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2023年5月16日
日立としても海外で初めてとなる重粒子線がん治療システム
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、台北栄民総医院に重粒子線がん治療システム一式を納入し、5月15日から治療を開始しました。本システムは、台湾で初めての重粒子線がん治療システムの稼働となります。また、日立にとっても、海外で初めて治療を開始する重粒子線がん治療システムです。
本システムは、台北栄民総医院の新しい重粒子がん治療センターに設置されており、水平・垂直方向から照射可能な治療室を2室備えています。また、呼吸に伴って移動する臓器の動きを捉える動体追跡技術と、腫瘍の形状に合わせて重粒子線を照射できるスキャニング照射技術を搭載しています。
1958年に開設された台北栄民総医院は、60年以上にわたり、より高い品質の医療サービスを提供し続け、世界一流の医療施設をめざし、「台湾で有数の医学センター」として世界でも高い知名度を有しています。台湾では既に陽子線がん治療が開始されていますが、重粒子線がん治療システムの導入は初めてであり、台湾におけるがん治療ニーズがさらに満たされることが期待されます。
日立の粒子線がん治療システムは、世界的に著名な病院に納入されており、これまでに85,000名*以上の患者が日立のシステムで治療を受けるなど、高い信頼性と実績を有しています。台北栄民総医院に納入した重粒子線がん治療システムの他、1治療室に特化した小型陽子線がん治療システムをはじめ、陽子線と重粒子線のハイブリッドがん治療システムなど、高性能で高付加価値のある製品・サービスを提供しています。
日立は、台北栄民総医院と本事業を推進することにより、台湾の患者に優しい治療や、治療後の患者のQoL(Quality of Life)の維持・向上などを支援します。また、粒子線がん治療システムのグローバル展開を加速させ、低侵襲ながん治療のさらなる発展に貢献していきます。
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つです。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線といいます。治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されています。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
株式会社日立製作所 ヘルスケア事業本部 ヘルスケアイノベーション事業部 スマートセラピー本部
フロント戦略推進本部 放射線治療事業推進部 [担当:高田、何、呉]
〒277-0871 千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1
以上