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企業情報ニュースリリース

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2022年4月27日

次世代医療基盤法に基づく「認定医療情報等取扱受託事業者」の認定を取得

健康・医療に関する先端的研究開発および新産業創出の推進支援に向け、
医療情報を収集・匿名加工して提供する認定事業を開始

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、2022年4月27日に、「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(平成29年法律第28号)」(以下、次世代医療基盤法)に基づき、主務府省(内閣府、文部科学省、厚生労働省および経済産業省)より、「認定医療情報等取扱受託事業者(以下、認定受託事業者)」として認定を取得しました。
  日立は、「認定匿名加工医療情報作成事業者(以下、認定事業者)」となる一般財団法人匿名加工医療情報公正利用促進機構(以下、FAST-HDJ)と連携し、医療機関から医療情報を収集・匿名加工し、研究機関などに提供する「匿名加工医療情報作成事業」を開始します。
  本認定事業により、学術研究機関、医薬品や医療機器の研究開発を行う企業などにおける匿名加工医療情報の利活用を促進することで、健康・医療に関する先端的研究開発および新産業創出の推進を支援します。

背景

  「個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)」の改正(2017年)により、患者の「病歴」が要配慮個人情報と定められたため、医療情報のほとんどが患者の同意取得なしでは利用できなくなりました。これにより、同意取得のない情報の不適切な二次利用や、目的外利用は阻止することが可能となりました。一方で、公衆衛生や医学の発展、医薬品・医療機器の開発といった公益目的で、適切に医療情報を利活用する環境の整備が求められてきました。
  このような状況を受け、2018年5月に次世代医療基盤法が施行され、医療機関などから医療情報を安全に収集し、研究者などの申請に基づいた匿名加工の上、有用性の高い匿名加工医療情報として提供できる「認定事業者」が制度化されました。これにより、「認定事業者」は従来から利活用が進んでいるレセプトデータだけでなく、問診内容、検査結果、治療予後などの実施結果といった多様な医療情報を、医療機関や介護事業者など複数の機関から収集可能になりました。「認定事業者」および「認定受託事業者」により、厳格な情報の安全管理のもと作成された匿名加工医療情報を、産学官のいずれの利活用者も、研究開発へ利活用することが可能です。

本認定のもと実施する日立の事業内容と特長

  日立はFAST-HDJとの契約に基づき「認定受託事業者」として、大学病院や地域中核病院といった大規模の医療機関などからFAST-HDJが収集した医療情報を蓄積するための、データ集積基盤の提供・稼働維持、データの収集保管・抽出・匿名加工支援などを行います。

(1)厚生労働省標準規格であるSS-MIX2*1形式でデータ収集・利活用
  医療機関において、医療情報の厚生労働省標準規格であるSS-MIX2形式でデータを蓄積可能な「SS-MIX2標準化ストレージ」の導入が進められています。FAST-HDJと日立は医療機関からSS-MIX2形式でデータを収集できるようにすることで、多くの医療機関との連携を実現します。多機関からのデータを名寄せし匿名加工医療情報として利活用者に提供することで、産学官の多岐にわたる研究開発・新産業創出などでの活用が期待できます。
  なお、医療機関は既存システムを改修することなく、FAST-HDJが提供するデータ転送のためのサーバーを設置・接続するだけで、医療情報の提供が可能です。

(2)安全管理措置への厳密な対応
  次世代医療基盤法で定められるセキュリティ対策の徹底に加え、より安全性を高めるために、医療機関から収集する医療情報を暗号化した上で、各医療機関とデータ集積基盤を接続する通信経路を複数の方法で暗号化するなどのセキュリティ対策も実施しています。

(3)医療情報の検索・抽出を高速処理
  データ集積基盤として超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder」*2を用いることで、医療情報の検索・抽出を高速に処理可能にしています。これにより、研究機関などは、医療ビッグデータの最適な解析手法の確立に向け必要となるトライ&エラーをスピーディーに繰り返し、研究を推進できます。

*1
「厚生労働省電子的診療情報交換推進事業」(SS-MIX : Standardized Structured Medical Information eXchange)において策定された、医療情報を交換・共有するための標準的な規約の最新版。
*2
内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 優 東京大学特別教授/国立情報学研究所所長)の成果を利用。

遵守する法律、規程など

  日立は、次世代医療基盤法の遵守に加え、以下の基本方針に従い、本認定事業を推進していきます。

基本方針

  • 日立グループでは、日立グループのすべての役員・従業員の判断の拠り所や取るべき行動を定めた日立グループ行動規範*3を定めています。日立グループのすべての役員・従業員はこの行動規範を理解・遵守し、高い倫理観を持って、誠実で公正に行動します。
*3
日立グループ行動規範をご参照ください。
  • 本業務の遂行において、日立の情報セキュリティの方針*4に定める下記項目を遵守して取り組みます。
    (1)情報セキュリティ管理規則の策定および継続的改善
    (2)情報資産の保護と継続的管理
    (3)法令・規範の順守
    (4)教育・訓練
    (5)事故発生予防と発生時の対応
    (6)企業集団における業務の適正化確保
*4
日立の情報セキュリティ方針については、「情報セキュリティ報告書2021」(P.8)をご参照ください。

今後の展開

  日立は、FAST-HDJとともに、健康・医療に関する先端的研究開発および新産業創出の推進支援に向け、デジタルイノベーションを加速する日立のLumada*5によって展開するソリューション・技術を活用して、収集する医療情報の拡充や匿名加工医療情報および統計情報の提供を推進し、健康長寿社会の形成に貢献していきます。

*5
Lumada : お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。

認定事業の全体像

[画像]認定事業の全体像

商標注記

本文中に記載の事業者名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当: 森下]
〒140-8512 東京都品川区南大井六丁目23番1号 日立大森ビル

以上

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