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2023年4月3日
北海道国民健康保険団体連合会
株式会社日立製作所
地域の健康課題などを効果的・効率的に分析し、市町村の保健事業推進に貢献
「健康・医療情報分析プラットフォーム」の概要と活用イメージ
北海道国民健康保険団体連合会(以下「北海道国保連」という。)と株式会社日立製作所(以下「日立」という。)は、北海道主導のもと、2020年度より3ヵ年計画で共同構築してきた「健康・医療情報分析プラットフォーム:KDB Expander」(以下「本システム」という。)を、2023年4月より本格稼働します。健康寿命の延伸や医療費適正化を目的に、北海道および道内全179市町村において活用され、全世代型予防・健康づくりの推進を支援します。
本システムは、北海道の人口の約7割にあたる若年層から高齢者まで約370万人*1の健康診断結果やレセプトデータといった健康・医療情報を、地域保険*2・職域保険*3から横断的に集約した「地域・職域データプラットフォーム」です。
なお、集約したデータは、保健事業推進に役立つ観点で分析し、分析レポートやデータセット(図表データ一式)として市町村職員へ提供します。地域特有の健康課題を年代や性別ごとに把握し、効果的かつ効率的に保健事業を推進できるようになります。分析レポートのひとつとして提供する「健康レポート」*4は、市町村保健師から被保険者への保健指導業務を支援するものです。日立独自AI*5を用いて、大規模な健診結果データなどをもとに生活習慣病の発症傾向を分析し*6、健康改善アドバイスや過去の健診結果などをまとめた個人ごとのレポートとして提示します。開発にあたり、小樽市・室蘭市・北見市において2021年度から2022年度にかけて過去6年分のデータを用いた実証を行い、AIの学習や分析精度向上を行いました。
日本の保険制度は、ライフステージや職種などに応じて多数存在し、各制度に基づいた事業がそれぞれにおいて推進されているため、制度間のつながりが十分ではなく、保健事業の継続性が途絶えてしまうほか、地域の健康課題を正確に把握することが困難でした。
このような中、2019年9月に厚生労働省の提供する「地域・職域連携推進ガイドライン」*7が改訂され、2020年度から保険者努力支援制度*8が強化され、地域・職域連携を推進するデータベース開発などが実施できるようになりました。地域保険と職域保険が制度ごとに保有する健康・医療情報を連携させ横断的なデータ分析を行うことで、現状を把握し、継続的かつ包括的な保健事業の推進に向け、地域の実情をふまえた具体的な取り組みにつなげていくことが求められています。
北海道では、全国より高齢化が急速に進む中、健康寿命が男女ともに全国平均に比べ1歳以上短いこと、一人あたりの医療費も高額なことなどが大きな課題となっています。これらの解決に向け、北海道が中心となって施策立案に取り組んでいるものの、小規模な市町村が6割を占める地域特有の事情から、マンパワーなどが不足しているため、地域の健康課題を明確化し、予防・健康づくりを推進していくことが困難な状況です。
このような背景を受け、「全世代型予防・健康づくり推進事業」として、北海道国保連は本取り組みを企画・推進し、日立はこれまでに培った地域・職域保険のシステム構築実績やデータ分析ノウハウをもとにシステム設計や環境構築などを行いました。
本システムは、データヘルス*9支援ソリューション「スマートアナリシス/NI」*10をベースに構築したもので、4つの保険制度(国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、職域保険(協会けんぽ*11))の健康・医療情報を収集・集約*12した上で、性・年齢別などの多様な観点で制度横断的に分析し、データ抽出が可能なプラットフォームです。
制度横断的に健康・医療情報を集約することで、現役世代から後期高齢者までの経年変化を個人単位で分析*13することも可能としています。この分析データを活用し、例えば重症化に至る病態遷移の経年変化パターンなど、人生100年時代を見据えた全世代横断でのエビデンスづくりに取り組むことができます。
北海道全体や地域特有の健康課題の把握が可能な分析レポート、データヘルス計画作成を支援するデータセット、重症化予防などの保健事業推進に用いる対象者リストなど、約50種類の帳票を提供します。(分析レポートやデータセットの詳細は別紙参照)
これらのレポートやデータセットは、専用のポータルサイトを通じて各市町村が容易にダウンロードできる仕組みとし、健康・医療統計や対象者リストなどのデータをタイムリーに活用できるほか、医療や介護の各種施策検討および事業活用といった市町村の保健事業の推進に活用することが可能です。
北海道国保連と日立は、将来的に10年分のデータ蓄積を進めるとともに、分析レポートやデータセットの拡充など本システムの強化を継続していきます。これにより、地域住民の健康増進や医療・介護関係者との連携、データヘルス施策の検討など市町村の保健事業推進の効率化を図り、北海道全体の予防・健康づくりの推進に貢献していきます。
また、日立は、健康・医療に関するビッグデータの利活用や分析技術、システム構築のノウハウを活用し、他の自治体への展開を図るなど、日本の持続可能な医療保険制度の構築や誰もが健康に暮らせる社会の実現に貢献していきます。
詳細はPDFをご覧ください。
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総務部保健事業課 [担当: 菊地]
Tel : 011-231-5161
公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ [担当: 森下]
〒140-8512 東京都品川区南大井六丁目23番1号 日立大森ビル
以上