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第152回定時株主総会報告:日立グループのめざす姿と成長戦略

第152回定時株主総会において、執行役会長(株主総会終了まで執行役会長兼執行役社長)東原敏昭より、日立グループのめざす姿と成長戦略についてご説明申し上げました。以下はその内容です。

執行役会長兼CEO 東原 敏昭

日立は、厳しい経営環境の中でも、社会イノベーション事業の推進を通して、持続的な成長を続け、収益を確保します。
「人々のQuality of Lifeすなわち生活の質の向上」と「顧客企業の価値の向上」の実現に向けて、「環境」「レジリエンス」「安心・安全」の3つの領域に注力します。日立は、この3つの事業領域において、Lumadaを用い、日立の強みであるOT、IT、プロダクトを組み合わせたソリューションを顧客に提供することで、社会の課題と企業経営の課題を解決します。

注力する3つの事業領域について、まず、「環境」では、デジタルグリッドと呼ばれる電力ロスの少ない送電網など、電動化する社会インフラをOT×IT×プロダクトで支えていきます。「レジリエンス」では、自然災害など様々なリスクに晒される中でも企業活動や公共サービスが途切れることなく継続できるよう、デジタル技術で支えていきます。「安心・安全」では、バイオ・体外診断や粒子線治療など、個人に最適なケアを、デジタルを活用した診断・治療で支えていきます。
例えば、「環境」の領域においては、環境負荷を軽減する製品・サービスの拡大に取り組むことで、日本はもちろん、世界各国の環境問題への取組みに貢献していきます。具体例として、イギリスでは、ロンドンを発着する一部の鉄道車両をCO2排出量の少ない蓄電池を使用した車両に置き換えることで、2050年までにCO2排出量実質ゼロを達成するというイギリス政府の目標に貢献していきます。
これらの事業領域で、社会イノベーション事業を加速させるため、デジタルの強化・構造改革を進め、経営基盤をさらに強化していきます。本年3月には、デジタルエンジニアリングのリーディングカンパニーであるGlobalLogicの買収を決定しました。また、日立ABBパワーグリッド、日立Astemo、日立ハイテクの再編などにより獲得した、それぞれの事業領域における運用制御に関するノウハウ、プロダクト、顧客基盤などを活用し、グローバルでの事業拡大を推進していきます。

GlobalLogicの買収を決定した狙いについて、ご説明いたします。今後、GlobalLogicを活用し、様々な分野において、顧客との協創により浮かび上がった課題を、現場からクラウド、モノからネットワークまで、一気通貫の流れで日立グループが解決していくことができるようになります。これにより、日立は、社会インフラのDX、デジタルトランスフォーメーションを実現するグローバルリーダーへと成長していきます。

日立は、成長戦略を着実に実現し、新たな価値創出を世界中で展開することで、社会やお客様の課題を解決し、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。引き続き、日立だからこそできることは何かを考え、株主の皆さま、お客様、パートナー、従業員といった全てのステークホルダーの皆さまの価値の向上に貢献してまいります。
株主の皆さまには引き続きのご理解・ご支援をお願い申し上げます。