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TAKANAWA GATEWAY CITYにおける再生可能エネルギー由来の水素を用いた、水素サプライチェーンの構築について
株式会社日立製作所
日本建設工業株式会社
三菱HCキャピタル株式会社
- 東日本旅客鉄道株式会社(本社 : 東京都渋谷区、代表取締役社長 : 喜㔟 陽一、以下「JR東日本」)と株式会社日立製作所(本社 : 東京都千代田区、執行役社長兼CEO : 小島 啓二、以下「日立」)、日本建設工業株式会社(本社 : 東京都中央区、取締役社長 : 山﨑 智彦、以下「日本建設工業」)、三菱HCキャピタル株式会社(本社 : 東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 : 久井 大樹、以下「三菱HCキャピタル」)は、TAKANAWA GATEWAY CITYにおける水素利活用のファーストトライアルとして、再生可能エネルギー由来の水素を用いたオフサイト型水素サプライチェーンを構築し、2025年3月27日(予定)から運用を開始します。
- 再生可能エネルギー由来の水素を電気に換え、街の中を回遊する自動走行モビリティの充電エネルギーとして利用することで、環境にやさしい自動走行モビリティによる快適な移動体験をお楽しみいただけます。
- TAKANAWA GATEWAY CITYは、未来を創造する柱の一つに「水素・GX」を掲げています。モビリティはもちろん、まちづくりにおいても多方面に渡り水素利活用にチャレンジし、持続可能で先進的な都市型エネルギーシステムの創出をリードしていきます。
オフサイト型水素サプライチェーン 構築イメージ
1. 水素サプライチェーンの構築について
(1) 再生可能エネルギー由来水素の供給(水素の製造・充填・運搬)
日本建設工業の関東総合センター(千葉県市原市)にある水素発電実証モデル設備※1により、太陽光発電を用いて製造された再生可能エネルギー由来の水素を使用します。水素吸蔵合金カセットに製造した水素を充填して高輪ゲートウェイ駅まで運搬し、純水素燃料電池システムへ供給します。水素充填装置は三菱HCキャピタルがファイナンスを提供、また、運搬時に発生するCO₂は、同社がJ-クレジット※2を調達してオフセットします。実質CO₂排出ゼロの水素を使用することで、環境にやさしいエネルギーの供給を実現します。
【水素供給概要】
役割 | 会社名等 |
全体アレンジ | 三菱HCキャピタル |
水素製造・充填・運搬 | 日本建設工業 |
水素製造場所 | 日本建設工業 関東総合センター(千葉県市原市) |
水素充填装置のファイナンス提供 J-クレジット※2調達 |
三菱HCキャピタル |
- ※1
- 日本建設工業による、「水素社会の実現に向けたロードマップ」に基づいた、自社敷地内で再生可能エネルギー由来のグリーン水素を製造・ 貯蔵・運搬する地域水素サプライチェーンの社会実装を目的とした取り組みとなります。https://www.nikkenko.co.jp/business/frontier/
- ※2
- 温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証する「J-クレジット制度」により認証を受けたクレジットです。
(2) 純水素燃料電池システムの整備(水素をエネルギー源とした発電)
カセットに充填された水素から電気を作り出すために、JR東日本はTAKANAWA GATEWAY CITYにおける水素利活用のファーストトライアル(フェーズ1)として、高輪ゲートウェイ駅に純水素燃料電池システムを整備します。蓄電池と比較しエネルギーの保管性が高く、BCP(事業継続計画)用途にも適している負荷変動追従可能なPEFC方式※3の純水素燃料電池を採用します。また、系統電源による電気供給を必要としない純水素燃料電池システム単独での運転を可能とし、災害時等の非常用電源としても活用が可能となります。水素の供給には、非危険物認定を受けた水素吸蔵合金を採用したカセットを用いることで、安全な供給、運搬、保管を実現します。これらの全体システムの設計・構築は、水素のサプライチェーン構築に向けてさまざまな技術開発や実証に取り組んできた日立が担当します。
【設備概要】
① 設置箇所 : 高輪ゲートウェイ駅
② 運用開始時期(予定) : 2025年3月27日
③ 設備構成
設備名 | 仕様 | 数量(台) |
発電ユニット | 出力350W、PEFC方式※3 | 2 |
燃料ユニット | カセット装填数 4個 | 2 |
UPSユニット | UPS 約1,800Wh | 1 |
分電盤 | 自立運転制御コントロール | 1 |
水素吸蔵合金カセット | 1.3Nm3(最大水素充填量) | 16 |
- ※3
- PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell 固体高分子形)方式燃料電池は、反応温度が120℃程度と、人の居住空間でも比較的安全な稼働が可能なこと、急速な出力切替が得意なこと、燃料電池車FCVやエネファーム等で採用されており部品の汎用性が高いこと、純水素を燃料としており、保管性が高く保守も軽く済むこと等の特徴があります。
(3) 自動走行モビリティへのエネルギー供給(水素から発電した電気の活用)
再生可能エネルギー由来の水素を純水素燃料電池システムに供給して発電した環境にやさしい電気を自動走行モビリティの充電等に使用します。水素由来の電気を充電した自動走行モビリティでTAKANAWA GATEWAY CITYの街中を回遊することで、ご利用される方へ環境にやさしい快適な移動体験を提供します。
(4) 水素の地産地消
ファーストトライアル(フェーズ2)として、再生可能エネルギー由来の水素を街の中で製造することを検討しています。これにより、水素の地産地消をTAKANAWA GATEWAY CITYで実現し、水素社会実現に貢献していきます。
2. 水素都市モデルの創造について
TAKANAWA GATEWAY CITYは、国内外の玄関口として稀有な立地であり、世界から人財・資金・企業等が集積する国際的なビジネス拠点となって、産官学の共創パートナーとの連携により「国際 交流拠点・品川」全体の価値を向上させていきます。今後の開発では、100年先の心豊かなくらしを実現するために、「人財・叡智」「医療」「水素・GX」を軸に「地球益」の実現に繋がる取り組みを行っていきます。水素利活用の分野では、都市部への水素利活用の展開や、水素調達等の課題を解決しながら、都市部最大級の水素利活用ショーケース、GXを世界に先駆け探究するフロントランナーとして、持続可能で先進的な都市型エネルギーシステムの創出をリードしていきます。