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2020年12月3日
株式会社日立製作所
株式会社日立物流
日立キャピタル株式会社
日立物流の輸送デジタルプラットフォーム「SSCV(Smart & Safety Connected Vehicle)
〜スマート安全運行管理システム〜」の中核機能である「SSCV-Safety」を
日立のLumadaソリューションと組み合わせて外販し、
ニューノーマル時代の運行管理とドライバーの安全性向上、働き方改革に貢献
「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」の概念図
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)、株式会社日立物流(執行役社長:中谷 康夫/以下、日立物流)、日立キャピタル株式会社(執行役社長兼CEO:川部 誠治/以下、日立キャピタル)の3社は、このたび、日立物流が自社内で導入している、ドライバーの生体・運転データをAIで分析することで、安全運行管理をトータルサポートする「SSCV-Safety(安全運行管理)」(以下、「SSCV-Safety」)の外販に向けて協業を開始しました。2021年4月以降に物流業や製造業、卸売業、小売業、バス、タクシーなど幅広い業界における輸送業務向けのSaaS型*1新サービス「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」(以下、本サービス)として提供を開始します。
本サービスは、日立物流グループの事業用自社車両に既に搭載している「SSCV-Safety」を、日立の物流分野向けLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics」と組み合わせてサービス化するものです。日立では、テレマティクスサービスのさらなる強化に向けて、より多くの運転データを収集できるドライブレコーダーを新規開発しており、本サービスに適用する予定です。また、日立キャピタルにおいては、サービス提供に要するデバイスの調達から設置、保守、入替までの管理と、金流に関わるサービス料金の収受を担います。
日立、日立物流、日立キャピタルの3社は、本サービスを、お客さまのニーズに応じて、システムとファイナンスを組み合わせて提供していきます。そして、本サービスの導入・普及を通じて、ニューノーマル時代において需要が拡大している輸送業務における運行管理とドライバーの安全性向上、働き方改革に貢献します。
近年、国内の物流業界においては、生産年齢人口の減少とドライバーの高齢化により人手不足が深刻化しています。一方で、消費者ニーズの多様化に伴う小口の輸配送の増加や、ニューノーマル時代におけるeコマースのさらなる需要拡大に伴い、輸配送業務量が増加しており、ドライバーの安全管理の強化や労働環境の整備が喫緊の課題となっています。このような中、輸送業務を有する企業ではAIやIoTなどの先進のデジタル技術を活用したドライバーのサポートや業務効率化の取り組みが期待されています。
日立物流の「SSCV-Safety」は、2016年から「事故ゼロ」の実現に向けてドライバーの疲労度に着目し、生体情報や運行記録などと、「ヒヤリハット」や事故との相関性の分析に着手し、2017年に自社内でシステム開発を開始しました。さらに2018年、日立や日立キャピタルグループなどとともに、「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」に向けた共同研究を行い、研究結果から得られた知見・データを生かして分析精度を向上し、同年より自社車両に導入を開始しました。「SSCV-Safety」は、車両運行前後および運行中のドライバーの生体データ(体温、血中酸素濃度、血圧、自律神経など)や、ドライブレコーダーなどから取得した運転データ(前方車間距離、ブレーキ、加速度、運転時間など)を収集してクラウドに蓄積、AIを活用して分析した結果を見える化し、帰着後に効果的に振り返ることができるシステムで、日立物流はドライバーの安全運行や労務管理、技術指導などに活用してきました。
日立は、物流分野において、AIやIoTなどのデジタル技術を活用したLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics」を有しており、配送計画を自動立案する「配送最適化サービス」などを提供しています。
そして、このたび、両社の持つ技術・ノウハウを結集し、「Hitachi Digital Solution for Logistics」をサービス基盤に、「SSCV-Safety」の機能を実装して、国内の物流業や製造業、卸売業、小売業など幅広い業界における輸送業務向けに2021年4月以降に提供を開始します。また、日立は、テレマティクスサービスにおけるお客さまとの協創や、プロダクト、OT*2、ITのノウハウ・実績を持つ強みを生かして、ドライバーに対する警告などの情報を発信するために地図データやデジタルタコグラフとの連係機能を備えるなど、より多くの運転データを収集できるドライブレコーダーを新規開発しています。これを本サービスの車載端末として適用することにより、ドライバーの安全運行のサポート強化を図ります。さらに将来的には、「SSCV」の「Smart/業務効率化」や「Vehicle/車両管理」の各機能の実装や、日立キャピタルの請求回収機能を活用した従量課金などのオプションサービスを含めたサービス拡充を検討していきます。これにより、ニューノーマルに対応するロジスティクス分野の課題解決を推進するのみならず、データを活用して事業・業界を越えた協創による新たなサービスやビジネスの創出を促すなど、同分野のデジタルトランスフォーメーションを牽引し、社会価値、環境価値、経済価値の向上に貢献していきます。
「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」は、2021年4月以降公開予定
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
日立物流グループは、3PL、重量機工、フォワーディングをコアに、グローバルに事業を展開する総合物流企業です。物流現場の生産性や品質向上のための自動化・省人化技術をロボティクス・IoT・AIといった先端技術と組み合わせる、スマートロジスティクスに注力し、高付加価値のサービス提供と、新しいロジスティクスの価値創造を行っています。2019年度の連結売上収益は、6,723億円、2020年3月末時点の連結従業員数は、約45,300人でした。日立物流は、最も選ばれるソリューションプロバイダをめざし、ビジネスコンセプト『LOGISTEED』のもと、事業・業界を超えた協創領域の拡大を図り、新たなイノベーションを実現していきます。
日立キャピタルグループは、「2019〜2021年度中期経営計画」にて、「環境・エネルギー」、「モビリティ」、「ライフ」、「販売金融」を重点事業に設定し、国内外のグループ会社において、日立のLumadaを活用したAI審査の自社導入や車両の脱炭素ソリューションサービスなど、金融のみならず、サービスや事業化、ならびにそれらを組み合わせた新しい価値を提供しています。2019年度の連結売上収益は4,640億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約5,600人でした。日立キャピタルは、今後も「社会価値創造企業」として、企業・地域が抱える課題を解決する新事業の開発を推進します。
株式会社日立製作所 産業・流通営業統括本部
産業第四営業本部 スマートロジスティクス営業部
以上