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2021年12月21日
株式会社日立パワーデバイス
鉄道車両や再生可能エネルギー発電システムなどの社会インフラの高効率化を支援
今回開発した1.7kVフルSiCモジュール
株式会社日立パワーデバイス(以下、日立パワーデバイス)は、高耐久性・高効率性が求められる鉄道車両や再生可能エネルギー発電システム向けに、スイッチング損失を当社従来比で約30%低減した、高耐久・低損失の1.7kVフルSiCモジュール*1三製品を新たに開発しました。本製品は、製品化済みである、半田接合の約3倍のパワーサイクル耐量*2をもつ焼結銅接合*3による高耐久フルSiCモジュールに、新たに独自設計した温度依存性の低いゲート抵抗を採用して高速動作性能を向上させることで、電力損失の大幅な低減を実現しました。2022年1月からのサンプル供給開始を予定しています。当社は本製品の提供を通じて、社会インフラの高効率化を支援することで、脱炭素社会の実現に貢献します。
世界的なエネルギー需要の増加が見込まれる中、さまざまな社会インフラに活用されているパワーデバイスは、脱炭素社会実現に向けて、さらなる高効率化が求められる製品分野です。その中でも、SiCパワーデバイスは、従来素材のシリコン(Si)と比較して、絶縁破壊強度が高いことによる低損失化しやすい特長を有しており、電力変換器の電力消費量低減に適しています。
日立パワーデバイスは、2018年の製品化以降、国内の鉄道車両向けに、フルSiCモジュールを提供してきました。また、2019年には、SiCチップと銅配線板を焼結銅で接合することにより、半田接合と比較してパワーサイクル耐量を約3倍に向上させた高耐久フルSiCモジュールを製品化していました。
今回開発したフルSiCモジュールは、焼結銅接合を用いた高耐久フルSiCモジュールの設計を見直し、新たに独自設計した温度依存性の低いゲート抵抗を採用することで、高速動作性能を向上させ、オン・オフ動作に伴うスイッチング損失を従来比で約30%低減することに成功したものです。当社は、今回製品化したフルSiCモジュールを、鉄道車両のインバーターに加えて、再生可能エネルギー発電システムにおける電力変換器向けにも提供します。
日立パワーデバイスは、これまで、主に鉄道やEV向けにパワーエレクトロニクス製品を提供してきましたが、脱炭素社会に向けて、電力システムやデータセンターなど、幅広い社会インフラの高効率化を実現する製品の開発を加速させています。今後も、社会インフラの電力消費量・二酸化炭素排出量削減を支援するパワーデバイスの開発・提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
型式 | 耐圧 | 電流定格 | 最高接合 温度 |
サイズ | サンプル提供開始 時期(予定) |
---|---|---|---|---|---|
MSM900GS17CLT | 1.7kV | 900A | 175℃ | 100mm x 140mm |
2022年1月 |
MSM1350GS17CLT | 1,350A | ||||
MSM1800GS17CLT | 1,800A |
日立パワーデバイスは、パワー半導体関連分野において蓄積してきた長年の実績と、最新のデバイス技術を融合させた高付加価値製品を提供し、社会イノベーション事業の発展に貢献しています。「IGBT・SiC」、「高耐圧IC」、「ダイオード」の3つを主力製品群としており、環境価値向上のために、高耐圧・低損失技術を生かした製品の開発を進めています。
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
株式会社日立パワーデバイス
以上