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企業情報ニュースリリース

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2019年6月6日
株式会社日立製作所
株式会社博報堂

「第四回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」を実施

パーソナルデータ利活用に対する生活者意識の変化や
AIによるプロファイリングへの期待と不安などを調査

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と株式会社博報堂(代表取締役社長:水島 正幸/以下、博報堂)は、生活者のパーソナルデータ*1利活用に対する意識や、AI(人工知能)によるプロファイリング*2への期待と不安、ビッグデータ利活用への親しみ度合いによる意識差などを調査した「第四回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」を協働で実施しました。

*1
パーソナルデータ:本調査および本リリースでは、個人情報(個人情報保護法に規定する、特定の個人を識別できる情報)に限らず、商品の購入履歴やGPSによる位置情報など広く特定の個人を識別しない情報を合わせて「パーソナルデータ」と定義します。
*2
プロファイリング:本調査および本リリースでは、本人の個人的側面を分析または予測するための、パーソナルデータの自動的な処理のことを「プロファイリング」と定義します。

  本調査は、日立と博報堂が、両社におけるビッグデータ・IoT・AIの利活用事業推進の一環として、2013年度より継続的に実施しているもので、パーソナルデータ利活用に対する生活者の意識の変化や、新技術に対する関心などを定量的に把握することを目的としています。企業による生活者のパーソナルデータ利活用のあり方がますます多様化する中、プライバシーに配慮した適切なパーソナルデータの取り扱いは、企業にとって極めて重要なテーマとなっており、本調査の結果からデータを取り扱う企業に求められる取り組みについても検証しています。

  具体的には、第一回から継続して、パーソナルデータ利活用によって生じるリスクに対する不安の程度や抵抗感の実態について調査し、不安の低減につながる対策について検証しています。2016年の第三回に続き、第四回目となる今回の調査では、パーソナルデータ利活用に対する期待と不安については、全体的な傾向は変わらないものの、"年代が若いほど不安が少なく、年代が高いほど不安が大きい"という傾向が初めて明確に表れました。

  今回新たに調査した、AIによるプロファイリングに対しては、多くの生活者が「病気予防」「安全運転アシスト」への活用などに期待していると同時に、AIが自動処理により下す判断について、その根拠が分からないという"AIならではの問題"に起因するプライバシー上の不安も覚えていることが明らかになり、その推進にあたっては、企業に適切な対策や倫理感が求められていることが分かりました。
  また、ビッグデータが身近になり、生活者のパーソナルデータ利活用への関心・知識が全体的に高まっていることに加え、ビッグデータを利活用したサービスの開発に携わっていた経験がある、実際にそのサービスを利用したことがあるなど、ビッグデータとの関わりや親しみがある生活者ほどデータ利活用への期待や関心が高いことが確認されました。

  日立と博報堂は、今回の調査から得られた知見を、両社の独自サービスの開発・提供や、顧客企業のパーソナルデータ利活用事業の運用支援に生かしていきます。

調査概要*3

調査日:2019年3月1日〜3月3日、調査手法:インターネット調査
対象者:全国20〜60代男女1,030名

<調査結果のポイント>

●パーソナルデータの利活用に対する生活者の期待と不安は、依然として過半数が不安を感じるものの、適切な対策の徹底で不安は低減可能。

  • パーソナルデータ利活用に対する期待と不安の全体的な傾向は、前回調査と変わらず。
    年代別では、"年代が若いほど不安が少なく、年代が高いほど不安が大きい"という傾向が初めて明確に。
  • 不安要因のトップ2は、前回調査と変わらず「拒否権がないこと」と「活用目的の説明・公表が不十分」。
  • 「第三者提供の制限」「収集制限」「第三者による企業監査」の徹底で不安が軽減されると6割近くが回答。

