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2020年3月30日
データ利活用の技術やノウハウを集約し、研究開発と事業のスパイラルアップのサイクルを構築してLumada事業拡大を推進
データサイエンスラボのイメージ
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、データサイエンティストのトップ人財として、AI・データアナリティクス分野の研究者や高度なデータサイエンスと技術の業務適用に不可欠なOT(Operational Technology)の深い知見を有するエンジニア・コンサルタントなど約100名を結集し、個々のスキルと知見を生かしてコラボレーションする新組織「Lumada*1 Data Science Lab.」(以下、データサイエンスラボ)を、4月1日付で中央研究所の「協創の森」*2に設立します。データサイエンスラボでは、データサイエンティストが、柔軟な発想で技術と業務をマッチングし、スピーディーに検証することで、より複雑で高度なお客さまの課題にも応える新たなサービスや技術を創出していきます。
また、協創の森に集まる世界中の先進的なお客さまやパートナー、大学などの外部の多様な知見を取り入れながら、オープンイノベーションによるさらなるサービス価値の向上を図ります。
データサイエンスラボの設立により、AI・データアナリティクス分野の研究開発と事業のスパイラルアップのサイクルを構築するとともに、データ利活用の実践の取り組みを通じたデータサイエンティストのトップ人財の育成も行い、2021年度までに200名規模に人員を拡大していきます。
IoT技術の進展により、社会やビジネスが生み出すデータが加速度的に増え続けています。日立はこれらのデータをビジネスの新しい価値の源泉ととらえ、さまざまな事業領域のお客さまとともに、人々のQoL(Quality of Life)と企業価値を向上させる社会イノベーション事業に取り組んでいます。このために、日立はCPS(Cyber Physical System)の考え方をベースに、日立が幅広い分野で培ってきたOT、IT、プロダクトの技術やノウハウを集約して、Lumadaソリューションとして提供しています。例えば、製造現場のデータを活用することで、熟練技能を可視化し、品質改善や作業効率の向上、生産計画の最適化、作業者の安全確保などに貢献してきました。これらは、日立が製造業におけるデータのとらえ方やお客さまの業務を深く理解していることで実現したLumadaソリューションです。今後、さらにLumada事業を拡大していくためには、技術の変化が激しいAI・データアナリティクス分野のデジタル技術の最新動向を常にとらえるとともに、その技術をいかに社会課題やお客さまのビジネスに適用していくかが重要であり、研究開発と事業の双方の高度なデータサイエンティストをより一層連携させていくことが求められていました。
今回、日立は、データサイエンスラボを設立し、AI・データアナリティクス分野の研究者やエンジニアの個々のスキルを高めるとともに、グループ・グローバルで連携することで、その技術やノウハウを共有して、社会やビジネスの現場にすばやく提供していきます。
データサイエンスラボの具体的なミッションは、以下のとおりです。
データサイエンティストのトップ人財として、AI・データアナリティクスの先進技術を有する研究者や、データ利活用のノウハウだけてなく、日立が社会インフラを支える中で培ってきた品質管理のデータ解析技術・ノウハウなどOTの知見を併せ持つ日立独自の高度なエンジニアやコンサルタントを結集します。そのようなデータサイエンティストが、個々のスキルや知見を生かしながら、技術の研究開発から社会・ビジネスへの適用までをシームレスに繋ぐことで、複雑で高度な課題の解決に貢献していきます。例えば、鉄道や発電所、エレベータ/エスカレータ、建設機械など、日立が有する幅広い分野のOTの知見や業務ノウハウと、先進のAI・データアナリティクス技術を掛け合わせることで、故障率の低減や高効率な稼働を実現するサービスを創出し、社会インフラの維持など社会課題の解決とともに人々のQoL向上にも貢献することができます。
2019年4月の開設以来、協創の森では世界中のお客さまやパートナーとさまざまな協創プロジェクトがスタートしています。データサイエンスラボを協創の森に設置することで、世界中のパートナー企業や先進のスタートアップ企業、大学からの共同研究者やインターンシップなども積極的に受け入れ、オープンに多様な知見を取り入れることで、イノベーションを創出し、さらなるサービス価値の向上を図ります。
日立はLumada事業のさらなる拡大に向け2021年度末までにデータサイエンティストを3,000名に増強することをめざし、育成を強化しています*3。今回、その人財の中でも高度なデータサイエンスだけでなくOTの知見を高いレベルで有するトップ人財を結集し、データサイエンスラボをAI・アナリティクス分野の中核組織として位置づけます。データサイエンスラボを研究開発と事業のスパイラルアップのサイクルの実践や多様な人財との交流・相互研鑚の場とすることで、データサイエンティストのトップ人財のさらなる強化を図ります。
また、今後、データサイエンティストのトップ人財をめざす社員や新入社員はデータサイエンスラボに一定期間所属することで、Lumada事業の協創プロジェクトを通して最先端のデータサイエンティストとしてのスキルやOTノウハウを学ぶことが可能になります。
場所 | 日立製作所 中央研究所 協創の森 (東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地) |
ラボ長/副ラボ長 | ラボ長:影広 達彦(研究開発グループテクノロジーイノベーション統括本部デジタルテクノロジーイノベーションセンタ メディア知能処理研究部) 副ラボ長:徳永 和朗(サービス&プラットフォームビジネスユニット AIビジネス推進部) |
人数 | 2020年度は100名程度。2021年度に200名体制とする。 |
ミッション | 1. 先進技術、データ利活用ノウハウ、OTの知識の蓄積と活用 2. オープンイノベーションの加速 3. AI・アナリティクス分野における人財育成強化 |
日立はイノベーション創生を加速するための研究開発拠点「協創の森」を、東京都国分寺市にある中央研究所内に開設しました。「協創の森」では、SDGs、Society 5.0の実現に向けて、オープンな交流や協創アプローチを用いて、英知と技術の融合によるイノベーションを発信していきます。
日立は、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2018年度の連結売上収益は9兆4,806億円、2019年3月末時点の連結従業員数は約296,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 Lumada Data Science Lab 事務局
以上