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2023年8月3日
エンドユーザーとなる中堅・中小事業者における温室効果ガス排出量の算定・削減を推進
日立の環境情報管理サービスを活用した、金融機関による地域企業の脱炭素経営支援の概要
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、地域企業の脱炭素経営を支援する金融機関向けに、環境情報管理サービス(以下、本サービス)の提供を開始します。
具体的には、日立が、エネルギー使用量などのデータの入出力を目的とした、Excel*1ベースの帳票と、そのデータを蓄えるクラウドをパッケージ化したサービスを、地方銀行や信用金庫などの地域金融機関に提供します。金融機関は、エンドユーザーである中堅・中小事業者の温室効果ガス(GHG)排出量の効率的な算定を支援します。さらに、その算定結果をもとに削減計画をコンサルティングするなど、中堅・中小事業者の脱炭素経営を推進するとともに、金融機関の脱炭素化関連事業の展開も加速できます。これにより、地域金融機関と企業が一体となった、地域の脱炭素化に貢献します。
近年、脱炭素化への社会的な関心の高まりとともに、大企業はもちろんのこと、中堅・中小事業者もGHG排出量を算定する必要性が高まっています。例えば、サプライチェーン全体の排出量の算定にあたり、大企業がサプライヤーである中堅・中小事業者に対して、製品などのGHG排出量の算出を求めることが増えています。こうした背景のもと、中堅・中小事業者は、GHG排出量を算定するための具体策や、安価で使いやすいサービスを求めており、取引先である地域金融機関に多くの相談が寄せられています。
日立はこれまで、GHG排出量を可視化するソリューションをEcoAssist-Enterprise*2として提供してきました。こうした中、金融機関や製造業などのユーザーへの適用実績を活かし、EcoAssist-Enterpriseをベースとして、中堅・中小事業者向けに必要な項目や機能を揃えた、安価で使いやすいサービスを開発しました。これにより、各地域金融機関が中堅・中小事業者の排出量情報を円滑に把握することで、脱炭素経営の支援に貢献します。
本サービスは、地域金融機関が中堅・中小事業者に提供することで、GHG排出量を算定・把握し、脱炭素経営の支援に活用することを目的としています。本サービスの特徴については、以下の通りです。
ランニングコストの多くを占めるデータベースの部分において、既存のEcoAssist-Enterpriseのクラウドサービスを活用しました。また、入出力帳票を主なユーザーと想定する中堅・中小事業者に合わせた機能とすることで、開発コストを抑制し、低価格で提供できるサービスとしました。
入出力帳票は、日ごろから使い慣れたExcelをベースとすることで、中堅・中小事業者にとって使いやすさに配慮した操作性としています。GHG排出量の算定に必要な、エネルギー使用量などのデータをExcelに入力することで、EcoAssist-Enterpriseのクラウド上に登録されます。また、登録したデータをExcelのシート上でグラフ化し、GHG排出量を可視化することで、入出力ともExcel帳票で完結するインターフェースとしました。
EcoAssist-Enterpriseのクラウド上に登録された、中堅・中小事業者のGHG排出量の算定情報は、地域金融機関に共有できます。その情報を活用して、金融機関は、取引先のGHG排出量の削減計画の策定や、削減に向けた設備投資などにつながるコンサルティングを行い、中堅・中小事業者の脱炭素経営の推進に貢献できます。
日立は今後、地域金融機関を通じて、中堅・中小事業者に脱炭素化を進めていくためのサービスやソリューションを提案・提供することで、GHG排出量の算定だけでなく削減についても支援し、地域の脱炭素化へ貢献をしていきます。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
株式会社日立製作所 社会ビジネスユニット 制御プラットフォーム統括本部
以上