ニュースリリース

MonotaRO物流倉庫向けに、小型無人搬送ロボット「Racrew」約400台含む搬送設備、自動倉庫および倉庫制御システムを追加受注

MonotaROの笠間ディストリビューションセンターで稼働中の小型無人搬送ロボット「Racrew」

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、工場用間接資材の通信販売最大手である株式会社MonotaRO(以下、MonotaRO)が兵庫県川辺郡猪名川町に開設する物流倉庫「猪名川ディストリビューションセンター(以下、本センター)2期工事向けに、株式会社日立インダストリアルプロダクツ製の小型無人搬送ロボット「Racrew(ラックル) *1」約400台を含む搬送設備、自動倉庫および倉庫制御システム(以下、WCS*2)を受注しました。日立では2020年にも本センター1期工事向けに「Racrew」約400台を含む搬送設備、自動倉庫およびWCSを受注(2022年3月納入予定)しており*3、今回はこれに続く追加受注で、本センターでの「Racrew」稼働台数は800台超、棚数は約10,000台となります。
  2022年4月に稼働開始予定(1期工事分(2期工事分:2023年4月稼働予定))の本センターは、延床面積が約13万平方メートルとMonotaROが運用する物流倉庫の中では最大規模です。今回の受注により、1期工事分での取り扱い物量からさらなる拡充が図られ、1日あたり出荷能力は合わせて約18万行*4となる予定です。
  本センターでは、商品が保管されている棚ごと指定位置まで自動搬送する「Racrew」を、本センターにおける大部分の商品に対して使用し、ピッキング作業の生産性向上に寄与します。また、日立は「Racrew」と専用の垂直搬送機を連係させて、棚が自動で複数のフロア間を移動できる仕組みを開発し、構築します。これにより、複数のフロアにわたって「Racrew」を活用した効率的な搬送が可能になります。さらに、倉庫内の搬送設備全体と自動倉庫をWCSで制御することで、作業効率と生産性の向上に貢献します。

*1

「Racrew」は株式会社日立インダストリアルプロダクツの日本における登録商標です。

*2

WCS: Warehouse Control System (コンベヤーなどの搬送設備を制御するシステム)、今回受注分は1期導入時のインフラ増設・改造。

*3

2020年8月25日発表の日立ニュースリリース「MonotaRO最大規模の物流倉庫向けに小型無人搬送ロボット「Racrew」約400台を含む設備一式と倉庫制御システムを受注」

*4

行: 受注伝票に記載される行単位の注文数のこと。

背景

  近年、eコマースは、取り扱い商品やサービスの充実に加え、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、その需要が急拡大しています。一方で、物流業界では、多種多様な商品をお客さまへ迅速かつ効率的に配送することが求められています。なかでも物流倉庫においては、先進のデジタル技術やロボティクスを活用したオペレーションの自動化や省力化、配送リードタイムの短縮に向けた取り組みが積極的に行われており、そのニーズはこれまで以上に高まっています。

  このような中、日立は、物流倉庫の高度化ソリューションとして、物流センターの計画からマルチベンダーSI*5、保守まで一貫してお客さまを支えるトータルエンジニアリングサービス、小型無人搬送ロボット「Racrew」や2021年4月に買収したKyoto Robotics株式会社の知能ロボットシステム*6などのプロダクト、センター内の設備全体制御を実現するWCSなどのOT*7、WMS*8やAIやアナリティクスを活用した計画系のLumada*9ソリューションなどのITまで幅広いラインアップを有しており、これらを組み合わせてお客さまの課題を解決する「トータルシームレスソリューション」を提供しています。

  MonotaROと日立は2015年よりロジスティクス分野での協創を進めており、2017年および2019年に同社の笠間ディストリビューションセンター(茨城県笠間市)向け*10に、2021年3月に茨城中央サテライトセンター(茨城県東茨城郡)向けに「Racrew」および自動倉庫、搬送設備とWCSを納入しました。そして、本センターにおいては、日立の「Racrew」をはじめとした設備やシステムの計画支援を行う高いエンジニアリング力と幅広い技術力、および生産性向上に関するこれまでの実績を評価いただきました。

*5

SI: Systems Integration

*6

2021年4月8日発表の日立ニュースリリース「日立が知能ロボットシステム開発のスタートアップ企業Kyoto Roboticsを買収」

*7

OT: Operational Technology(制御・運用技術)

*8

WMS: Warehouse Management System (物流倉庫における入荷、在庫、出荷などの一連の業務を一元的に管理・効率化するシステム)

*9

Lumada: お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。

*10

  日立Webサイト「社会イノベーション プロジェクト事例『欲しいものを、欲しい時に -eコマース企業を支える自動搬送ロボット』」

今後の取り組み

  将来的に日立とMonotaROは、OT×プロダクト領域の最適制御に加え、IT領域も組み合わせた最適な作業指示や人・設備などのリソースコントロールを行う機能強化の検討やロボティクスのさらなる活用により、物流センターのさらなる高度化をめざします。

受注概要

小型無人搬送ロボット「Racrew」について

  「Racrew」は工場の製造ラインや倉庫業・通信販売業の配送センター向けに、部品や商品の保管量、工場内レイアウトの変更に柔軟に対応し、指定した位置まで棚やパレットを自動搬送できる小型無人搬送ロボットです。また、収集したデータをもとにデータアナリティクスのノウハウを活用して分析・シミュレーションすることで、利用頻度の高い部品や商品を積んだ棚を短い搬送時間で済む配置にしたり、渋滞の少ない搬送ルートを選択するなど、搬送効率を改善させる機能を有しています。

関連情報

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 関西支社 産業システム営業部 担当:徳尾野、家田
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島二丁目3番18号
産業・流通ビジネスユニット ソリューション&サービス事業部

以上