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2021年4月21日
株式会社日立ハイテク
-近赤外線領域での高感度な分析・測定を実現-
株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:伊東 祐博/以下、日立ハイテクサイエンス)は、このたび、先端産業分野で需要が高まる光学部材の分光特性検査に特化した分光光度計「UH4150AD+」を、日本国内向けに発売します。
【分光光度計UH4150AD+】
近年、人間の目では見ることができない波長800 nm〜1700 nmの近赤外線によるカメラやセンサーが先端産業の幅広い分野で活用されています。特に、自動運転やスマートフォンで利用が始まったLiDAR*1によるリモートセンシング技術、夜間など暗い状況下でも撮影可能な暗視カメラ、セキュリティを守るための顔認証や虹彩・静脈認証、5Gで需要が増加する光通信など、その用途は範囲が拡大しており、技術も高度化しています。
こうした光学機器の性能向上に伴い、使用されるレンズやフィルタをはじめとした光学部材の吸光度、透過率、反射率などの分光特性を高精度に測定できる装置が求められています。また、光学部材には光学薄膜や光吸収剤によって特定波長のみを透過させ、不要な波長域をカットするバンドパス機能が施されていますが、この機能を高精度にするため、評価指標の一つである測光レンジ*2の範囲拡大が必要とされています。
分光光度計は、試料に光を照射し、光の波長ごとに試料の吸光度や透過率を測定する装置です。このたび開発したUH4150AD+(Advanced Spec Plus)は、光学部材向け分光特性検査装置としてこれまでのUH4150シリーズから、近赤外線領域における分光特性の測定性能を向上させたモデルで、先端産業での利用が盛んな光学部材の測定に最適な装置となります。UH4150AD+の発売を通して、長年にわたり国内トップシェア*3を継続している分光光度計のより一層のラインアップ充実を図り、お客様のニーズに最適なソリューションを提供することで、先端産業分野の持続的な成長に貢献してまいります。
UH4150AD+の主な特長は、以下の通りです。
最新のカメラやセンサーに用いられるバンドパスフィルタは、6 Abs(透過率0.0001%)〜7 Abs(透過率0.00001%)以下の遮光性能の光学薄膜が施されています。本製品は、低透過率を測光する際の信号処理を改良したことで、近赤外線領域の透過率を従来比100分の1となる7 Absでの測光レンジに対応しました。これにより、従来は測定ができなかった近赤外線領域での微弱な透過率でも高精度な測定が可能となりました。
従来機*4では近赤外線領域にPbS*5検出器を使用していましたが、より高感度なInGaAs*6半導体検出器を新たに搭載しました。従来機と比較して、低透過率時での有効な低ノイズ測定が可能になったことで、より正確な測定データを取得できます。
カメラのレンズ光学系は平行光線で設計されているため、使用される光学部材の評価装置に対して入射光の平行度が重要とされています。本製品は、従来から定評のある平行光束を採用しているため、透過・反射測定の正確な入射角が担保され、精度の高い反射測定が可能となります。
日立ハイテクサイエンスは、幅広い分野における研究・開発、品質管理業務を支え、科学と産業の持続的な発展に貢献します。今後も、日立ハイテクグループは、「分析技術」をベースにお客様の先端ニーズをいち早く捉え、専用市場に特化したソリューション創出とワールドワイドでの事業拡大をめざし、個別化・高度化するお客様の課題にフォーカスした装置を開発・提供することで、社会・環境価値の創出に取り組んでまいります。
項目 | UH4150AD+ | UH4150AD(従来機) | |
---|---|---|---|
設定可能波長範囲 測定可能波長範囲 |
175〜2000 nm 185〜1800 nm |
175〜3300 nm 185〜3300 nm |
|
測光レンジ | 紫外可視域 近赤外域 |
-2〜8 Abs -2〜7 Abs |
-2〜8 Abs -2〜5 Abs |
検出器 | 紫外可視域 近赤外域 |
光電子増倍管 冷却型InGaAs |
光電子増倍管 冷却型PbS |
株式会社日立ハイテクサイエンス 営業本部 SP営業部 [担当:藤田]
〒105-6411 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー
電話 : 080-6735-6412 (直通)
以上