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2021年4月20日
既存施設と比較して作業効率、保管効率ともに約2倍の向上をめざす
小西医療器の新物流拠点(大阪ソリューションセンター)で自動倉庫と連係する小型無人搬送ロボット「Racrew」
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、シップヘルスケアグループの小西医療器株式会社(代表取締役会長:小西 賢三/以下、小西医療器)が新設した医療材料の物流拠点である大阪ソリューションセンター(所在地:大阪府門真市、以下、大阪SC)向けに、株式会社日立インダストリアルプロダクツ製の小型無人搬送ロボット「Racrew(ラックル)*1」と自動倉庫、およびそれらを連係させた自動化ソリューション(以下、本ソリューション)を納入し、このたび本格稼働を開始しました。
具体的には、小型無人自動搬送ロボット「Racrew」15台で同材料が保管されている棚を指定位置まで搬送し、垂直搬送機を通じて自動倉庫(格納数:1,440パレット、縦27m×横15m×高さ18m)と連係させ、これら全体を倉庫制御システム(WCS) *2で一括制御することで、設備間の搬送の全自動化を実現しました。これらにより、小西医療器では従来のピッキング業務に比べて作業効率を約2倍*3、保管効率を約2倍*4向上し、さらには「Racrew」と自動倉庫の連係により作業状況などに合わせた効率的な棚の入出庫を実現します。なお、本ソリューションの納入は、日立としては初めてです。
物流業界では近年、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足に加え、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、物流倉庫において、先進のデジタル技術やロボティクスを活用したオペレーションの自動化・省力化や、多種多様な商品をお客さまに迅速かつ効率的に届けるための配送リードタイムの短縮に向けた取り組みが積極的に行われています。
医療用機器・器具を販売する小西医療器では、医療機関に消耗品を日々配送するメディカルサプライ事業を行っており、従来、物流倉庫における医療材料のピッキング業務などを人の手を介して行っていたことから、作業効率・生産性の向上が課題でした。このような中、小西医療器では、新設する大阪SCにおいて、関西圏の配送ニーズに迅速かつ正確に応えることをめざして、最新鋭の自動物流設備を導入することとしました。そして、こうしたニーズに対応するソリューションとして、今回、日立は「Racrew」と自動倉庫を連係させた本ソリューションの受注・納入に至りました。非接触・自動化が求められるニューノーマル時代に対応する本ソリューションの提供により、安心・安全の実現と、さらなる生産性の向上を実現します。
日立グループは、物流倉庫の高度化ソリューションとして、「Racrew」などのプロダクト、WCSやロボティクスなどのOT*5、倉庫管理システム(WMS)*6やAIを活用した倉庫業務効率化サービスなどのITまで幅広いラインアップを有しており、これらを組み合わせてお客さまの課題を解決するトータルシームレスソリューションを提供しています。これまで、大手通信販売会社向けに、「Racrew」を累計700台以上とWCSを受注した実績があります。また、2021年4月には、知能ロボットシステム開発のスタートアップ企業であるKyoto Roboticsを買収*7し、デパレタイズ*8やパレタイズ*9も含めた物流倉庫の自動化ライン全体のロボットSIのソリューション提供力の強化を図りました。
今後も、最新のデジタル技術を生かして、新常態(ニューノーマル)に対応するロジスティクス分野の課題解決を推進し、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の向上に貢献していきます。
発注者 | 小西医療器株式会社 |
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納入先 | 大阪ソリューションセンター(大阪府門真市) |
契約内容 | 「Racrew」15台、自動倉庫、WCS |
契約年月 | 2020年2月 |
納入年月 | 2020年12月 |
「Racrew」は工場の製造ラインや倉庫業・通信販売業の配送センター向けに、部品や商品の保管量、工場内レイアウトの変更に柔軟に対応し、指定した位置まで棚やパレットを自動搬送できる小型無人搬送ロボットです。また、収集したデータをもとにデータアナリティクスのノウハウを活用して分析・シミュレーションすることで、利用頻度の高い部品や商品を積んだ棚を短い搬送時間で済む位置に配置したり、渋滞の少ない搬送ルートを選択するなど、搬送効率を改善させる機能を有しています。本センターでは「Racrew」を導入することにより、従来のピッキング業務に比べて約2倍の作業効率向上を見込んでいます。
外形寸法 | 幅916mm×長さ990mm×高さ430mm |
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積載重量 | 最大500kg |
走行速度 | 最大速度60m/分 |
電源 | リチウムイオン電池(自動充電機能付) |
小西医療器株式会社を主体に、シップヘルスケアグループの関西エリア基幹物流拠点として2020年12月に竣工。業界初の自動物流設備やRFID技術を駆使した自動在庫管理等、様々なメーカーが共同で開発を行い、医療材料供給における新しいソリューションを提案。効率性・生産性の向上に加え、使用消耗品と個々の治療との紐付けによってこれまで難しかった原価管理を含む高度なトレーサビリティを実現。今後もオープンイノベーションの場として継続して進化し、医療現場の様々な課題をソリューション(解決)することで医療の未来を支えていくことをめざしています。
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 関西支社 ライフソリューション部 [担当:松本、岡崎]
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島二丁目3番18号
電話 : 06-6202-1426(直通)
以上