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「透過電子顕微鏡HU-2型」が日本顕微鏡学会より第2回「顕微鏡遺産」に認定

株式会社日立ハイテク

[画像]透過電子顕微鏡商用機 HU-2型
透過電子顕微鏡商用機 HU-2型

  株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、「透過電子顕微鏡商用機 HU-2型(以下、「HU-2型」)」が公益社団法人日本顕微鏡学会より第2回「顕微鏡遺産」に認定されましたのでお知らせします。
  「顕微鏡遺産」は、顕微鏡学の発展に大きく貢献したエポックメーキングな技術や製品を文化遺産として後世に伝えることを目的に、2024年に導入された認定制度です。

「HU-2型」の概要

  「HU-2型」は株式会社日立製作所(以下、日立)が開発・製造し、1942年に商用機として初めて名古屋帝国大学(現 : 東海国立大学機構名古屋大学)に納入した、日立電子顕微鏡の草創とも言える装置です。「HU-2型」の開発当時は電子顕微鏡の黎明期かつ第二次世界大戦の戦時下で、輸入が困難になりつつあり、日本独力で産学官一体となって急速な電子顕微鏡の開発が行われていました。「HU-2型」の前身として、横型に配置された「HU-1型」と呼ばれる透過電子顕微鏡が試作され、実証研究の結果を経て、縦型の「HU-2型」が開発されました。「HU-2型」は、加速電圧50kV、磁界型のコンデンサレンズ、対物レンズ、投射レンズで構成されており、拡大された試料透過像は観察室で観察し、写真乾板に記録する構造を持ちます。これは現在市販されている電子顕微鏡に通じる基本的な構造であり、最高分解能は5nmでした。「HU-2型」が名古屋帝国大学で活用されたことをきっかけに、電子顕微鏡を用いた生物や材料の研究・開発などが進み、日本の先端科学技術や産業技術の発展に大きく貢献しました。
  「HU-2型」は、国立科学博物館「重要科学技術史資料」(2009年)、電気学会「でんきの礎(いしずえ)」(2009年)に登録され、日本分析機器工業会からは「分析機器・科学機器遺産」(2014年)として認定を受けており、先駆的な功績が広く認められています。なお、実機は東海国立大学機構名古屋大学博物館に資料として常設展示されており、どなたでも見学することができます。

  また、第2回「顕微鏡遺産」においては、日立ハイテクが応募した「HU-2型」以外にも、日立の電子顕微鏡や電子線技術の研究成果が複数認定されました。(対象は下表の通り)

件名 所有者機関
磁性体・半導体などへの応用の起点となった
ホログラフィー電子顕微鏡商用機
一般財団法人ファインセラミックスセンター
30万ボルト超高圧電子顕微鏡の開発 東海国立大学機構 名古屋大学
未来材料・システム研究所附属 超高圧電子顕微鏡施設
電子線ホログラフィーによるアハラノフ=ボーム効果の実証 株式会社日立製作所 研究開発グループ鳩山サイト
2MV超高圧電子顕微鏡HU-2000 大阪大学 超高圧電子顕微鏡センター

  日立ブランドの電子顕微鏡は、1972年に世界に先駆けて実用化された電界放出型電子顕微鏡が2012年に「IEEEマイルストーン認定*1」を受けるなど、顕微鏡学の学術的・技術的発展および幅広い分野の研究・開発・製造の現場における課題解決に貢献してきました。
  日立ハイテクグループは今後も、解析・分析のコアな技術力をベースに、社会やお客さまが抱える課題を知り、真のニーズに対応することで、あらゆる社会課題解決に貢献していきます。

*1
IEEEマイルストーン認定 : 世界最大の電気・電子・情報・通信の学会であるIEEEが、電気・電子・情報・通信分野において達成されたイノベーションの中で、開発から25年以上が経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をしたと認定される歴史的偉業を表彰する制度。(参考: https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/ieee/)

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日立ハイテクについて
  日立ハイテクは、持続可能な地球環境、健康で安心・安全な暮らし、科学と産業の持続的発展に貢献するため、「知る力で、世界を、未来を変えていく。」という企業ビジョンを掲げ、社会やお客さまに最先端の技術や製品・サービスを提供しています。ヘルスケア分野における医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体分野における半導体製造・検査装置のほか、環境分野や材料の研究などで用いられる分析装置、解析装置を製造・販売しています。また、電池、通信インフラ、鉄道検測、デジタルなどの産業・社会インフラ分野で高付加価値ソリューションを提供するなど、幅広い事業領域でグローバルに事業を展開しています。私たちは、社会やお客さまの真の課題を正しく知り、解決策を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。(2025年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は7,565億円)


お問い合わせ先
稲田
株式会社日立ハイテク
コアテクノロジー&ソリューション事業統括本部
CTシステム製品本部  解析システム第一設計部

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