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2021年8月20日
日立ABBパワーグリッド
(本件は、スイス・チューリッヒにおいて、
8月19日9:00(日本時間16:00)に発表しました。)
再生可能エネルギーの導入拡大による系統の不安定化を解消し、脱炭素社会の実現に貢献
日立ABBパワーグリッドは、STATCOM(静止型無効電力補償装置)とスーパーキャパシタの技術を組み合わせた、新たな系統安定化装置「SVC Light Enhanced」の提供を開始します。本装置は、無効電力を供給するSTATCOM「SVC Light」と数百MWs(メガワット秒)の有効電力を貯蔵・瞬時放出するスーパーキャパシタで構成されており、再生可能エネルギーの出力変動によって生じる電圧や周波数の変動を瞬時に抑制することができます。本装置の採用により、送電網の電力品質と安定性を維持することで、再生可能エネルギーのスムーズな系統連系を可能とし、データセンターからモビリティに至るまで、世界中で加速している脱炭素社会の実現に向けた取り組みを支援します。
世界のエネルギーシステムは、太陽光や風力といった出力変動があり、予測が困難な再生可能エネルギーの導入が進む一方で、火力や原子力といった従来型発電所が閉鎖するなど、大きく変革しています。従来型発電所の閉鎖が進むと、タービンや発電機といった回転装置が電力を蓄積し、放出する慣性力が減少し、送電網の不安定化や、停電の原因となる電圧変動・周波数変動を抑えることが困難になります。このような背景から、送電網の電力品質と安定性を維持する系統安定化技術がますます重要となっており、SVC Light Enhancedを活用することで、従来型発電所への依存度を低減し、安定した送電網を維持することができます。
日立ABBパワーグリッドのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「SVC Light Enhancedは、効率的で信頼性の高いソリューションを必要とする、世界中のお客さまのニーズに対応する製品です。大量の電力を瞬時に供給することで、送電網の安定性とレジリエンスの維持を支援し、お客さまのCO2排出のないエネルギーの導入拡大、さらには脱炭素社会の実現に向けた取り組みに貢献します。」と述べています。
SVC Lightをはじめとした当社のSTATCOMは、従来の静止型無効電力補償装置と比較して、ライフサイクル全体でCO2排出量を40%削減します*1。2021年4月には、ドイツで世界最大容量*2のSTATCOMを受注するなど、より多くの再生可能エネルギーの連系に貢献しています。また、2020年12月には、STATCOMと同期調相機を組み合わせた世界初のハイブリッド調相設備の実証を英国で開始しました。
今回のSVC Light Enhancedの発売は、世界の国や地域、ならびにお客さまのカーボンニュートラルなエネルギーの未来に向けた取り組みを支援するという、当社の目標を体現する一つの例であり、持続可能性に関する戦略計画「サステナビリティ2030」に合致するものです。
なお、当社は、2021年8月18日(水)からオンラインで開催されている国際大電力システム会議(CIGRE*3)の「VIRTUAL CENTENNIAL SESSION」において、本装置を紹介しています。
日立ABBパワーグリッドは、日立とABB社で合わせて約250年の歴史を持つグローバルテクノロジーリーダーであり、90カ国で約36,000人の従業員を擁しています。スイス・チューリッヒに本社を置き、エネルギー、インダストリー、インフラ産業のバリューチェーンに加えて、モビリティ、スマートシティ、蓄電やデータセンターなどの新分野にも事業を展開しています。日立ABBパワーグリッドは、グローバルトップの導入実績やフットプリントを生かし、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値のバランスを向上させます。また、より強じん、よりスマート、よりクリーンなグリッドを実現するためのパートナーとして、革新的なデジタル技術により"Powering Good for Sustainable Energy"を実現していきます。 なお、日立ABBパワーグリッドは、2021年10月、社名を日立エナジーに変更します。
以上