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企業情報ニュースリリース

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2023年10月17日

日立、フィリピンで下水処理場の高度処理化および再生水プロジェクトを受注

下水中の窒素・リンの除去や再生水製造を可能にする日立の膜処理システムとDXソリューションにより、
マニラ首都圏の水質改善と水需要増加への対応に貢献

[画像]今回受注したプロジェクトの処理フロー図
今回受注したプロジェクトの処理フロー図

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、フィリピン共和国(以下、フィリピン)における事業拠点であるHitachi Asia Ltd. Philippine Branch(以下、日立アジア(フィリピン))とともに、このたび、フィリピンの大手不動産会社Filinvest Development Corporation(以下、FDC社)傘下で水インフラ設備を整備・供給するFDC Water Utilities, Inc.(以下、FDC-WUI社)より、下水処理場の高度処理化および再生水プロジェクトを受注しました。
  本プロジェクトは、フィリピンのマニラ首都圏モンテンルパ市にあるAlabang(アラバン)下水処理場(処理水量:8,000m3/日)を、活性汚泥処理と膜処理を組み合わせた「膜分離活性汚泥処理システム*1」により窒素やリンの除去を可能とする高度処理設備に改造し、かつ処理能力を15,000 m3/日まで増強するとともに、その処理水を「ROシステム*2」と「紫外線殺菌システム」によりフィリピンの飲料水規準に準拠する水質レベルの再生水を製造(造水量:10,500 m3/日)するものです。日立グループは機械・電気設備の設計・納入に加え、プラント遠隔監視・運転最適化システムなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供します。本プロジェクトを通して、日立グループはマニラ首都圏の水質改善や水需要増加への対応に貢献します。

*1
膜分離活性汚泥処理システム: 活性汚泥処理と浸漬膜を組み合わせることにより高濃度活性汚泥処理が可能となり、維持管理が容易、省スペース・低コストで、高度な処理水質確保を図る下水処理システム。
*2
RO(Reverse Osmosis)システム:浸透圧以上に加圧した水を逆浸透膜に供給して透過水を得る造水システム。

本プロジェクトの背景

  急速な都市化や人口増加が進むフィリピンのマニラ首都圏では、水需要が増加する一方、下水道普及率が低いことが課題となっています。また、フィリピンでは、下水処理場における窒素・リン除去規制強化に伴い、従来の標準活性汚泥法*3では十分に取り除くことができない窒素やリンを除去する高度処理方式の導入需要が高まっています。こうした中、マニラ首都圏モンテンルパ市のアラバン街区では、FDCグループがビジネス、ショッピングモール、居住区が隣接した複合型都市Filinvest Cityの開発を進めており、その街区の水インフラ設備の整備・供給を担うFDC-WUI社において下水処理場の高度処理化と処理能力増強に加え、再生水を製造する設備の整備を計画してきました。
  日立グループでは、フィリピンをはじめとするアジア各国における水処理事業拡大に向けて、2019年に、日立の子会社であるHitachi Aqua-Tech Engineering Pte. Ltd. とFDCにて合弁会社「Filinvest-Hitachi Omni Waterworks, Inc.(フィリンベスト-日立・オムニ・ウォーターワークス)」を設立するなど、基盤強化を図ってきました。そして、今回、日立グループのこうした取り組みや高い技術力およびグローバルでの豊富な実績などが評価され、本プロジェクトの受注に至りました。

*3
標準活性汚泥法:有機汚濁を測る指標として用いられるBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)処理を目的とした下水処理方式。

今後の展開

  日立は、水総合サービスプロバイダーとして、長年培ってきた水事業におけるOT*4およびプロダクトの実績・ノウハウに、多様な分野での豊富な実績と知見を持つITを組み合わせ、上下水道や海水淡水化などの水インフラの整備を通じて、お客さまの課題解決とグリーン価値の向上をめざしていきます。海外では、フィリピンをはじめとするアジアを注力エリアと位置付け、日立が有する海水淡水化システムや下水高度処理システムなどのキーテクノロジーを核とした事業展開を進めており、今回の受注を契機に、同国でのさらなる事業拡大を図り、水問題の解決に貢献していきます。

*4
OT: Operational Technology(制御・運用技術)

受注概要

発注元 FDC Water Utilities, Inc.
所在地 フィリピン マニラ首都圏モンテンルパ市
受注内容
  • 下水処理プラント(膜分離活性汚泥処理システム)の機械・電気設備の設計・納入
  • 再生水プラント(ROシステム、紫外線殺菌システム)の機械・電気設備の設計・納入
  • 両プラントへのDXソリューションの導入
受注年月 2023年9月
完成予定年月 2026年3月

既存のアラバン下水処理場外観

[画像]既存のアラバン下水処理場外観

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 水・環境ビジネスユニット

以上

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