このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2023年5月31日
日立エナジー
(本件は、スイス・チューリッヒにおいて、
5月30日12:00(日本時間 5月30日19:00)に発表しました。)
3GWのHVDC変換所2基を受注、ほか二つのプロジェクトの製造・プロジェクト推進体制を確保
前列左から、サウジ・サービス・フォー・イレクトロ・メカニック・ワークスのゼネラルマネージャー モース・アル・ソハイバニ、サウジアラビア電力公社の子会社であるNational Grid SAのアクティングCEOアーメド・アル・ザーニ、日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員ニクラス・パーソン、エノワのエネルギー・グリッドテクノロジー&プロジェクト エグゼクティブディレクター トーステン・シュヴァルツ
日立エナジーは、サウジアラビア北西部に建設中の大型スマートシティ「NEOM(ネオム)」*1におけるエネルギー・水事業者ENOWA(エノワ)のエンジニアリング、調達、建設管理パートナーであるSaudi Electricity Company(サウジアラビア電力公社)*2から、ネオム初のHVDCプロジェクト向けに3GW、525kVの自励式HVDC変換所2基を受注しました。また、エノワと、今後建設が予定される二つのHVDCプロジェクト向け変換所の製造・プロジェクト推進に必要なリソースを両社が確保する契約を締結しました。
ネオム初のHVDCプロジェクトは、ネオムに建設される工業都市「Oxagon(オキサゴン)」と約650km離れたサウジアラビア西部の都市Yanbu(ヤンブー)を繋ぐもので、オキサゴンの建設で必要とされる大量の電力をヤンブーから供給することを主な目的としています。当社は、サウジアラビアのEPC事業者であるSaudi Services for Electro Mechanical Works(サウジ・サービス・フォー・イレクトロ・メカニック・ワークス)と共に自励式HVDC変換所2基を提供します。当社は、自励式HVDCシステム「HVDC Light®」を用いたHVDC変換所の設計、エンジニアリング、調達、試運転を担当し、サウジ・サービス・フォー・イレクトロ・メカニック・ワークスは、建設、据付、ならびに交流設備の設計、供給を行います。
日立エナジーとエノワがリソースを確保する二つのHVDCプロジェクトは、それぞれ3GWの容量をもち、将来的に再生可能エネルギーとエネルギー貯蔵技術をシームレスに統合し、サイズと洗練度の点で独自のものにすることを目的とした、新しくスケーラブルでモジュール式のネオムの電力網の一部となるものです。当社とエノワは、HVDC Lightの主要コンポーネントの現地での組立てを含む、サウジアラビアのさらなる能力開発の機会についても検討します。
ネオムは、サウジアラビアの推進する「ギガプロジェクト」*3の一つとして、サウジアラビア北西部に建設中の、太陽光、風力、グリーン水素*4からなるクリーンエネルギー100%で運営されるスマートシティです。環境への影響を最小限に抑え、居住性を向上させた持続可能な都市生活のモデルとなるように設計されています。
エノワは、ネオムのエネルギー・水事業者として2022年に設立されました。ネオムの豊富な太陽光および風力資源を活用し、産業および商業向けにクリーンかつ持続可能なエネルギーを生産・提供します。地域において強固な経済基盤を創出するとともに、持続可能なエネルギーおよび水事業の推進者として機能すること、また、再生可能エネルギーと水の効率的な管理においてグローバルリーダーとなり、世界の持続可能な経済循環システムの基準を示すことを目標としています。さらに、エノワは、2026年に稼働予定の世界最大*5のグリーン水素製造プラントの主要株主であり、ネオムを世界のグリーン水素ハブにすることをめざしています。
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「最も先進的な開発プロジェクトの一つを推進するために、エノワ、ならびにサウジアラビア電力公社との協力関係を強化できることを嬉しく思います。世界がより持続可能な未来に向かって前進するなか、当社の専門知識とHVDC技術は、世界のエネルギーシステムの電化と再生可能エネルギーへの移行を実現します。」と述べています。
エノワのエネルギー・グリッドテクノロジー&プロジェクト エグゼクティブディレクターであるトーステン・シュヴァルツは、「HVDC技術を使用することを決定してからわずか1年で、将来の送電網の重要な部分となるプロジェクトの製造・プロジェクト推進体制を確保することは、サウジアラビア電力公社および日立エナジーと協力して、「サウジ・ビジョン2030」*6をサポートするという当社のコミットメントを示しています。」と述べています。
日立エナジーのHVDCソリューションは、HVDC変換バルブおよびデジタル制御プラットフォームMACHTM*7、変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に関する世界トップレベルの専門知識を結集したものです。
HVDC Lightは、日立エナジーが開発した変換技術で、変換所がコンパクトかつ電力損失が極めて低いという特長を有しており、各国送電網の相互連系、再生可能エネルギーの連系、陸上から洋上への電力供給など、多くの場面で活用されています。また、送電線設置のための用地確保が困難な都市部においても、大容量かつ高品質な電力供給を可能とします。
日立エナジーは、約70年前に商用HVDC技術を開発し、以来、世界のHVDCプロジェクトの半分以上を納入してきました。
また、日立エナジーのコンサルティングサービスは、エネルギー分野のお客さまが抱える課題を特定し、お客さま特有の要件に合わせてカスタマイズされたソリューションを提案します。当社のコンサルタントは、グローバルな技術、規格、地域のグリッド規格に関する深い知識を持ち、製品やシステムにとらわれないアプローチを行います。
こちらのプロジェクトもご覧ください。
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供するとともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界90カ国に約40,000人の従業員を擁しており、140カ国以上の導入実績と、1兆円を超える事業規模を有しています。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
以上