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2022年11月24日
(本リリースの内容は、イタリアで11月22日(火)に発表したものです。
日本では11月24日(木)に配信しました。)
イタリア北中部の鉄道路線のうち、ERTMSが整備される予定の区間
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは、欧州共通の列車制御システムであるERTMSを、イタリア共和国(以下、イタリア)の鉄道路線網のうち1,885kmに設計・設置するフレームワーク契約を、コンソーシアムのリーダーとして、8億6,700万ユーロ(日立レール受注分、約1,260億円)*1で締結しました*2。本契約は、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、ピエモンテ州、ロンバルディア州、リグリア州、ベネト州、フリウリ・ベネツィア・ジュリア州を含むイタリア北中部への導入を対象にしています。これはFSグループで、イタリアの鉄道インフラを管理するRete Ferroviaria Italiana(レーテ・フェロヴィアリア・イタリアーナ/以下、RFI)が、イタリア全土にERTMSを導入するために実施した27億ユーロ(約3,920億円)分の入札の一部です。イタリア政府の「再興・回復のための国家計画(PNRR)」により資金が拠出される、累計約4,800kmの鉄道路線整備に関する技術プロジェクトの最後の案件でもあります。
RFIが発注主で、日立にとっては、イタリアの鉄道路線網のうち700kmにデジタル信号システム・ERTMSを設計・設置する5億ユーロ(約725億円)*1の2021年11月の共同受注に続く契約*3です。
ERTMSは、最新のデジタル鉄道制御システムで、より多くの列車をより迅速に、より正確に運行することを可能にします。欧州域内でのシームレスな鉄道システムの構築に向けて、この技術は、イタリア国外から来る列車が国境で信号切り替えをすることなくイタリア国内の路線に乗り入れて運行できるようになります。ERTMSは既にイタリアの高速鉄道で使用されており、現在在来線への導入が進められています。
ERTMSでは無線システムによって車両と軌道の間で通信を行うことができるようになり、列車が制限速度を超過した場合や緊急時に自動的に緊急ブレーキを作動させることを可能にします。本技術によって速度、加速、減速を制御して、列車をより効率的に走行させることができ、エネルギー消費と二酸化炭素排出を削減します。
日立レールはデジタル信号のグローバルリーダーであり、英国、イタリア、スペイン、スウェーデン、フランスといった欧州において、また競争が激しい中国やインドでETCS技術を最初に導入した会社の一つです。
「私達は、イタリアの鉄道路線のうち、新たな1,885kmに最新のデジタル信号システムを納入する契約を受注できたことを喜ばしく思います。ERTMSは乗客に高い信頼性・正確性を提供し、高頻度な列車の運行を実現します。究極的には、欧州域内の鉄道によるシームレスな移動という目標の実現を可能にします。」
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
以上