートフォン対応、代理店さまやお客さまが当社のWebサイトか ら使われるサービスの拡充など、まだまだやるべきことはいくつも あります。そこでも引き続き、日立システムズさんや日立さんのお力 を借りていくことになるでしょう」と今後の展開に期待を寄せます。

日立オープンミドルウェアを活用することで、既存資産を有効 活用しながら、さらなる競争力強化に向けたIT基盤の構築に 成功したセロリー。これからも日立は日立システムズと連携し、高 信頼のオープンミドルウェアを核としたサービスプラットフォーム の継続的な強化と拡充により、同社の企業価値の向上を力強く サポートしていきます。

USER PROFILE

セロリー株式会社

セロリー株式会社

[本社] 岡山県岡山市南区藤田1678-1
[設立] 1969年3月
[資本金] 5,500万円
[従業員数] 150名(2012年9月1日現在)
[事業内容]
オフィスユニフォーム、サービスユニフォームなど の企画、製造、販売

Partner Profile

株式会社 日立システムズ

[所在地] 東京都品川区大崎1-2-1 大崎フロントタワー
[設立] 1962年10月1日
[資本金] 19,162百万円
[従業員数] 11,081名(2012年3月31日現在/単独)
[事業内容]
クラウドソリューション、システム構築、アウト ソーシング、システムの運用・保守、海外進出企業のIT環境構築など

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2012年10月号」に掲載されたものです。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
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