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2022年3月10日
(本リリースの内容は、英国において3月9日(水)に発表したものです。
日本では3月10日(木)に配信しました。)
日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レール社は、アルストム社のグループ会社であるAlstom Ferroviaria社とイタリアの非営利の技術センターであるCeitと共にデジタル信号プログラムのプリンシパルパートナーとして、イタリアの鉄道事業者であるRete Ferroviaria Italiana(以下、RFI)から、イタリア全土の700kmの鉄道路線で活用される欧州共通の列車制御システム(European Rail Traffic Management System /以下、ERTMS)の設計と納入に関するフレームワーク契約を約5億ユーロ(約625億円)*で締結しました。
この最先端のデジタル列車制御は、シチリア州480km、ウンブリア州の旧中央ウンブリア鉄道の路線150km、ラツィオ州のロッカセッカとアブルッツォ州のアヴェッツァーノ間80kmに導入されます。
ERTMSの導入により、従来の線路上にある信号機を、車上の信号装置に置き換え、列車運行本数、信頼性、スピードを高めることができます。ERTMSは欧州周辺の列車制御システムを統一し、国境でのシステム切り替えが不要な鉄道をめざしています。これは新しい統一規格の列車保護装置と、地上と車上間の通信を行うGSM-R(Global System for Mobile Communications – Railway)無線システムによって実現されます。
このプロジェクトは、イタリア政府の「再興・回復のための国家計画」により資金が拠出される最初の技術プロジェクトである共に、欧州の鉄道相互運用に向けた重要な一歩となり、乗客に大きな利益をもたらします。ERTMSは高速鉄道の旅客サービスのために開発されてきましたが、今回のERTMSの導入により、イタリア全土の在来線に拡大されます。
ERTMSにより、欧州の近隣諸国から列車が信号の切り替えで止まることなく、イタリアに乗り入れることができます。また、列車の危険時や制限速度を上回った場合に、非常ブレーキを作動させるといった安全機能や、定時性や信頼性に大きな影響を与える事象を検知し管理する機能を持っています。
このERTMSは700kmの鉄道網でスピード、加速、ブレーキを制御し、鉄道のエネルギー使用量削減に重要な役割を果たします。さらに、線路上にある信号機器の数が削減でき、沿線の景観保護にも貢献します。
日立は世界の信号業界におけるグローバルリーダーであり、欧州(英国、イタリア、スペイン、スウェーデン、フランス)、およびさらに競争の激しい中国やインドにおいてERTMSを導入した最初のサプライヤーです。
私達は今回の受注を大変喜ばしく思います。ERTMSは、イタリア政府の「再興・回復のための国家計画」の資金で実施する、EUの技術プロジェクト実施目標の半分を占めます。このシステムの導入は、高速鉄道技術を在来線に応用させる意図を明確に示しています。このシステムによる代表的な恩恵は特に、地上機器を通じた連続的かつ完全な列車運行の監視です。このシステムにより、鉄道の安全性を高め、デジタル列車制御により列車本数を増やすと同時に定時性を高めることができます。
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
以上