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2021年10月22日
Intermodalidad de Levante社
株式会社日立製作所
(本リリースの内容は、英国において10月21日(木)に発表したものです。
日本では10月22日(金)に配信しました。)
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レール(スペイン)社は、このたび、スペイン王国(以下、スペイン)の鉄道運営会社であるIntermodalidad de Levante社(以下、ILSA社)からETR1000型高速鉄道車両20編成の2052年まで30年間にわたるメンテナンスに関する契約を7億3,700万ユーロ(約980億円*1)で締結しました。この保守契約は、ILSA社と日立のグローバルなパートナーシップを保証します。また、2020年8月に締結したETR1000型車両の製造契約*2に続き、日立のスペインでの継続的なプレゼンス向上に寄与します。
イタリアで製造され、欧州で最も速く、持続可能で、静かなILSA社のETR1000型車両は、新規雇用する75名を超える従業員によってマドリードでメンテナンスが行われます。メンテナンスには予防保全や修理が含まれており、最先端の車両により乗客に最高レベルの信頼性と快適性を提供できるようサポートします。
ILSA社のETR1000型車両は、2022年後半に営業運転を開始する予定であり、マドリード、バルセロナ、バレンシア、アリカンテ、マラガ、コルドバ、セビリアを結ぶ高速鉄道路線を、最先端の空気力学、省エネ技術及び高い性能により運行効率の最大化を実現した車両で運行します。また、リサイクル可能な素材85%、再生可能な素材が95%使用されています。このような環境に配慮された車両設計は、ILSA社の最も持続可能な車両へのコミットメント及び、日立の温室効果ガスの排出量削減という脱炭素戦略に貢献します。
本契約はスペイン最初の民営高速鉄道事業者の発展に向けた新たな一歩であり、運行と乗客の快適性の両方で最高水準のサービスを提供するという当社のコミットメントを証明するものです。また、本契約により、スペインにおけるコネクティビティや産業の発展、雇用創出に対するILSA社のコミットメントをさらに強化します。
今回の日立とのメンテナンス契約は、スペインで事業を創出するために、すべてのステークホルダーと長期的な素晴らしい関係を築きたいと考えている私たちにとって、まさに顕著な例です。環境への配慮と、持続可能性に関する指針は両社が共有する価値感であり、そして疑いなくスペインの高速鉄道車両が2022年後半の運行開始時に、イノベーション、持続可能性、マルチモーダルの面で前進できることが、車両の製造と保守の両方において戦略的パートナーになるための決定的な要素となりました。ILSA社の新CEOとして、私の前任のファブリツィオ・ファヴァーラから日立との素晴らしい関係を引き継ぐことができ、大変光栄に思います。
スペイン鉄道市場に新しい高速鉄道路線用の車両だけでなく、保守サービスを提供できることを誇りに思います。この契約により、日立が事業展開している国々において高速でより環境に優しい移動を提供することで、モビリティの発展により貢献することが可能になります。イタリアで高速車両から在来線車両まで多くの保守サービスの実績がある日立の鉄道保守メンテナンス事業にとって、今回の契約は重要なマイルストーンです。
この契約は日立のスペイン鉄道市場における存在感とコミットメントを確実にするものです。スペインは私たちのオペレーション・メンテナンス事業にとって重要な国です。ETR1000のメンテナンス契約に加え、私達はマドリードメトロ車両53編成及びマドリードーレリダ間の高速路線の地上設備のメンテナンスを行っています。
ILSA社のETR1000型車両は、日立とAlstom グループ(旧Bombardier Transportation)により、日立のピストイア(イタリア)の工場で組み立てられています。第1編成は既にスペインで認証試験を行っており、第2、第3編成は2021年末までにスペインに到着予定です。1編成の全長は約200メートル、乗客定員は約460人で、時速360キロでの営業運転を実現します。また、広い座席や、5G Wi-Fiや、バーエリアなどがあり、快適な乗車体験を楽しむことができます。ETR1000型車両は2015年からイタリアで運行され、性能、運行の効率性、乗客の快適性の標準を築いてきました。
日立が担当するすべてのオーバーホール、運営、保守サービスは、車両、信号、デジタル技術、ターンキーソリューションと同様に日立の6大陸38か国にある11の製造拠点で実施します。
ILSAはスペインで最初の民営高速鉄道事業者で、多くの車両を高密度で運行します。ILSAはTrenitaliaとパートナーのAir Nostrumに所有されています。2022年に運行開始予定で、全ての車両が新車です。第一フェーズでは20編成の最新鋭車両に10億ユーロの投資を行い、日立とBombardier(現Alstomグループ)が製造します。ILSAはスペインの高速列車の30%を運行する予定で、まずはマドリード、バルセロナ、セビリア、マラガ、コルドバ、バレンシア、アリカンテ、サラゴサを結んで800万人の乗客を輸送することを目指しています。2000人の直接・間接雇用をする計画であるILSAは、2019年にADIFが行ったスペイン鉄道輸送自由化のための入札で、Renfeに次いで最も列車運行本数が多いパッケージBを獲得しました。経営チームは会長のCarlos Bartomeu、社長のSimone Gorini、ゼネラルマネジャーのVíctor Bañaresで構成されています。
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
以上