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2021年11月15日
日立ヴァンタラ社
(本件は、英国/米国において、11月9日に発表しました。)
株式会社日立製作所(以下、日立)の米国子会社であるHitachi Vantara LLC(以下、日立ヴァンタラ社)は、このたび、米国の非営利団体Rainforest Connection(以下、レインフォレスト・コネクション)とのパートナーシップを拡大し、熱帯雨林とその繊細な生態系を保護するためのデータドリブンなソリューションの開発と拡大を加速します。具体的には、違法伐採を防止するための予測分析の開発と拡大を継続するとともに、森林の生物多様性を保護するための新たなユースケースを創出します。なお、11月9日に行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(以下、COP26)のセミナーで、日立ヴァンタラ社とレインフォレスト・コネクションは、本パートナーシップがインドネシア共和国・スマトラ島の熱帯雨林保護にどのように貢献しているかを含め、気候変動対策においてデータドリブンなソリューションが果たす基本的な役割について議論しました*1。
熱帯雨林は、世界で最も効果的な二酸化炭素吸収源であり、気候変動に対する重要な防御手段です。世界では、2020年だけで420万ヘクタールの熱帯林が失われており*2、COP26では、熱帯林と生物多様性の保護が、2030年の目標達成に向けた議論の重要な部分を占めています。日立は英国・グラスゴーで開催されているCOP26に「プリンシパル・パートナー」として参加しました。
日立ヴァンタラ社のCEOであるガジェン・カンディアは、「企業や政府が持続可能性の目標を達成するためには、データとテクノロジーの活用が最も重要です。日立ヴァンタラ社とレインフォレスト・コネクションは、持続可能性に関する課題をコミュニティレベルで解決し、世界に変革をもたらすためには、AIや分析技術に加えて、パートナーとの強固なエコシステムがいかに重要であるかを示していきます。」と述べています。
インドネシア政府は、スマトラ島の森林がコミュニティの経済的・環境的安全に不可欠であると認識し、地域のコミュニティが違法伐採から地域の森林を保護する事を認めています。しかし、少数のレンジャーによる月に数回の広大な森林のパトロールでは、違法伐採が事後に発見されることがよくありました。
日立ヴァンタラ社は、レインフォレスト・コネクションが長年「ガーディアン」システムで収集してきた生態系の音響データを用いて、森林の音の基準値を開発し、伐採の予兆となる飛び立つ鳥や人間の声など、環境音の変化を検知する予測アルゴリズムとAIを構築しました*3。
レインフォレスト・コネクションのCEOであるトファー・ホワイトは、「日立ヴァンタラ社のような大企業が、自然保護の最前線で活動するレインフォレスト・コネクションのようなスタートアップに対して、最先端のテクノロジーを開放することで、私たちは一丸となり、想像をはるかに超え、世界を変える成果をもたらすことができます。」と述べています。
本パートナーシップにより、インドネシアのKOMUNITAS KONSERVASI INDONESIA WARSI(以下、KKIワルシ)のような地域の非政府組織のリーダーとともに、予測データに基づくアラートを地域の村に発することで、違法伐採を事前に阻止することができます。レインフォレスト・コネクションとKKIワルシは、スマトラ島西部の9つの村に27台の「ガーディアン」機器を設置しています。
KKIワルシのエグゼクティブ・ディレクターであるルディ・シャフは、「私たちのコミュニティは森林から、水や稲作だけでなく、地滑りからの保護といった恩恵を受けています。これらの小さな村は、森林を守るための知識は持っていますが、テクノロジーがなければ十分なリソースを確保することができませんでした。私たちは、地域のコミュニティが政府と提携して森林を最善に管理できることを示したいと思っています。そのためには、レインフォレスト・コネクションと日立ヴァンタラ社の支援が必要です。」と述べています。
日立ヴァンタラ社が開発したスケーラブルなクラウドとデータ・アーキテクチャーは、レインフォレスト・コネクションが生物多様性を保全するために、地域ごとのニューラル・ネットワーク*4といった数理モデルを構築する際にも活用されています。レインフォレスト・コネクションは、各地域に存在する数百もの種の音響データをカタログ化しデータベースを構築、AIと機械学習を適用して、これらの音響データからより効率的な分析と実用的な知見を抽出することで、脆弱な種を保護するための最良策を提示します。
現在、レインフォレスト・コネクションの「ガーディアン」システムは、ベリーズ、コスタリカ、スリナム、エクアドル、ペルー、ブラジル、ボリビア、ルーマニア、南アフリカ、カメルーン、フィリピン、インドネシア、マレーシア、イタリア、オーストリア、英国、チリ、ギリシャ、アイルランドにおけるプロジェクトで使用されています。
レインフォレスト・コネクションは、遠隔地の生態系の保護と研究のために、世界初のスケーラブルなリアルタイム監視システムを開発しました。ドローンや衛星などの視覚的な追跡システムとは異なり、レインフォレスト・コネクションのアプローチでは、音響センサーである「ガーディアン」システムを使用して、365日常時、特定の場所で生態系の音風景をモニターします。世界中の熱帯雨林で6年以上の運用実績を有するレインフォレスト・コネクションのテクノロジーは、ほんのわずかなコストで監視や分析作業の多くを行うフォース・マルチプライヤーの役割を果たします。レインフォレスト・コネクションのテクノロジーは、包括的な生物多様性監視プログラムを通じて進化しており、現地のパートナーは、適応型管理の原則に基づいて、野生生物の回復と再生の進捗状況を測定することができます。オンラインの「ガーディアン」から収集される音声記録は、違法行為から、霊長類、鳥類、カエル、昆虫、コウモリ、その他無数の生物種まで、あらゆるものを検出・分析します。音響データには、生態系の構成に関する情報が非常に多く含まれています。レインフォレスト・コネクションの監視プラットフォームには、分析用の CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラル・ネットワーク)モデルを生成する機能があります。
日立製作所の100%子会社である日立ヴァンタラ社は、お客さまのデジタルに関する課題を解決し、お客さまを「今」から「次」へと導きます。お客さまとともに協創して、優れたビジネスの知見とデジタル技術をお客さまのビジネスとそのデータに適用することで、経済と社会の発展に貢献します。Fortune 100企業の80%以上が日立ヴァンタラ社を信頼し、新たな収益源の開拓、競争優位性の確保、コストの削減、顧客体験の向上、社会的・環境的価値の提供を支援しています。
以上