ニュースリリース

日立パワーソリューションズが、機械学習技術を用いたデータ分析とナレッジのデジタル化で社会インフラ設備の運用と保守の最適化を実現する新サービスを提供

デジタル保守プラットフォーム「KamomeX」により最適な保全管理や投資計画につながる意思決定を支援

  株式会社日立パワーソリューションズは、計画外停止による影響が大きい社会インフラ設備を対象に、機械学習技術を用いて設備運用と保守の最適化を支援する新たなサービスを、Lumada*1 ソリューションとして4月1日から提供開始します。本サービスは、今回開発した、設備の状態変化に合わせて分析精度の維持・向上を図るデジタル保守プラットフォーム「KamomeX*2」(カモメックス)と、当社の豊富な実績を有する保守サービス技術・ノウハウを組み合わせたもので最適な保全管理や投資計画につながる意思決定を支援します。さらに、日立グループのエネルギーマネージメントシステムや設備管理システムなど、さまざまな支援アプリケーションとの組み合わせも可能です。

背景

  発電所や上下水道などのライフラインや生産工場など社会活動に大きな影響を持つ施設や設備には、劣化や損傷を早期に検知して計画外停止を行わず安全に運用することが求められています。一方でこうした設備運用や保守業務は、熟練技術者の経験やノウハウに依存している部分が多く、技能の維持が喫緊の課題となっています。課題の解決のために、各種設備診断システムやソリューションが用いられているものの、その設備診断に用いられているデータ分析モデルの精度は、設備の劣化や運転環境、運用基準の変化にともない低下するため、IT技術者の専門的な技術がないと分析精度の維持や向上が図れないといった問題がありました。このため、専門的な分析システム機能に加えて、誰もが扱いやすい特長を備えたシステムによる、設備運用や保守業務の最適化へのニーズが高まっています。

サービスの概要

  日立パワーソリューションズでは、こうしたニーズや課題に対応するため、設備の状態変化に合わせて分析精度の維持・向上を図り、設備運用と保守の最適化を実現するサービスの提供を開始します。
  本サービスでは、新たに開発したデジタル保守プラットフォーム「KamomeX」の機械学習モデル運用機能によって分析担当者の知見や試行錯誤の過程などのノウハウを蓄積することで、従来IT技術者などによって行われていたデータ分析作業を、OT*3技術者や保守員でも可能にするとともに、標準化の難しかった運用やOTなどのナレッジをデジタル化します。さらに当社が豊富な実績を有する予兆診断、O&Mなどの設備保守サービスや、日立グループのエネルギーマネージメントシステム、設備管理システムなどのさまざまな支援アプリケーションを組み合わせることで、保守の高度化を実現し、設備の計画外停止リスクや保守コストの最小化などを実現します。

今回提供を開始するサービスの特長

(1)品質の高い分析環境で合理的な保全計画の立案や設備投資につながる意思決定を支援

  KamomeXの機械学習モデル運用機能により、データ分析モデルの品質や診断精度を継続的に向上させ、合理的な保全計画立案や設備投資につながる意思決定を支援します。

(2)データ分析目的やニーズに応じて容易にアルゴリズムの変更が可能

  データの前処理、後処理などを含む分析フローをローコード開発*4で構築しており、診断速度や正確性といった、お客さまのさまざまなデータ分析目的やニーズに対応して、アルゴリズムの変更が可能です。

(3)OT・ITのナレッジの見える化で運用効率を向上し、保守人員の適正化を支援

  KamomeX上で熟練技術者のOTやITのナレッジを蓄積、管理し、知識や知見、専門的な技術を見える化することで、不具合発生時に高度な専門知識を持つ技術者が不在であっても迅速な対応や復旧に向けたオペレーションを可能にするとともに、保守人員の適正化を支援します。

(4)故障予兆検知により設備状態を見える化し、既存サービスと組み合わせて保守を高度化

  機械学習技術を活用した故障予兆検知による設備状態の見える化や、デジタル化したOTナレッジによる故障原因診断で、設備の計画外停止リスクを低減します。また、クラウドを通じて提供するため、当社の遠隔監視技術や既存サービスと組み合わせ、お客さまの保守業務を高度化し、設備の計画外停止リスクや保守コストの低減を支援します。

(5)環境を考慮した分析モデルの構築で環境経営を支援

  KamomeX上で、過去の環境保全コストの検証結果や環境負荷物質排出量データを蓄積し、分析モデルに活用することで、より現実に即した状況で、環境に関連する課題の抽出や環境負荷の低減を支援し、お客さまの事業における環境経営に貢献します。

  なお、本サービスは、1月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催されるオートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES 2022」の日立グループブースに出展します。

*1

Lumada: お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称

*2

KamomeX: Knowledge-based asset management o&m solution engineering dX(商標出願中)

*3

Operational Technology: 制御・運用技術

*4

ローコード開発: ソースコードを書かずにアプリケーションを迅速に開発する手法

図1 本サービスの概念図

関連情報

日立パワーソリューションズについて

  日立グループは、OT(Operational Technology)やIT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。日立パワーソリューションズは、エネルギー・産業・情報など社会インフラのさまざまな分野でソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社日立パワーソリューションズ 経営戦略本部 経営戦略部 全社プロジェクト推進グループ
[担当:武田]
〒317-0073 茨城県日立市幸町三丁目2番2号
電話 : 0294-55-7185(代表)

以上