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2020年9月29日
マイクロサービス導入時に必要となる幅広い技術支援を行い、ニューノーマル時代におけるDXを加速
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、大規模なエンタープライズシステム開発向けに、システムの軽量化や開発の柔軟性・即応性などで注目されるマイクロサービスへの効率的な移行を支援し、モダナイゼーションを実現する「マイクロサービステクニカルソリューション」を、10月1日から提供開始します。
マイクロサービスは、アプリケーションを独立した小さなサービスごとに機能分割し、複数のサービスを連携させて一つのアプリケーションを実現するソフトウェア開発手法の一種であり、サービス単位で最新機能を手軽に追加・修正できるなど、スピーディーなアプリケーション開発や柔軟な機能拡張に対応できる、変化に強いシステムアーキテクチャーとして注目されています。
本ソリューションは、マイクロサービスアーキテクチャーの設計支援に加えて、クラウドやコンテナ*1などのインフラ環境の設計・構築のほか、アジャイル開発*2やDevOps*3などの開発プロセスの策定や開発環境の設計・構築といった、マイクロサービスアーキテクチャーの導入時に必要となるさまざまな技術支援を行うものです。すべての機能を一つにまとめるモノリシック(一枚岩)な従来型のアーキテクチャーを、柔軟性や拡張性に優れたマイクロサービスへ効率的に移行し、ニューノーマル時代のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に貢献します。
企業においては、市場の変化に即応したサービスのタイムリーな投入やニューノーマル時代におけるDXの加速など、ビジネスの変革に耐えうるシステム基盤の刷新に向けた、モダナイゼーションへの機運が高まっています。そのような中、拡張性・柔軟性に優れたクラウドをベースとする、クラウドネイティブアプリケーションに適したアーキテクチャーとして、複数の小規模なサービスで構成されシステムの追加開発や改修が容易なマイクロサービスが注目されています。
一方、マイクロサービスには、サービスが細かく分割されていることから、サービス間におけるデータの整合性やパフォーマンスの確保が難しいといった課題があり、特に、大規模なエンタープライズシステムにおいてはアプリケーションの設計難易度が高くなるといわれています。また、マイクロサービスの導入にあたっては、クラウドの活用やコンテナ環境の構築・運用管理のほか、マイクロサービスに必要となるフレームワーク、OSS*4の知識、マイクロサービスの開発に適したDevOps環境の設計など、幅広く高度な技術が必要となり、マイクロサービス化の障壁となっています。
日立は、世界的なオープンソース企業であり、クラウドネイティブなサービス開発において豊富な実績を有するレッドハット株式会社(以下、レッドハット)と協業し、金融・公共・製造・流通といった幅広い分野のエンタープライズシステム向けに、OSSを活用したクラウドシフトや、コンテナ環境の運用管理、API管理基盤の導入など、最新技術によるインフラ環境の提供を支援してきました。2019年からは、レッドハットとともに、アプリケーションのリリースサイクルを短縮化できるマイクロサービスアーキテクチャーの容易な導入に向け、エンタープライズシステムに求められる可用性や信頼性を確保するためのシステム方式設計*5の観点をまとめたガイドラインを整備しています。
今回、日立が新たに提供開始する「マイクロサービステクニカルソリューション」は、レッドハットと整備したガイドラインをベースに、マイクロサービスの適用可否を含めた導入コンサルティングから、アプリケーションアーキテクチャーの設計やクラウド・コンテナへの移行支援、DevOps環境の設計・構築支援といった、アプリケーションレイヤーからインフラレイヤーまでトータルにサポートするものです。また、マイクロサービス化の検討を開始するために必要となる、基礎知識の習得を支援する教育サービスも提供します。
今後も、日立は、ニューノーマル時代における多様なニーズや社会変化に柔軟に対応できるITシステムの実現に向けて、最適なモダナイゼーションを支援するソリューションの提供・強化に取り組み、お客さまの新たなビジネス創出に貢献していきます。
マイクロサービスアーキテクチャーは、サービスを細分化することでシステムの拡張性や開発の柔軟性・即応性を向上できる一方で、サービス数が多くなるほどシステム全体が複雑化する傾向にあります。特に、大規模なエンタープライズシステムにおいてサービスの機能分割を進めるには、パフォーマンスやデータの整合性、運用管理の負荷といった幅広い観点での設計が重要となります。
本ソリューションでは、マイクロサービスやクラウド、コンテナなどの技術に精通した日立のITアーキテクトと、豊富なアプリケーション構築実績・設計ノウハウを有するアプリケーションスペシャリストにより、お客さまのビジネス要件に適したアプリケーションアーキテクチャーの設計を支援します。
日立は同時稼働数が2,000を超えるコンテナの運用実績を有し、それらのノウハウを活用して、既存アプリケーションのコンテナ対応のほか、コンテナ実行環境の構築やクラウド環境の運用設計・構築を行うなど、ITインフラのモダナイゼーションを支援します。また、レッドハットとの協業により、ハイブリッドクラウドに対応するコンテナ基盤「Red Hat OpenShift」の販売・サポートや、セキュアなAPI管理基盤を実現する「Red Hat 3scale API Management」や「Red Hat Single Sign-On」を活用した「クラウドAPI管理ソリューション」などを取り揃え、マイクロサービスに適したインフラ環境の構築をサポートします。
ビジネスの変化に柔軟に即応し、新規サービスのタイムリーな市場投入に向け、多数のマイクロサービスを継続的かつ迅速にリリースするためには、開発からリリースまでの一連の作業プロセスの策定や、各作業を効率よく実行するための開発環境が必要となります。大規模エンタープライズシステムにおける効果的なアジャイル開発実践のための日立の開発方法論「HIPACE Agile Scrum Methodology」をベースに、お客さまのプロジェクトに適した開発プロセスを策定するほか、ビルド・デプロイ・テストまでの一連の作業を自動化するDevOps環境の設計・構築を支援します*6。
マイクロサービスへの移行に関する実施可否の判断やマイクロサービス化する対象範囲の検討など、マイクロサービスアーキテクチャーの導入におけるさまざまな課題に関する検討や導入前のPoCなどを支援します。また、クラウドやコンテナ、OSS、DevOpsなどの技術について、お客さまの要望や習熟レベルに合わせた基礎教育を実施します。
レッドハットは、日立による「マイクロサービステクニカルソリューション」の発表を歓迎いたします。国内外で多くのエンタープライズシステム構築・運用実績のある日立のノウハウとテクノロジーに加えて、マイクロサービスアーキテクチャー基盤として「Red Hat OpenShift」を活用いただくことで、クラウドネイティブアプリケーションの構築から運用までをトータルでサポートできます。レッドハットは日立と協業し、ITシステムのクラウドシフトを加速し、お客さまのDXに貢献してまいります。
名称 | 価格 | 提供開始日 |
---|---|---|
「マイクロサービステクニカルソリューション」 | 個別見積 | 10月1日 |
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部
アプリケーションサービス事業部 事業企画部
以上