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2022年11月17日
完成イメージ(南北通勤鉄道のギグイント駅)
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは、フィリピン政府運輸省から、ソリス−マロロス間の新しい通勤鉄道向けに、デジタル信号を含む、鉄道システムの提供および軌道工事に関する契約パッケージ(CP04)を受注しました。契約金額は約1,140億円です。*1
このプロジェクトでは、マニラ首都圏と近接する地域を南北に結ぶ南北通勤鉄道(カランバークラーク間)147kmの内、約35.4km、9駅の区間を新設します。独立行政法人国際協力機構(JICA)の円借款の資金が使用されます。
フィリピンでの急速な持続可能性推進の流れの中で、本プロジェクトは温室効果ガス排出を削減し、自動車に比べて環境に優しい公共交通の利用を促進します。
日立レールは、革新的な欧州列車制御システム(以下、ETCS)レベル2を南北通勤鉄道に導入します。ETCSの信号システムは、列車の動きと制限速度を監視するとともに、列車の効率的な運転を可能にしてエネルギー消費を削減します。ETCSレベル2の信号システムは緊急時または制限速度を上回った場合に適用される緊急ブレーキなどを自動的に作動させることにより、安全性を大幅に高めることができます。
日立レールはデジタル信号のグローバルリーダーであり、英国、イタリア、スペイン、スウェーデン、フランスといった欧州において、また競争が激しい中国やインドでETCS技術を最初に導入した会社の一つです。日立レールは、信号システム、電化、通信システム、車両基地用機器、料金徴収システム、軌道工事を含むフルターンキー契約を通じて、世界で培ったデジタル信号の経験をフィリピンで初めて導入します。
「私たちが開発したデジタル信号であるETCSを欧州やアジアでの実績に続いて、フィリピンに納入することを誇りに思います。このプロジェクトによって、日立は通勤鉄道のエネルギー消費を削減し、環境に優しい移動をサポートします。
マニラの自動車の数と渋滞は急速に増加することが予測されており、通勤者がより持続可能な移動手段である鉄道を利用するようサポートすることが必要です。私たちがつくる最新の鉄道システムは、フィリピンにおいて移動の安全性を高め、乗客に大きな利益を提供し、温室効果ガス排出を低減することによって、これを実現することができます。」
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
以上