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2019年10月2日
株式会社日立製作所
Hitachi Consulting Corporation
(本リリースは、英国にて10月1日に配信された英文リリースの抄訳です。)
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)の米国子会社であるHitachi Consulting Corporation*1(CEO:ヒッシャム・アブデサマド/以下、日立コンサルティング社)は、このたび、NHS*2グループのNorthern Care Allianceと、医療サービス提供プロセスのデジタルトランスフォーメーション実現に向けた英国初のプロジェクトについて、パートナーシップ契約を締結しました。本プロジェクト(Digital Control Centre)は10年間を予定しており、Northern Care Allianceに属するSalford Royal NHS Foundation Trust(以下、サルフォードロイヤル病院)において、救急医療からケアサービスまで総合的な医療サービスを提供する組織の変革に取り組む計画です。サルフォードロイヤル病院の既存のITシステムに、高度なアナリティクスやIoTを取り入れることで、スタッフの能力やリソースを最大限に活用することを支援していきます。これにより、スタッフは、患者や医療サービス利用者のニーズに応えつつ、患者のケアや専門知識を生かした対応に、より多くの時間を割くことができるようになります。
本プロジェクトでは、デジタル化と自動化を推進することで、スタッフに必要な情報をタイムリーに提供し、患者やサービス利用者向けの医療サービスを最適化します。スタッフは、患者やサービス利用者の一人ひとりのニーズに対して、利用可能な病床や手術室、医療機器などを適切に割り当てられるようになるため、病院リソースの無駄や待ち時間を最小限に抑えることが可能となります。患者やサービス利用者一人ひとりにとって最適かつタイムリーな医療サービスを提供できるようになるだけでなく、プロセスの自動化や情報の可視化により、データを探して定型フォーマットに記入するといった煩雑な業務を削減し、スタッフの満足度の大幅な向上や、病床や手術室の管理の最適化も実現します。Northern Care Allianceの最高経営責任者であるRaj Jain氏は、医療スタッフ・非医療スタッフとも密に連携して本プロジェクトを計画しており、現行の運営を大きく変革していきます。
本プロジェクトの第一フェーズでは、病院内で患者がケアを受ける上でのさまざまなプロセスや経験(patient's journey)および煩雑な手続きの課題解決に注力する計画であり、救急医療に関するシステム開発も実施予定です。病院の中でも、救急医療のシステムには大きな負荷がかかっているため、本プロジェクトでは患者情報・入退院などに関するフローツールを導入することで、通院・入院記録や、患者病歴情報における主要な臨床指標、適切な診療方針の設定に役立つ入院リスクや基準患者状態スコアといった情報を救急医療部門のスタッフに対してほぼリアルタイムに提供し、タイムリーな患者の治療をめざします。また、需要管理ツールによって空きベッド状況の可視化や病床計画の半自動立案化を実現し、意思決定を迅速化します。
さらに、今後、本パートナーシップでは、病院組織における変化を予測するモデルを構築し、デジタル空間上でシミュレーションすることで、より良い病院経営にも貢献します。
本プロジェクトでは、以下3つの領域に取り組みます。
今後、Northern Care Allianceと日立コンサルティング社は、デジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、KPMG社、ExtraMed社、CenTrak社、Microsoft社といった先進的なヘルスケアやオペレーション、技術などについてのノウハウを有する幅広いパートナーとともに、本プロジェクトに取り組んでいきます。さらに、サルフォードロイヤル病院への展開を経て、将来的にはNorthern Care Allianceの他の病院にも展開していく予定です。
本プロジェクトは、組織のスタッフ全員に変化をもたらします。大切なのは、改善すべき点を特定し実行できるよう、スタッフをサポートすることです。テクノロジーは変革を可能にしてくれますが、スタッフが実際に行動に移すことによって改善は実現します。医療と病院運営の双方での一貫したリーダーシップが重要です。サルフォードロイヤル病院では、21世紀の最新のテクノロジーを最大限に活用することができる、強力なリーダーシップを確立しています。
私たちは常に、適切なケアを、適切な場所、適切なタイミングで患者に提供するよう努めてきましたが、今回の取り組みは必ずそれを実現するものだと考えています。現在、スタッフは、患者の方々が適切に入院し、適切な医療専門家から必要な治療を受け、適切に退院できるようにするため、常に時間に追われている状況です。本プロジェクトは、病院のシステムを革新し、患者の方々に提供できる医療サービスと病院における経験を向上させるものであると信じています。
また、私たちは、常に臨床医がプロジェクトの設計と立案をリードすることを重視しており、本プロジェクトにおいてもそれは同様です。私は、本プロジェクトの計画段階をはじめ、サルフォードロイヤル病院への本プロジェクトの適用、そして将来的にはNorthern Care Alliance内のより多くの患者の方々に貢献するため本プロジェクトを拡大する過程においても、引き続き臨床医とともに取り組んでいきます。
本プロジェクトにおいて、デジタル技術を病院の運営改革に活用することで、大きな効果を発揮することができます。Northern Care Allianceの素晴らしいチームと協力することで、より多くのリソースを最適化し、必要な情報に早くアクセスできるようにし、スタッフの働き方を改善していきます。これにより、より早くより適切なケアを実現し、地域の人々に貢献していきます。
私たちは、この革新的なプロジェクトにおいて、Northern Care Allianceとパートナーシップを組むことを非常に誇りに思っています。私たちは、本プロジェクトにより、今後の改善に向けた構想を策定し、社会に大きく貢献できると信じています。本プロジェクトを通じて、日立の社会イノベーション事業におけるグローバルなヘルスケア事業のノウハウと、デジタル技術をより進歩させていきます。
サルフォードロイヤル病院は、Pennine Acute Hospitals NHS Trustとともに、NHSグループのNorthern Care Allianceに属する医療機関です。Northern Care Allianceは、サルフォード、オールダム、ベリー、ロッチデール、ノースマンチェスターにまたがる19,000人以上のスタッフと幅広い病院およびコミュニティサービスで構成されています。サルフォードロイヤル病院は、病院、コミュニティ、プライマリーケアおよびソーシャルケアサービスの総合プロバイダーとして優れた評価を受けており、北イングランドにおいて初めてCare Quality Commissionから最高評価を獲得した機関でした。神経科学、腸不全などを含む多くの専門サービスの拠点であり、サルフォードにおける主要な総合ケアプロバイダーです。また、サルフォードロイヤル病院は、NHSグループの中でも最もデジタル活用が進んだ医療機関の1つとして知られています。
日立コンサルティング社は、グローバルに社会イノベーション事業を展開する日立製作所とともにデジタルソリューションやプロフェッショナルサービスを提供しています。日立コンサルティング社は、ビジネス変化を捉え、デジタルトランスフォーメーションの加速を支援しています。データを戦略的資産として活用することで、イノベーションを迅速化し、新しい収益源を開発するなどグローバルなダイナミクスに対応できるよう支援します。また、お客さまと協創し、効率的かつ持続可能なビジネス成果をもたらすソリューションを創造します。
日立は、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2018年度の連結売上収益は9兆4,806億円、2019年3月末時点の連結従業員数は約296,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
以上