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2020年10月8日
企業理念の浸透を促進し、ニューノーマル時代に求められる組織の一体感醸成を支援
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、企業や組織の理念やビジョン、施策など、さまざまなメッセージへの共感度合いを分析し、従業員エンゲージメント*1向上を促す「共感モニタリングサービス」を、2020年10月8日より提供開始します。
本サービスは、マーケティング・ブランド論・消費者心理学などを専門とする一橋大学大学院 阿久津研究室と共同で開発し、マーケティングなどで使われる調査手法を応用した独自のサーベイ・分析手法*2を用いて、メッセージ性を持った文書や動画、セミナーなどに対する受け手の共感度合いとその背景にある原因構造を可視化・分析し、改善に向けた施策立案までをトータルでサポートするものです。従業員が企業や組織のめざすべき方向や価値に共感し、高いモチベーションと一体感をもって働ける強い組織づくりを支援します。
なお、本サービスはインターナルブランディングへの活用のみならず、企業が社外に発信するコンテンツや商品ブランドイメージへの共感度合いの分析など、マーケティングやブランド戦略に向けたサーベイにおいて活用することで、商品・サービスのブランド力や価値の向上にも寄与します。
昨今、新型コロナウイルス感染症の流行による世界的なビジネス環境の変化は、多くの企業において、ニューノーマル時代での企業・組織のあり方や従業員の働き方など、事業継続そのものに関わる抜本的な議論をもたらしています。特に、テレワークの急激な普及によって、多様な働き方が促進される一方で、組織としての一体感や働きがい、パフォーマンスの低下が危惧されています。
企業理念をはじめとしたメッセージへの共感が、組織の一体感や従業員の働きがいを高め、パフォーマンスの向上や離職率の低下などにもつながることが学術研究において立証*3されています。コミュニケーション機会が減少する中でも組織としての一体感を高め、企業のめざすべき方向や価値が共有された強い組織風土を構築することがこれまで以上に重要となっています。
本サービスは、「グラウンデッド・セオリー・アプローチ*4」と呼ばれる調査手法を応用した、阿久津研究室と共同開発のサーベイ・分析手法をもとに、日立でそれらのノウハウをシステム化し提供するものです。メッセージの「どの部分」が「どのように」受け止められているかを容易に把握できるサーベイ環境を提供する「共感度合い可視化サービス」と、サーベイ結果から浸透を阻害する原因をコンサルタントが構造分析し、改善のための施策立案を支援する「改善施策コンサルティングサービス」から構成されています。
これらのサービスを活用することで、煩雑な集計作業の負荷を軽減するほか、サーベイで集まったデータの単なる集計ではなく、データを分析し、現れた現象がどのような原因や背景によって生じているかを構造的に理解することが可能となります。一般的な選択式アンケートなどによる定量評価と比べ、共感や浸透を阻害している具体的な原因を特定できるため、メッセージ内容の改善など、具体的なアクション検討につなげることが可能です。
日立は、本サービスの提供に先立ち、株式会社赤ちゃん本舗と株式会社日経BPコンサルティング(以下、日経BPコンサルティング)のインターナルブランディング強化に向けた従業員向けサーベイにおいて、サービスの先行検証を実施しました。両社ともに、会社や組織の掲げるビジョンやめざす姿に対する従業員の共感度を精緻に確認できたとともに、想定していなかった回答傾向が見られるなど、現状の実態把握や課題抽出に寄与することを確認しました。
なお、日経BPコンサルティングは、今回提供開始する「改善施策コンサルティングサービス」の専門コンサルタントとして連携するほか、日経BPコンサルティングが展開するさまざまなデジタルコンテンツの評価・改善に本サービスを適用するなど、企業における継続的な従業員エンゲージメント向上に向けて相互に協力していきます。
日立はこれまで、人の幸福度を計測できる独自技術を活用したアプリ事業を展開する株式会社ハピネスプラネットの設立*5をはじめ、人と組織のデータを活用して社内コミュニケーションの活性化や生産性向上を図る取り組みを積極的に推進してきました。今後も、本サービスをはじめ、従業員が前向きに活き活きと働く強い組織づくりに貢献していきます。
従業員がどの箇所をどう感じたかをタグ付けしたデータを取得し、メッセージの「どこ」が「どのように」受け止められているのか、組織や職位別での傾向などを可視化・相関分析し、現状の認識・課題の洗い出しを行うことができるサーベイ環境を提供します。
定型質問による点数評価を行う一般的なサーベイの場合、企業ごとの特徴に応じてサーベイを個別に設計することに時間を要するほか、結果の解釈や具体的なアクションの検討、改善につなげることが難しいといった課題があります。本サービスでは、個別のサーベイ設計をすることなく、企業理念に関するブランドブックやトップメッセージなどテキスト資料のほか、動画コンテンツやオンラインでのセミナーそのものをサーベイシートとし、すぐに調査を開始して素早く結果を得ることができます。
これにより、従業員にどう感じてほしいかの期待値と実際の受け止められ方とのギャップや、職位・属性別の捉え方の傾向などを把握でき、客観的なデータに基づいた改善・対策につなげられます。
また、テレワーク環境下での発信においてもリアルタイムに聴講者の反応を把握できるため、オンラインでの双方向のコミュニケーションを実現するツールの一つとしても役立ちます。
「改善施策コンサルティングサービス」は、「共感度合い可視化サービス」で収集したサーベイデータをコンサルタントがより詳細に分析し、改善施策を提案するものです。「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」と呼ばれる質的調査手法を応用した、独自の手法と専用の分析ツールを用いて、従業員の受け止め方の背景にある原因(周辺環境・価値観・行動様式など)をデータに基づいて仮説化し、構造的に可視化することが可能です。これにより、発信内容・発信方法の見直しにとどまらず、課題に合わせて従業員の行動・実践につなげていくための、より本質的な組織変革の施策検討に生かすことができます。
また、企業のインターナルブランディングの支援において豊富な実績をもつ日経BPコンサルティングと協力し、本サーベイを用いたコンサルティングを提供します。
企業がVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代に成長を持続させるためには、顧客への価値に加え、社会価値をも包摂した理念を明確に打ち出し、そこで働く意義を醸成し、それを社内外に浸透させていくことが有効だと言われています。また、従業員が理念に共感共鳴し、より高い働きがいや会社への誇りを抱くことにより、免疫反応が高まるなど、生体的な健康にまでよい影響をもたらすことが最近の研究で分かってきています。
日立と共同開発した「共感モニタリングサービス」は、ミッションやビジョン、価値観といった企業理念への社員の共感の程度を可視化して浸透に向けた施策への示唆を導き、施策の効果も検証することができます。また、これまでの調査から、本サービスの体験そのものが、理念の浸透を促す傾向があることも分かってきました。今後も日立と協力し、企業と働く人たちの生産性や健康の向上に資するような社会プラットフォームの構築に向けた研究に取り組んでいきます。
名称 | 価格 | 提供開始日 |
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「共感モニタリングサービス」 | 個別見積 | 10月8日 |
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部
アプリケーションサービス事業部 事業企画部
以上