このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2021年11月22日
既存施設からの受注は国内初
完成予想図:新陽子線治療施設(左)・既存陽子線治療施設(右)
株式会社日立製作所(以下、日立)は、筑波大学から、陽子線がん治療システム一式と、新陽子線施設の設計・建設から運営・保守・維持管理などを含む、PFI方式*による陽子線施設整備運営事業を受注し、2021年9月30日に契約を締結しました。新施設にはコンパクトな配置で、加速器一式と回転ガントリ治療室2室を備えた陽子線がん治療システムを納入します。2025年夏頃に治療開始予定で、その後20年間にわたり日立が運営を支援していきます。
本事業は、2001年に日立の陽子線治療システムを導入後、約20年が経過し老朽化が進んだため、新規に施設整備を実施するもので、新施設完成後、既存施設から移行する予定です。既存の陽子線がん治療施設から、2基目を受注するのは、国内で初めてとなります。
筑波大学では世界に先駆けて、1983年から陽子線加速器を用いたがん治療を実践しています。2001年に日立の陽子線治療システムを導入し、これまでに約6,000名のがん患者へ陽子線治療を提供しています。今後、日立は、国内外を代表する放射線治療の研究・教育・臨床拠点としてさらなる発展をめざす筑波大学との強いパートナーシップのもと、新たな陽子線治療施設を整備します。また、小児がんや、肝臓や肺など呼吸に伴って移動する臓器の腫瘍(移動性腫瘍)などの治療技術について、共同で研究を進めていきます。
日立は本事業を推進することにより、子どもから高齢者にまで優しい治療や、治療後の患者のQoL(Quality of Life)の維持・向上などを支援します。また、粒子線がん治療システムのグローバル展開を加速させ、低侵襲ながん治療のさらなる発展に貢献していきます。
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つです。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線といいます。治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されています。
株式会社日立製作所 ライフ事業統括本部 スマートセラピー本部 ヘルスケア事業部
放射線治療事業推進部 [担当:髙田、島田]
〒277-0871 千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1
以上