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2023年9月5日
東日本旅客鉄道株式会社
株式会社日立製作所
現行の保護・制御システムは、変電所構内で受け渡しを行う情報を、1つの情報に対し1本のメタルケーブルを必要とする構成としていたため、二重化するには同じ設備を設ける必要があり、実現が困難でした。今後導入するフルデジタル変電所システムは、光デジタル通信の活用により、ネットワーク装置から現場ユニットまでの多くの情報を1本の光ケーブルで送ることが可能になり、二重化を容易に実現します。このたび、JR東日本と日立が共同で変電所のシステム構成や運用方法の検討およびフィールド試験*を実施し、実用化の目途がたったことから、運用設備への導入を決定しました。
変電所構内の伝送路と保護・制御機能の完全二重化を実現しました。そのため、変電所構内において一方の設備で故障が発生しても、もう一方の設備で継続的な稼働が可能になります。これにより、従来以上に電力を安定供給することが可能となりました。
本システムでは、監視操作盤・保護リレー盤を、統合ユニット(日立開発)に集約・小型化することにより、盤の数量を大幅に削減しました。また、ネットワーク装置から現場ユニットまで大量の制御ケーブルを必要としない光デジタル通信を採用することで、制御ケーブルを約9割削減することが可能となりました。これにより、省スペース化および工事の省力化を実現します。
JR東日本は、本システムに国際規格IEC61850*を適用することで、機器調達リスクを低減、事業継続性を確保します。なお、IEC61850を適用したデジタル変電所システムの導入は国内鉄道事業者では初めてになります。
2025年度以降、小岩交流変電所に導入します。具体的には、2024年度から順次機器を搬入し、2025年度に2万2千ボルト設備を使用開始、2026年度に2万2千ボルト旧設備の撤去および6万6千ボルト設備の機器搬入し、2027年度に6万6千ボルト設備の使用開始を予定しています。
以上