鮮度や劣化などの品質を見える化し、商品廃棄の少ない、環境にやさしい社会の実現に貢献
2021年3月26日
株式会社日立製作所
日立は、食料や医薬品の品質(鮮度や劣化など)をモニタリングすることが可能な、温度によって発色時間が異なるインクを開発しました。さらに、本インクと、製品情報を持つIDコードを組み合わせた製品管理ラベルを作成し、その発色度合いから、ラベルを貼り付けた商品の品質を判定するシステムのプロトタイプを開発しました。独自のデジタル色調補正技術により、インクの色濃度の読み取り誤差を1%まで低減できることを確認しました。今後、日立は、お客さまとの協創を通じて本技術の実用化を進めるとともに、既に提供している配送業務の最適化サービス*1、バリューチェーンを統合管理するプラットフォーム*2などへの適用をめざし、商品廃棄の少ない、環境にやさしい社会の実現に貢献していきます。
品質モニタリングシステム
WIPO*4運営の環境技術の活用を促進するためのオンラインプラットフォーム「WIPO GREEN」にて紹介https://wipogreen.wipo.int/wipogreen-database/articles/20511
食料や医薬品の品質劣化は温度とともに指数関数的に加速します。そこで、低温では遅く、高温では早い発色反応を示す材料開発により、品質劣化と連動した発色変化を実現しました。また、それらの材料をインク中に均一分散する技術により、画像読取に適した均一発色を実現しました。
ラベルに付与したインクの周囲に4色の色見本を配置し、読取画像から抽出したRGB値*5を補正することで、インクの色濃度を高精度にデジタル化しました。取得した発色変化データと予め入力した品質データとを紐付けておくことで、ラベルの読取画像からの品質の出力を可能にしました。データをクラウド上で管理することにより、生産から消費者までの流通過程のステークホルダー間で情報共有できます。