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2022年10月21日
GlobalLogicのフレームワークを中核に、国内大規模システムの開発ノウハウと融合
日立のマイクロサービス開発基盤の適用イメージ
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、企業の経営やビジネスの根幹を支えるエンタープライズシステムにおいて、開発スピードや柔軟性・拡張性に優れたマイクロサービスの導入を加速する新たな開発基盤を、11月1日より提供開始します。
マイクロサービスは、システムを複数のサービスに分割し、サービス間を疎結合に連携させることで、サービスの素早い変更・追加を可能とした、変化に強いシステムアーキテクチャーです。
今回日立は、アジャイル開発やクラウドを駆使した開発を得意とするGlobalLogic*1で用いられているマイクロサービスのフレームワーク*2を日本向けに整備・強化した「Hitachi Microservices Platform」と、国内の大規模プロジェクトへのマイクロサービスの適用を支援する開発ツール「Justwareマイクロサービスフレームワーク」を新たに提供開始します。グローバルで実績が豊富なGlobalLogicのフレームワークを中核に、国内で培った開発ノウハウを融合した新しい開発基盤として、日立が受託するプロジェクトに適用するほか、自社で開発する企業にも幅広く提供します。
本開発基盤を活用することで、難易度の高いマイクロサービスの共通機能の作り込みを大幅に簡素化し、マイクロサービスに精通していない技術者でも容易かつスピーディーに開発することが可能です。これにより、大規模プロジェクトへの適用の障壁となっている技術者不足の課題を解決し、エンタープライズレベルでのアジリティ(機敏性)向上に取り組む企業に対し、システムのモダナイゼーション*3を加速し、お客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を強力にサポートします。
世界的なパンデミックなど社会の不確実性が高まる昨今、企業が激しい市場競争に勝ち残るためには、社会や顧客ニーズの変化に対応したサービスを素早く市場投入することが求められており、システムの改修や拡張の手軽さから、マイクロサービスの導入を検討する企業が国内で急速に増えています。
一方、マイクロサービスは、サービス間のデータの一貫性を保証する作り込みなど、モノリシック*4と呼ばれる従来型のシステムでは必要ない追加機能の実装が多く、そのための高度な知見や技術力が必要とされるため、マイクロサービスに精通した技術者を集めることが困難であり、普及の障壁となっています。
日立では、これまで、「マイクロサービステクニカルソリューション」*5などを通じ、マイクロサービス導入時に必要となる幅広い技術支援を行ってきました。今回、日本国内でのITモダナイゼーションをさらに加速するため、エンタープライズシステムへのマイクロサービスの適用を容易にする開発基盤を整備しました。
日立は、マイクロサービスの開発フレームワークとして以下の2つのサービスを提供開始します。
1. グローバルで実績豊富なGlobalLogicのフレームワークを核とした「Hitachi Microservices Platform」
「Hitachi Microservices Platform」は、GlobalLogicの「Microservices Accelerator」*6をベースに整備し、国内でのサポートサービスとセットで提供します。
「Microservices Accelerator」は、GlobalLogicが同社のエンジニアによるマイクロサービス開発を超高速化してアジャイルなデジタルエンジニアリングを実現するために開発したもので、マイクロサービス間の通信処理や複数のサービスを俯瞰的に管理する処理など、マイクロサービスで必要とされる複数サービス間の横断的機能を実装するためのモジュールやセットアップツールで構成されています。開発作業が逸脱しないための枠組み・ノウハウを体系的に確立しており、同社のアジャイルでスケーラブルな開発力を支える強力なツールの一つとして、多くのグローバル企業への適用実績を有しています。
本サービスを活用することで、性能監視やセキュリティなど共通的な作り込みにかかる工数・手間を大幅に削減でき、そのアプリケーションで求められる固有のビジネスロジック*7の開発に注力することが可能となり、素早いプロジェクトの立ち上げを実現します。また、統一インタフェースにより、サービスごとの通信方式や実行環境の違いを意識せずに開発でき、要件変更も最小限の設定で対応が可能となります。
2. 大規模エンタープライズシステムへの適用を支援する「Justwareマイクロサービスフレームワーク」
社会インフラをはじめ国内のエンタープライズ領域での大規模なシステム開発では、開発品質の均質化と効率化の両立を可能とする開発環境が求められます。
こうした国内エンタープライズならではの特性を踏まえ、生産性を向上させるローコードによる開発支援ツールやマイクロサービス開発の流れが分かるガイドを備え、より簡単に開発できる機能群を取り揃えた「Justwareマイクロサービスフレームワーク」を開発しました。本フレームワークにより、「Hitachi Microservices Platform」をさらに容易に使いこなせるようになり、多くの人員が携わる国内の大規模なエンタープライズシステムにおけるマイクロサービスの開発効率化と品質確保を支援します。
ミッションクリティカルなシステムのマイクロサービス化にあたっては、日立の経験豊富なクラウドエンジニアがトータルでサポートします。エンタープライズ向けのアプリケーション実行基盤である「uCosminexus Application Runtime」や関連サービスなどを組み合わせることで、導入コンサルティングから開発・実行環境の構築・運用に至るまでワンストップで支援し、お客さまのシステムの信頼性を維持しながらアジリティの向上を実現します。
今後、日立は、本開発基盤において分散データ管理といった新機能を開発・拡充するなど、ミッションクリティカルなシステムへの適用に向けた取り組みをさらに強化します。また、拡大する国内DX市場において、4月に設立したGlobalLogic Japanを通じて提供するGlobalLogicのエクスペリエンスデザインやデジタルエンジニアリングをはじめ、Lumadaを活用した新たな価値創出に取り組み、国内のお客さまのDX推進を加速します。
名称 | 価格(税別) | |
---|---|---|
「Hitachi Microservices Platform」 | \360,000/年 〜 | |
「Justwareマイクロサービスフレームワーク」 | ランタイムライブラリ | \360,000/年 〜 |
開発ユーティリティ | \17,500/月・開発端末 〜 |
日立は、2022年10月25日(火)〜27日(木)に開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2022 JAPAN」の関連セミナーとして、会期終了後に事業課題を解決する個別の取り組みやソリューションについて紹介する「Hitachi Social Innovation Forum 2022 JAPAN Plus」を実施予定です。本発表内容は、本イベントにおいて11月15日(火)〜12月16日(金)に配信するセッション「予測不可能な時代を勝ち抜くためのITモダナイゼーション」で紹介する予定です。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業本部 デジタルエンジニアリング事業部
以上