●AI(人工知能)の活用には、多くの生活者が期待。推進にあたっては、企業の適切なルール遵守が不可欠。

  • 特に、AIによるプロファイリングでは、「病気予防」「安全運転アシスト」などに期待。
  • 一方、AIの自動処理による判断について、その根拠が分からないという"AIならではの問題"に起因するプライバシー上の不安も浮上。
  • 期待を高めるには、パーソナルデータを活用するサービス、新しい技術の提供における適切な説明が必要
  • AIを利用する企業に求められているのは、「人や環境に対する安全性の担保」、「使用データの適切な管理」、「AIに起因する問題の責任の所在を明らかにすること」などの原則の遵守。

●パーソナルデータ利活用への関心・知識は上昇傾向。ビッグデータへの関わりや親しみ度合いによって意識差も。

  • パーソナルデータ利活用への関心・知識レベルは前回に比べ全体的に底上げ。
  • ビッグデータを利活用したサービスの開発に携わっていた経験や、実際にそのサービスを利用したことがあるなど、ビッグデータへの関わりや親しみがある生活者ほど、データ利活用への期待や関心・知識が高い傾向。
  • プライバシー保護について、「企業等による対策を期待する生活者」と「自衛傾向の強い生活者」の2つのタイプが存在し、それぞれが求める対策への対応が必要。
*3
詳細は、添付資料(P5〜P12)に掲載。

日立におけるプライバシー保護の取り組みについて

  日立は、組織的にプライバシー保護対策の運用に取り組むため、2014年7月に、情報・通信システム事業関連の部門において、プライバシー保護対策を統括する「パーソナルデータ責任者」、およびプライバシー保護の取り組みに関する知見を集約してリスク評価や対応策の立案を支援する「プライバシー保護諮問委員会」を社内に設置しました。具体的な施策として、日立独自のチェックリストに基づき、データ利活用関連の案件においてプライバシー影響評価を実施(2018年度実績:約180件)するなど、日立が独自にサービス提供する場合だけでなく、顧客サービスの運用を支援する際にも適切にパーソナルデータを取り扱い、サービスにおけるプライバシー侵害の問題化を未然に防止するべく取り組みを進めています。
  また、今回の意識調査の結果のほか、実事例で直面した課題、国内外の法制度・技術などの動向、プライバシーに関するインシデントなどを踏まえ、継続的にプライバシー保護に向けた取り組みの評価・改善を実施しています。

博報堂におけるプライバシー保護の取り組みについて

  博報堂DYグループでは、2014年度より「"生活者データ・ドリブン"マーケティング」の推進を開始、さまざまなビッグデータを「生活者データ」として読み解き、生活者DMPの構築などを通じて、各企業のマーケティング支援を行っています。
  この一環として、生活者のデータを安全に保護しながらデータドリブンマーケティングを実践するために、個人データを非個人情報に加工したうえで統合するデータ活用技術「k-統計化&データフュージョン」を開発し、特許を取得しています。この技術により、データ活用時に直面する個人情報の取り扱いという課題が解決され、より広く安全にデータを利活用することができます。日本の情報法やセキュリティなどの専門家が集まる「情報法制研究所(JILIS)」の報告書でも、「k-統計化&データフュージョン技術」は適法かつ有効な例であると紹介されています*4
  このほかにも、パーソナルデータ取り扱いの局面に応じたプライバシーの保護に取り組んでいます。

*4
2017年12月18日発表 一般財団法人情報法制研究所、広告領域への匿名加工情報利用に関する提言を発表〜適法かつ有効な例として、博報堂DYグループの『POS-AD®』に言及

過去の調査結果

「日立セキュリティフォーラム2019」での紹介について

  本調査結果を踏まえた、パーソナルデータの利活用における日立のプライバシー保護の取り組みについては、日立が2019年6月11日(火)に、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催する「日立セキュリティフォーラム2019」内にて、セミナーを行います。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所

日立セキュリティ総合窓口

株式会社博報堂

広報室 [担当:山野・西尾]
〒107-6322 東京都港区赤坂五丁目3番1号 赤坂Bizタワー
TEL : 03-6441-6161(直通)

以上

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