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2021年10月1日
Bao Viet Insurance
株式会社日立製作所
Hitachi Asia (Vietnam) Co, Ltd.
将来の疾病発症リスクを予測し、健康増進を支援する新たな保険サービスを提供
ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)最大手の国営保険会社である Bao Viet Insurance(本社:ベトナム・ハノイ市/以下、バオベト・インシュランス)と、株式会社日立製作所(以下、日立)、日立のベトナム現地法人であるHitachi Asia (Vietnam) Co, Ltd.(以下、日立アジア(ベトナム)社)の3社は、このたび、AIやビッグデータ解析などデジタル技術を活用し、ベトナムにおける健康意識の向上や疾病発症・重症化の予防に寄与する保険事業のイノベーション創出に向けて、提携することで合意しました。
これに基づき、バオベト・インシュランスは、保険契約者向けに提供するアプリ「Bao Viet Direct」に、日立の医療ビッグデータ解析技術を導入し、手軽に生活習慣病の発症リスクを測定して健康指導を受けられる、健康増進に向けた新たな保険サービスの提供を、本日より開始します。
近年、ベトナムでは、急速な経済発展や中間所得層の拡大に伴い、食事や運動といったライフスタイルの変化による、生活習慣病の増加が問題となっています。
所得や生活水準の向上により、質の高い医療サービスへのニーズが高まる一方、「予防」や「早期治療」の考え方が浸透しておらず、350万人を超えると言われる糖尿病患者のうち治療を受けている割合は約30%にとどまるなど、病気が重症化してから治療を始める人も多いと言われています。さらには、医療機関の人件費の上昇により、医療費の高額化が懸念されるなど、医療保険分野の市場規模は急速に拡大しています。
バオベト・インシュランスは、ベトナム財務省が65%以上の株式を保有する、ベトナム最大の金融グループBao Viet Holdingsの事業会社の1社で、100万人以上もの医療保険契約者を有する、国内トップの損害保険会社です。昨今では、新しい技術を取り入れた付加価値の高い保険サービスの開発に積極的に取り組んでいます。
今回の日立との連携はその一環となるものであり、日立の医療ビッグデータ分析ソリューション「Risk Simulator for Insurance」を活用することを決定しました。「Risk Simulator for Insurance」は、健診結果やレセプトなどの医療ビッグデータから8大生活習慣病発症による将来の入院リスクを予測する、日立独自のAIを使ったLumada*1ソリューションで、2018年の販売開始以降、日本国内では、生命保険会社のほか自治体の保健指導など活用が広がっています。
今回、バオベト・インシュランスが開始する新サービスでは、利用者が、モバイルアプリから健康診断の結果や既往歴を入力することで、糖尿病や高血圧などの8つの疾病の将来リスクを算出し、手軽に自身のリスク傾向を把握することが可能です。リスクを高める要因となっている項目や、改善のためのアドバイスも表示できるため、食生活や運動習慣の改善などの具体的な行動変容を促し、健康増進を支援します。
将来的には、リスク予測をきっかけにバオベト・インシュランスが展開する遠隔診療サービスへつなげるなど、保険申込におけるさらなるチャネル拡大と機会創出が期待できます。また、「Baoviet Direct」が持つさまざまな健康データ管理機能と組み合わせることで、組織・団体単位での健康情報を一元管理して企業の健康経営を統合的に支援するサービスの実現をめざすなど、テクノロジーを活用した新たな健康増進サービスの創出に向けて継続的に協議していきます。
今後も、バオベト・インシュランスは、先進の技術を継続的に取り入れ、ベトナムの人々の健康増進に寄与し、保険契約者の健康な人生をサポートする保険サービスを展開していきます。
日立は、バオベト・インシュアランスとの取り組みで得られた成果をもとに、さらなるサービス拡充を図るほか、需要の見込まれる東南アジア諸国などに拡げ、グローバル市場における保険サービスの拡大と利便性の向上に貢献していきます。
バオベト・インシュランスは、ベトナム国営の金融グループBao Viet Holdingsの傘下で、火災保険や車両保険、医療保険などの損害保険事業を担う会社として1965年に設立し、損害保険分野で国内トップの売上高とシェアを誇る、業界屈指の歴史と実績をもつリーディングカンパニーです。
ベトナム全土に79の支店を展開し、3,000人以上の従業員、85,000以上の代理店を擁するなど、広範で強力な拠点・営業ネットワークを有しているほか、顧客により良いサービスを提供するため、オンラインサイトやアプリを活用した販売チャネルの整備など、業界のパイオニアとして、最新技術を取り入れた保険サービスの開発に積極的に取り組んでいます。
「Risk Simulator for Insurance」は、日立健康保険組合向け保健事業支援や大手生命保険会社との共同研究などを通じて得た医療ビッグデータ分析ノウハウに基づいて開発したモデルを用いて、生活習慣病の将来リスクを予測するシミュレーションサービスです。具体的には、糖尿病、脳血管疾患、腎疾患、心血管疾患、高血圧性疾患、膵疾患、肝疾患、悪性新生物の8つの疾病を対象に、将来の入院発生確率や医療費を予測します。
提供形態は、webで利用可能なSaaS形式とリスク予測モデルのAPI提供形式の2種類があり、業務やシステムの制約、利用用途に応じて柔軟な活用が可能です。
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーであるLumadaを通じて、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ、オートモティブシステムの6分野でお客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速することで、社会価値・環境価値・経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 金融システム営業統括本部 [担当:松浦]
〒100-8220 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
以上