ニュースリリース

日立パワーデバイスが、ルームエアコンなどの家電製品向けに、
供給電源の大幅な電圧変動に対応するモーター駆動用高耐圧ICを製品化

電圧の不安定な地域における家電製品の高効率化・省エネ化を支援

今回製品化したモーター駆動用高耐圧IC「ECN30216(左)」 および「ECN30624(右)」

  株式会社日立パワーデバイス(以下、日立パワーデバイス)は、おもにルームエアコン向けに、供給電源の大幅な電圧変動に対応可能な、モーター駆動用高耐圧IC「ECN30216」と「ECN30624」を製品化しました。両製品は、モーター駆動状態における過電圧発生時に、全出力素子を遮断する機能を実装したことにより、1,000Vの耐電圧を実現した1チップICです。「ECN30216」はおもにルームエアコン室内機用ファンモーターに、「ECN30624」はおもにエアコン室外機用ファンモーターに適用される高耐圧ICであり、2022年6月からの出荷を予定しています。当社は、本製品の提供を通じて、ルームエアコンなどの家電製品の高効率化・省エネ化をグローバルに支援し、脱炭素社会の実現に貢献します。

  モーター駆動用高耐圧ICは、ルームエアコンや空気清浄機などの家電製品のモーターの回転数を適正にコントロールするインバーター制御基板に搭載されるもので、家電製品の高効率化・省エネ化に欠かせないパワーデバイスです。一方で、ルームエアコンのインバーター化需要が急速に増加すると予想されている地域の一部では、供給電源の大幅な電圧変動に対応可能なパワーデバイスが必要という課題がありました。

  日立パワーデバイスが今回開発したモーター駆動用高耐圧ICは、家電製品のモーターを駆動した状態で商用電源の大幅な電圧変動による過電圧が発生した場合に、モーターに駆動電力を供給する全出力素子を遮断する機能を実装することで、1,000Vの耐電圧を実現しました。さらに、上アーム*1駆動回路を新たに独自設計して、上アーム駆動用のコンデンサーを内蔵することで、当社従来製品と比較して外付けコンデンサー2個分の省スペース化を行いました。これにより、家電製品向けのモーターやインバーター制御基板の設計自由度の向上に寄与します。

*1

インバーター回路における高電位側のパワー素子

  日立パワーデバイスは、これまで、スマート家電および鉄道やEVなどのモビリティ分野向けにパワーデバイス製品を提供してきましたが、脱炭素社会の実現に向けて、より一層環境価値を向上させる製品の開発を加速させています。今後も、さまざまな分野で電力消費量・二酸化炭素排出量削減を支援するパワーデバイスの開発・提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

新製品の仕様

*2

1相あたり上下に2つずつ実装されたパワー素子個々の耐電圧

*3

インバーターの電源電圧に対する耐電圧

*4

IDC:出力電流(DC)、IP:出力電流(パルス)

日立パワーデバイスについて

  日立パワーデバイスは、パワー半導体関連分野において蓄積してきた長年の実績と、最新のデバイス技術を融合させた高付加価値製品を提供し、社会イノベーション事業の発展に貢献しています。「IGBT・SiC」、「高耐圧IC」、「ダイオード」の3つを主力製品群としており、環境価値向上のために、高耐圧・低損失技術を生かした製品の開発を進めています。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立パワーデバイス

以上