霞が関の「働き方改革」に向けて、職場コミュニケーションなどを可視化
「今回の測定結果から、情報伝達や意見交換の仕方がまだフラットではなく、ピラミッド型の傾向が強いことがわかりました。そこで早速、全員が参加する会議では役職付きの人間だけでなく、係員にも必ず発言機会を設けるようにしました。今後の情報システム更新の機会を捉え、フリーアドレス化などのオフィス改革の検討にも役立てたいと思います」と笑顔で語る越尾氏。その結果、若手職員の発言機会が多くなり、係が違うためあまり言葉を交わさなかった職員どうしもプライベートな話題も含めて相互理解が進むようになるなど、着実に変化が出始めているといいます。
また、須藤氏は「自身の時間の使い方をグラフで見た幹部からは“仕事のやり方を振り返るいいきっかけになった”と言われました。今まで何となく感じていたことをきちんと数値化できれば、客観的な視点で改善点が見いだせ、主体的に実行していくことができます。その意味でも今回の取り組みは、非常にユニークで効果の高いものだったと思います」と評価します。
「今後は、われわれが事務局を務めている、全省庁横断の『霞が関働き方改革推進チーム』のメンバーとも、今回の取り組みを実証例として情報共有しながら、さらに効果の高い提案や施策へ生かしていきたいと思います」と越尾氏は語ります。
国家公務員の働き方改革をリードする内閣人事局は、多様な人財が活躍でき、最大限に力が発揮できる環境づくりに向けて、民間企業にも通じる新たなロールモデルを作り出そうとしています。
その積極果敢な取り組みをサポートするため、これからも日立は組織の活性化や生産性向上をAI(*)(人工知能)も活用しながら支援するサービスやソリューションを継続的に開発・提案していきます。
可視化された組織内の会話ネットワーク図
ネットワーク線が太いほどコミュニケーション量が多いことを示しており、なかでも役職が上下にある職員間のコミュニケーションが 活発であることがわかる