ニュースリリース

2021年春季交渉回答について

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭／以下、日立)は、今回の交渉において、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた日立の業績見通し、通常とは大きく異なる事業環境下で従業員一人ひとりが取り組んできた創意工夫と事業への貢献などを労働組合と共有した上で、エンゲージメント*向上・生産性向上に向けた「総合的な人財への投資(トータルリワード)」、および「新しい働き方」の実現に向けた「ジョブ型人財マネジメントへの転換」について議論し、本日、労働組合からの要求に対する回答を行いました。

1. 総合的な人財への投資(トータルリワード)に関する回答の考え方

(1)賃金

  社会が大きく変化する中においても、日立は引き続き、「社会価値」「環境価値」「経済価値」の3つの価値を向上させ、社会イノベーション事業の「グローバルリーダー」への変革をめざすことから、以下の観点に特に重きを置き、回答を決断しました。

• (a) 「2021中期経営計画」の目標達成に向けた従業員のモチベーション・エンゲージメントの向上
• (b) 賃金引上げのモメンタム(推進力)維持による経済好循環への貢献

(2)賞与

  これまでも、各年度における業績と支払能力に応じて支給してきましたが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大という通常とは異なる事業環境の中で、従業員一人ひとりの創意工夫と2020年度の業績への尽力・貢献に報いたいとの思い、および「2021中期経営計画」の目標達成への期待を込めて回答を決断しました。
  また、一人ひとりが、顧客および日立の事業継続・発展のために、ニューノーマル(新常態)における新しい働き方の土台作りに貢献したことに報いたいとの思いから、労働組合からのコロナ禍における費用補填の要求も踏まえて、特別に加算して回答しています。

(3)ニューノーマルにおける新しい働き方を踏まえた福利厚生制度・施策の見直し

  ニューノーマルにおける新しい働き方においては、業務内容などに応じて働き方・働く場所を柔軟に選択可能とし、生産性向上と多様な人財のさらなる活躍を推進していくことを踏まえ、出社を前提とした現状の福利厚生制度・施策の見直しを行います。具体的には、「在宅勤務に要する費用補助の方法」「働き方およびオフィスの見直しに伴う食堂・昼食補助の在り方」などについて、2021年度上期中を目途に労使で議論します。

2. ジョブ型人財マネジメントの「自分ごと化」による成長実現

  日立が社会イノベーション事業でグローバルに成長していくためには、多様な人財の活躍が重要であり、ジョブ型人財マネジメントへの転換は必要不可欠な施策です。その実現に向けて、2020年度までは「ジョブ型の必要性の認識、意識変革」をテーマに、各種施策を実施してきました。今回の交渉では、ジョブ型の「自分ごと化」を狙いとして議論を進め、従業員一人ひとりの理解が深まったと考えています。
  2021年度は「意識変革からの行動変容」をテーマに、一人ひとりがジョブ型を「自分ごと」として捉え行動に移していくフェーズとします。従業員一人ひとりが「自分のキャリアを自分で構築していく」という意識を持ち、一人称で考えて行動することを、各種コミュニケーション施策を通じて促していきます。そのために、会社としても、ジョブディスクリプションの導入などによる「職務の見える化」やマネージャーによるサポートの強化とともに、実態を見ながらリスキル教育も行います。また、マネージャーが部下の育成やキャリア形成をサポートできるよう、マネージャーへの教育機会付与などの支援を強化していきます。

<2021年度の重点取り組み事項>

1. ジョブディスクリプションの導入・活用の具体化(職務の見える化)およびリスキル教育の強化
2. 自分のキャリアを自分で構築していく「自律的キャリア意識」の醸成
3. 部下の育成・キャリア形成をサポートするマネージャーの支援強化
4. 自分のキャリアに当事者意識を持ち、行動に移す(自分ごと化)ためのコミュニケーションの展開

回答内容など

1. 賃金改訂交渉

2. 賞与交渉

<ご参考>

• 平均基準内賃金:317,800円
• 平均年齢:38.9才
• 支給日(予定):夏/6月10日、冬/12月10日

3. 初任給

• 大卒初任給:217,000円(1,500円の引上げ)
• 高卒初任給:169,000円(1,000円の引上げ)

*:

従業員が仕事のやりがいを感じ、仕事で成果を出すために、自律的に取り組んでいる状態

以上