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2022年10月19日
(本件は、米国東海岸において、10月18日(火)午前0時
(日本時間18日午後1時)に発表しました。)
生産開始時のイメージ
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは、7,000万米ドル(約104億円*1)を投資して、米国メリーランド州ワシントン郡にある41エーカー(約16万6,000m2)の土地に、新しい鉄道車両工場(以下、新工場)と800ヤード(約730m)の試験線を建設します。現地時間18日に、建設開始を記念して鍬入れ式を実施し、新工場の最終デザインとイメージ画像を発表しました。
新工場のフル操業後は、日立レールの直接雇用460人を含む1,300人の雇用を創出します。コロンビア特別区、メリーランド州、バージニア州での新しい雇用者には年間計3.5億米ドル(約520億円)もの収入に加え、地域に大きな経済効果をもたらします。
2024年初旬の開業に向けた建設計画は順調に進んでおり、整地、外壁の一部が完成しました。建設工事は米国の建設会社であるRyan Companies US, Inc.(ライアンカンパニーズ)が主導しています。
メリーランド州ラリー・ホーガン知事とメリーランド州選出のデビッド・トローン下院議員は、ワシントン首都圏交通局(WMATA)のランディ・クラーク局長とともに、日立レールCEOのアンディー・バーの案内で新工場予定地を訪問し、新工場のデザインと建設工事の進捗を確認しました。
2024年度第1四半期に完成後、新工場はワシントン首都圏交通局のワシントンメトロ向け8000系電車256両の製造を開始します。この契約は2021年3月に発表され*2、オプションを含めると最大800両の規模になります。新工場のフル操業開始後は、日中シフトのみのベースでメトロ車両から高速車両までの幅広い車種を月間20両製造が可能です。
建設計画は予定通り進んでおり、最新のフェーズでは、1枚あたり13フィート×36フィート(約4m×約11m)、約35,000ポンド(約16t)の重さのコンクリート壁パネル248枚を設置しました。根太、桁、構造用鋼の柱など、新工場の建物を完成させるために必要な鋼材は全部で1,050tにのぼります。また12,430立方ヤード(約9,500m3)のコンクリートが使用され、これはオリンピックサイズ・プール四つ分に相当します。
この新工場の製造能力は、革新的な技術ソリューションによって強化され、日立の100年にわたる専門知識とグローバルな製造業の伝統を生かし、これまでで最も先進的なデジタル工場を実現する予定です。
また、気候変動対策のイノベーターとして、最新技術を導入して、エネルギーや資源を効率的に使用し、環境を保護していきます。
新工場の建設と運営は、メリーランド州やワシントン首都圏の経済を活性化します。建設コストの60%近くが地域の業者から調達され、4,000万米ドル(約60億円)以上の直接的および間接的な経済効果を与えます。また総コストの4分の1以上(約27%)が中小企業に支払われる予定です。
さらに、新工場操業を準備するため、日立は2024年初旬から人財採用活動を行う予定です。新工場では日立レールが直接採用する460人を含め、1,300人が雇用されます。
7,000万米ドルの新工場建設が予定通り順調に進み、ワシントンメトロ向けの高性能な新型車両の納入に1歩近づきました。最先端のLumada*3技術を盛り込んだ新工場のデザインを発表できることを喜ばしく思います。革新的な鉄道車両を製造することは私達のコアビジネスであり、新しい人財を迎えるこの新工場には、北米中の車両を製造する能力があります。
雇用の創出とそれに伴う経済効果は、ワシントン郡だけでなく地域全体にとって大きな変化となるでしょう。この革新的なプロジェクトは、ヘイガーズタウン地域が、米国北東部への比類ない接続を持つ鉄道輸送の主要な物流センターであることをさらに証明するものであり、メリーランド州が真にビジネスにオープンである輝かしい例の一つです。
ヘイガーズタウンの新工場は、地域に1,000人以上の高収入の雇用をもたらし、ワシントン首都圏のメトロシステムの輸送能力を強化します。日立の最終計画を見れば、メリーランド州に大変大きな投資効果がもたらされることは明白です。公共交通により、人々が時間通りに出勤したり、子供を迎えに行ったり、または単にA 地点からB 地点に移動できることは大変重要なことです。日立が私たちの地域に来たことを歓迎し、この工場がワシントン郡にもたらす経済効果を楽しみにしています。
ワシントンメトロの新しい 8000 系車両がアメリカ首都圏で製造されることを誇りに思います。地元の雇用と地域への経済的利益を創出することは同メトロにとって不可欠であり、これは同メトロの投資を家族、企業、我々が奉仕する地域へ還元することになります。
当社は、米国および北米の旅客・貨物鉄道輸送を改善しようとする日立レールを支援する機会を得たことを嬉しく思っています。この最新鋭の施設の建設を主導し、建設が予定通り行われることを光栄に思います。
8000系は、近代的な設備と良質な乗客サービスを提供します。メトロ車両の主要な特徴は以下の通りです。
2両1セットの車両には130人分の座席が取り付けられ、1980年台初頭から運行している2000系と3000系を最新の車両に置き換えます。日立の7,000万米ドルの新工場への投資は、ペンシルバニア州ピッツバーグに本部を置き、すでに1,400人を雇用する日立鉄道部門の米国および北米の旅客・貨物鉄道改善へのコミットメントの継続性の表れです。日立は信号システムから新しい鉄道システム建設や全米の貨物鉄道システムに至るあらゆる交通プロジェクトに貢献しています。
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
ワシントン首都圏交通局(メトロ)は、1967年に州間協定により設立され、米国首都圏の安定した地域交通システムを計画、建設、資金調達、運行しています。メトロは1969年に鉄道システムの建設を開始し、1973年に4つの地域バスシステムを買収し、1976年にメトロレールの最初の区間の運行を開始しました。メトロレールは現在、91駅、117マイル(約190km)の路線を運行し、数年以内に7つの新しい駅、11.4マイル(約18km)の延伸が行われます。メトロバスは1,500台のバスを保有し、首都で年中無休24時間運行しています。メトロレールとメトロバスは、1,500平方マイル(約3,900km2)に住む約400万人にサービスを提供しています。メトロは1994年にメトロアクセスという身障者向けドアトゥドアサービスを開始し、年間230万回運行しています。
ライアンカンパニーズは1938年に設立され、デベロッパー、設計、建設、キャピタルマーケットアドバイザリー、不動産マネジメントを通じて総合的な不動産サービスを提供し、人々が繫栄する場所を生み出します。ヘルスケア、ホスピタリティ、産業、複合用途、複数家族用、事務所、リテール、高齢者住居を含む幅広い業種に対応しています。また、2,000人以上のスタッフと17か所の事務所を融資、ほぼ全ての州でのプロジェクトの実績があります。
以上