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企業情報ニュースリリース

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2020年8月24日
株式会社日立産機システム

新型環境調和型配電用変圧器 「奏(かなで)シリーズ」販売開始

エステル油採用と省エネルギーで持続可能な社会に貢献

[画像]「奏シリーズ(油入り500kVA)」
「奏シリーズ(油入り500kVA)」

  株式会社日立産機システム(取締役社長:荒谷 豊/以下、日立産機)は、エステル油*1の採用と省エネルギーにより持続可能な社会の実現に貢献する新型環境調和型配電用変圧器 「奏(かなで)シリーズ」を2020年9月から販売開始します。

  電力インフラの重要機器である、配電用変圧器には高い信頼性と併せて、省エネルギー性能が求められ、省エネ法において特定機器*2の指定により、エネルギー消費効率を満たしたトップランナー変圧器が主流となっています。また、近年では持続可能な社会への対応のため環境保全への取り組みの重要性が高まり、配電用変圧器も環境に調和する製品が望まれています。一般的な配電用変圧器は絶縁油として化石燃料由来の鉱物油をベースとした電気絶縁油を使用しており、更新時の廃油処理や、災害時などで周囲に漏油した際の環境への影響が課題とされていました。日立産機は2019年よりエステル油を採用した変圧器の販売を始めました。今回、搬入時の作業を容易にするため、さらに小型化を実現した新型「奏シリーズ」を開発しました。

  新型「奏シリーズ」の絶縁油には、温室効果ガス削減や生物多様性に配慮し生産された大豆を原料としたエステル油を採用することで、更新時の廃油処理や、万一、災害などで漏油しても土壌や河川、海洋への汚染の影響が少なく、高い安全性を実現しました。また、当社トップランナー変圧器比で最大18%*3の小型化を実現しました。更新対象となる高経年の変圧器*4との比較では据付面積を31%縮小し、電気室や盤内での設置スペースを有効活用することが可能となり、搬入時などの作業を容易にしました。

  今回開発した新型「奏シリーズ」は、鉄心にアモルファス材を採用することで、夜間など低負荷時の損失を大幅に低減することにより、省エネ基準達成率が最大142%*5となる省エネルギー性能を実現しました。「奏シリーズ」は、環境にやさしいエステル油の採用と高い省エネルギー性能により、持続可能な社会の実現に貢献します。

主な特長

(1) 安全な絶縁油

  新型「奏シリーズ」が採用する絶縁油はアメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP)*6に基づき、温室効果ガス削減や生物多様性に配慮し生産された大豆から精製したエステル油を採用しています。このエステル油は高い生分解性(微生物などにより分解される性質)を有し、一般的な変圧器で使用される鉱物油に比べて、万一、災害などで漏油しても土壌や河川、海洋への汚染の懸念が少なく、高い安全性が確認されています。またエステル油の原料となる大豆は成長過程での光合成により二酸化炭素を吸収するため、焼却や処理をしても、大気中の二酸化炭素増減に影響を与えずカーボンニュートラル*7に貢献しています。

(2) 据付面積の縮小化と防災性向上

  今回採用したエステル油と耐熱性能に優れた絶縁紙の組み合わせにより、変圧器の耐熱クラスを引き上げることで、据付面積を当社トップランナー変圧器比最大18%の縮小化を実現しました。また、更新対象となる高経年の変圧器との比較では据付面積を31%縮小し、電気室や盤内での設置スペースを有効活用すると共に搬入時の作業を容易にしました。
  また、本製品で採用しているエステル油は引火点が320℃以上と鉱物油に比べて高く、世界水準の火災予防規格であるFM規格*8の認証を取得しています。そのため、一般的な変圧器の絶縁油は消防法で危険物の扱いになりますが、本製品で採用しているエステル油は指定可燃物として取り扱いできます。

[画像]据付面積のイメージ図
据付面積のイメージ図

(3) 高い省エネルギー性能

  配電用変圧器は、工場やビルなどの幅広い分野で使用されており、経済産業省より特定機器に指定されトップランナー基準を超えたエネルギー消費効率が必要です。奏シリーズはアモルファス合金を鉄心に採用し無負荷損を低減することで、省エネ基準達成率が最大142%の達成率となる省エネルギー性能を実現しています。
  また変圧器は長期に渡って使用されるため、更新対象となる高経年の変圧器との比較では発生損失を67%低減することができ、省エネルギー化により持続可能な社会の実現へ貢献します。

標準仕様

相数 定格電圧(V) 定格容量
(kVA)
周波数
(Hz)
結線 適用規格
一次電圧 二次電圧
三相 F6750-R6600-F6450-F6300-6150 210 300,500 50
または
60
Y/Δ JEC 2200-2014
JEM 1500-2014
IEC60076-14準用
750,1000 Δ/Δ
420-242 300,500 50 Δ/Yn JEC 2200-2014
JEM 1500-2014
440-254 60
420-242 750,1000 50 JEC 2200-2014
JEM 1500-2014
IEC60076-14準用
440-254 60
*1
エステル油:有機化合物から生成された油
*2
省エネ法における特定機器:エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)にて、省エネルギー化を推進することが義務付けられた機器
*3
三相1000kVA、50Hzの場合の当社トップランナー変圧器比
*4
1980年製の三相300kVA/二次440V-254V/60Hzの当社変圧器の比較
*5
三相300kVA/二次440V-254V/60Hzの場合の省エネ法にて規定される機器のエネルギー消費効率
*6
アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル(SSAP) :アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が開発した大豆生産のサステナビリティに関するプロトコル
*7
カーボンニュートラル:一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量になること
*8
FM規格:米保険会社(FM Global社)を中心に立ち上げた、米国で最も一般的な火災防止に関する承認規格

関連情報

日立産機システムについて

  日立グループは、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。日立グループの、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野の中、日立産機システムはインダストリー分野のプロダクト事業を通じてお客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社日立産機システム 事業統括本部
受配電・環境システム事業部 企画部 [担当:山下,星野]
〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町3番地 AKSビル
TEL : 070-7027-4247

以上

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