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2023年5月17日
先端システム技術研究組合
国立大学法人東京大学大学院工学系研究科
株式会社アドバンテスト
凸版印刷株式会社
株式会社日立製作所
株式会社ミライズテクノロジーズ
国立研究開発法人理化学研究所
国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)、株式会社アドバンテスト(以下 アドバンテスト)、凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)、株式会社日立製作所(以下、日立製作所)、株式会社ミライズテクノロジーズ(以下、ミライズテクノロジーズ)、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理化学研究所)は、「先端システム技術研究組合(略称ラース、以下、RaaSと表記(注1))」(理事長 黒田 忠広 東京大学大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター長 教授)において、2023年4月1日から新たな先端システム技術の研究開発への取組みを始めました。
デジタルトランスフォーメーション(注2)の実現の鍵を握るのは、フィジカル空間(現実空間)とサイバー空間(仮想空間)をシームレスに繋ぐデータの活用です。IoT(注3)デバイスでセンシング(注4)したデータを5G(注5)で集め、AIで高度な分析を加えてサービスとして提供するデータ駆動型社会を支えるシステムが求められています。
こうしたデジタル技術やそれを活用した製品やサービスは、プラットフォーム(注6)を通じて発展・普及するため、従来のコストパフォーマンスに加え、タイムパフォーマンスも求められます。すなわち、安く高性能であるだけでなく、早く提供することも重要です。しかし、製品やサービスを実現するための専用チップ(注7)を最先端のプロセスで製造すると、高い性能を得ることができる一方で、開発に多大な費用と年月を要することが課題とされてきました。
RaaSの研究開発目標は、専用チップの開発効率を10倍に高めると同時に、エネルギー効率を10倍に高めることです。
まず、開発効率を高めるために、専用チップを素早く設計できるアジャイル設計手法(注8)を研究開発します。専用チップを設計・製造するにあたり課題となるのは開発コストですが、RaaSの新たな取組みでは、組合員が共同利用できる次世代先端半導体開発プラットフォームを研究開発することで、チップ設計と製造を民主化します。
また、エネルギー効率を高めるために、世界のメガファウンドリ(注9)の7nm以降のCMOSプロセスを利用し、組合員の実現したいシステムを搭載したチップを製造します。このようにして開発されたエネルギー効率の優れた半導体チップを活用し、各組合員は自らが実現したいシステムを開発して事業化します。
RaaSのシステム系研究部門は、東京大学、アドバンテスト、凸版印刷、日立製作所、ミライズテクノロジーズ、理化学研究所の6組合員で活動します。各法人の事業領域(ドメイン)で求められるシステムをテーマに、先端半導体開発プラットフォームを共同で研究開発します。加えて、半導体産業界のエコシステムを支えるEDAベンダーや半導体ファウンドリがこの活動を支援します。
誰でも専用チップを素早く設計でき最先端半導体技術で製造できるようにし、シリコン技術を民主化します。
以上