第一弾:3.3kV 主機ドライブシステム(HIVECTOL-VSI-MH/ML)用 制御回路向けサービス
近年、情報機器の急速な発展にともない電子部品の改廃頻度が早まっており、圧延システムの主要設備であるモーターの駆動を制御する役割を担う鉄鋼プラント用モータードライブシステムにおいても、制御回路を構成するプリント基板に多数使用している電子部品が改廃になり、市場リリース後数年で主要なプリント基板が生産できない状況に陥ることがありました。通常鉄鋼プラントは、十五年以上の長期稼働が求められるため、部品改廃によるプリント基板の生産中止は既設システムの予備品供給を阻害する要因となり、お客さまの設備保守計画に重大な悪影響をもたらす懸念があります。従来の対策では、生産中止となったプリント基板のリニューアル開発、もしくはモータードライブシステムそのものを更新対策してきましたが、電子部品の改廃時期の予測が困難であることから、プリント基板のリニューアルおよびシステム全更新のいずれにおいても部品改廃が発生した後での対応となり、対策までに多くの時間を要していました。
これに対し日立は、2000年以降、鉄鋼プラント用モータードライブシステムの生産効率および保守性を高めるために適用してきたセルコンセプト*1 を活かし、既設システムにおいて部品改廃が発生したプリント基板を含む制御回路(コントロールセル)を、最新製品のプリント基板および部品にてコントロールセル単位で上位互換となるよう設計し、セルごとレトロフィット(改装)する手法を開発し、サービス化しました。本手法により、従来多くの時間を要していたプリント基板のリニューアル開発が不要となり、かつ既設システムの部分改造のみで対策ができるようになり、予測が困難な部品改廃に対し最速かつ安価に対策することが可能となります。
今後は、本サービスをパワー主回路および他のセルコンセプト・モータードライブシステムへと順次拡張し、お客さまの設備保守計画の策定に貢献できるモータードライブシステムへ、進化させていきます。
図1 3.3kV 主機ドライブシステム(HIVECTOL-VSI-MH/ML)用 制御回路レトロフィット
既設システムの改装により延命することが可能なため、システムの撤去・据付や外線工事が不要です。また、パネル内装作業のみで済むため、短期間で更新が可能です。
レトロフィットの範囲を部品改廃の影響を受ける機能範囲に限定しているため、システム更新と同等の効果を、システム更新よりも安価で得られます。
最新製品のプリント基板を採用できることから、モータードライブシステム制御用センサーの予兆診断機能や、予兆診断で検知した故障センサーを使用せず運転を継続するしのぎ運転機能*2 といった、既設システムには無い新機能の追加導入が可能です。
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