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2023年10月4日
治療室
株式会社日立製作所(以下、日立) と日立の東南アジア地区における統括会社である日立アジア社は、このたび、シンガポール国立がんセンター(National Cancer Centre Singapore、以下NCCS)に陽子線がん治療システム一式を納入し、8月11日に最初のがん患者の治療が完了しました。本システムは、日立にとって東南アジアで初めて治療を開始する陽子線がん治療システムです。
NCCSの地上24階建ての新棟の地下に設置されている本システムは、回転ガントリ室4室と固定照射室1室を備えており、呼吸に伴って移動する臓器の動きを捉える動体追跡技術と、腫瘍の形状に合わせて陽子線を照射できるスキャニング照射技術を搭載しています。
NCCSは、がん治療の専門家を擁する、国および地域の主要な三次がんセンターです。今年5月18日に正式に開業した新棟により収容力が増え、がん治療やリハビリおよび研究教育の設備が同一ビル内で拡充されました。
日立は、粒子線がん治療システムとして、陽子線、重粒子線、陽子線と重粒子線のハイブリッドがん治療システムなど、高性能で高付加価値な製品とサービスを提供し、世界的に著名な病院に納入されています。これまでに85,000名*以上の患者が日立のシステムで治療を受けるなど、高い信頼性と実績を有しています。
日立は、患者に優しい治療や治療後の患者のQoL(Quality of Life)の維持・向上などを支援し、低侵襲ながん治療のさらなる発展に貢献していきます。
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つです。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線といいます。治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されています。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
株式会社日立製作所 ヘルスケア事業本部 ヘルスケアイノベーション事業部 スマートセラピー本部
フロント戦略推進本部 放射線治療事業推進部
〒277-0871 千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1
以上